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事実を伝えない、「形式主義的客観報道」の困ったチャン記事

2005年11月22日 | 長  野  県  政

田中知事の困ったときの救いの神 「長野県調査委員会」が、
今さら五輪招致で9千万円の不明金と、グッドタイミングの報告書
 

下の記事は22日付け読売全国版社会面に載っていたものだが、最下段に注目。

「田中知事は帳簿問題の検証を公約に掲げ、04年2月、調査委を設置していた。」
となっているが、正確にはこう書いたほうがいい。

「ー公約に掲げ、2000年当選したが、自身の交通費を二重に県に請求し支給されていた、などの問題が明るみに出て支持率が落ちたころから、それまで放置していた帳簿問題の検証に俄然積極的になった。現在長野県では田中知事の後援会幹部が県の事業に口出ししたのではないか、との問題を調査する百条委員会が設置されていて、その最中の報告書提出には議会側を牽制する世論誘導的意図がある。」

とすべきだが、建前報道のマスコミにはこうは書けない。
背景に踏み込まないで、事象の一部だけを取り上げて書くと、事実と異なったことを読者に伝えてしまうーという困った記事の見本だ。形式主義的客観報道に寄り掛かった記事だ。

この読売記事を読むと田中知事が、何か良い事をしているように見えてしまうが、何のことはない、自分の失点を隠すために仕舞い忘れていた宿題を引っ張り出してきて、大慌てで自分の都合のいいように答えを書き込んでいるに過ぎない。

オリンピック帳簿問題は過去号で書いたように、これもまたマスコミが勘違いして馬鹿騒ぎしているだけで疑惑の実体がないものだ。

それにしても長野県調査委員会の田中知事の私兵ぶりにはあきれる。これまでも田中知事がピンチになると議会側に不利になるような過去の話をほじくり出して、根拠薄弱な印象操作的情報を流している。この委員会は本来の目的をすっかり忘れている。
五輪招致にかかわる県民の不信感を利用して、田中知事に向けられた批判をそらそうというのだからあいた口がふさがらない。姑息、悪辣の極みだ。
同委員を辞めた醍醐聰・東京大学大学院教授の百条委員会での証言によれば、せっかくなったのだから辞めたくないーといったようなことを言っている委員もいるようだ。
それなりに社会的評価もある方たちなのだが、浅ましいーと言わざるを得ない。恥を知らない同委員会がこのような名称を名乗っていることに違和感を覚える。「看板に偽りあり!」ではないのか。

    参考過去号  以下URLクリック後、黄色ハイライト部注目
スクープ!《 キーマンの証言 》
● 長野五輪招致委員会帳簿焼却"事件"の真相
http://tinyurl.com/8nw33
_______________________

●週刊朝日スクープは"情報漏洩事件"だ!
 長野県調査委員会を調査すべき

●週刊朝日が五輪帳簿あったとー怪しいスクープ?
 議会前になると出てくる田中知事救済ネタ
http://tinyurl.com/buohj


長野五輪招致の使途不明金、9000万円…県に報告へ  (11月22日  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051122i201.htm
 長野冬季五輪(1998年)の招致活動を巡る経費の使途に不明朗な点があったとされる問題で、「長野県」調査委員会(会長=磯村元史・函館大客員教授)は週内にも、「招致委の活動に約9000万円の使途不明金があった」という内容の報告書を田中康夫知事に提出する。

 五輪招致委員会の会計帳簿は92年に焼却したとされてきたが、帳簿の写しが見つかり、その分析や関係者への聞き取りなどから判明した。国際オリンピック委員会(IOC)委員への現金工作は裏付けられず、報告書に盛り込まない方針。

 調査委は2004年3月、県の施設の倉庫から、招致活動最終年度の91年度分の「支出記入帳」とみられる書類の写しの一部を発見。今年8月から、招致委の口座があった八十二銀行(本店・長野市)の出納記録と照合し、金額が一致したことなどから、本物の帳簿の写しと断定した。

 調査委は、長野を開催地と決めた英国でのIOC総会の経費を集計した県職員作成の「招致活動概要」も入手。帳簿の写しと突き合わせた結果、招致活動概要の項目の中で、IOC委員への「ロビーイング」に相当するとみられる金銭の出入りに関し、前渡し金が2億2500万円、戻された金が1億3530万円で、差額の約9000万円が未返却だった。

 未返却分について、適正な支出とする記載や証言などがないことから、使途の説明がつかない「不明金」と判断した。不明金については、IOC委員へのわいろに使われた可能性があるとの見方もあったが、確証は得られなかったという。

 使途不明金とは別に、写しにはIOC総会前後の支出として、「土産代(ブローチ等)1766万円」などの記載があった。

 会計帳簿は当初、招致委事務局があった長野市役所に保管されていたが、開催地決定後の92年に焼却処分されたといい、帳簿の原本は見つかっていない。田中知事は帳簿問題の検証を公約に掲げ、04年2月、調査委を設置していた。