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草なぎ剛くんのこと、読書記録など・・・気ままに更新♪(コメント&TBは承認制となっています)

『マン島の黄金』

2006-02-05 18:03:00 | 読書

2006-No.1   1/3~1/23

作者:アガサ・クリスティー(早川書房 クリスティー文庫 840円)

 総合評価…★★★★ 4


短編集です。表題作を含め、12編の短編が収められています。比較的初期の作品で、しかもミステリではない作品が多いです。
実はこの短編集を読んだのはこれで3度目。すごく気に入ってるから、という理由ではなくて、3種類の本で読んだから。
この短編集が最初に単行本化されたのは1998年。
「全世界で話題騒然! ミステリの女王の幻の作品発掘!」と帯に書いてあります。アガサ・クリスティーは1976年に亡くなっているから(ちなみに私の生まれた年)、リアルタイムでクリスティーの真の新刊をゲットするなんて、最初で最後のチャンス!という訳で、めったにハードカバー本を買わない私ですが、購入しました!!!!! このときに収められたのは10作品。
その後、2001年にハヤカワ文庫で文庫化。これもゲット。
そして、2004年。新たに早川書房から刊行されたクリスティー文庫シリーズの1つとして、再び発売されました。ただし、これには前回には収録されていなかった2作品(しかも単行本未収録の幻の作品!)が新たに収められているので、まさに完全版と言ったところでしょうか。

表題作『マン島の黄金』は、実在するマン島(イギリスとアイルランドの間に浮かぶ島)の観光客誘致を目的とした宝探しイベントのために依頼されて執筆したという異色作。なので、謎解きよりも、登場人物のキャラクターや会話などを楽しんで読むことにしました。

ポワロ作品も2作品収められています。
まず『クリスマスの冒険』。これは後に『クリスマス・プディングの冒険』(同名の短編集に収録)という中編作品になっています。私は、シンプルなこちらの作品の方が気に入りました。
もう一つは『バグダッドの大櫃の謎』。これは既に『黄色いアイリス』という短編集に収録されています。でも今確認してみたら、訳者が同じ中村妙子さんなのに、訳が違ってました。後に『スペイン櫃の秘密』という作品になり『クリスマス・プディングの冒険』に収められています。
正直、この2作品はそれほど私は好きではないので、なんで何パターンもあるんだろ?という感じです。

その他の作品です。
人間の狂気の淵を描いた作品…『夢の家』『崖っぷち』
コミカルな‘騙し’を描いた作品…『名演技』
普通小説的な作品…『孤独な神さま』『壁の中』
       『光が消えぬかぎり』『白木蓮の花』『愛犬の死』
クィンシリーズの作品…『クィン氏のティー・セット』

これらの中で、気に入った作品を少し紹介します。

『孤独な神さま』
大英博物館の片隅でひっそり展示されている孤独な雰囲気の異国の神像に心惹かれたフランク・オリヴァーは、毎日のように大英博物館に足を運んでいた。ある日、自分と同じようにその神さまの像に関心を寄せるみすぼらしい服装の20歳ぐらいの若い娘の存在に気づく。やがて2人は言葉を交わすようになり、ついにフランク・オリヴァーは愛を打ち明ける。娘は、自分も好きだと打ち明けながら、翌日から姿を消してしまう。傷心の日々を送るフランク・オリヴァーは、ある日雑誌で読んだ童話にインスピレーションを受け、1枚の絵を描き上げ名声を上げるが、彼が望んでいたことはただ一つ、あの若い娘と再会することだった…
ちょっと冴えない感じの四十男が若い娘に恋をして、その2人を結びつけたのが地味な小さい神さまの像というのがユーモラスな感じ。ある日、フランク・オリヴァーがふらりと神さまの所を訪れると、見事なドレスを身につけた美しい女性に抱きつかれる。それはなんとあの娘だった! 全てのものを手にしながら寂しかった彼女は、占い師の所に行こうとメイドの服を借りて途中で立ち寄った大英博物館で、あの神さまの像を見つめる彼に気づいた。自分の身分を偽って語るうちに、嘘をついているということに耐えられなくなって、彼を愛しながらも姿を消したのでした。そして、自分を投影した童話を書いて、それが彼に絵のインスピレーションを与え素晴らしい作品を描き、その絵を見た彼女はその絵が彼の物だと確信して、再び姿を現す決心をしたのでした。なんて運命的な2人! 2人は手をつないで小さな神さまを振り返ることなく去って行き、物語は終わります。
こう書くとなんてない話のようにも思えるけど、小さい神さまの優しいかすかなパワーが感じられて、なんとなく心あたたまる作品でした。

『クィン氏のティー・セット』
ポワロやミス・マープルと比べると、それほど有名ではないけれど、『謎のクィン氏』という連作短編集もちゃんとあるクィンのシリーズの作品です。
クィンはアガサ・クリスティーの生み出した探偵達と比べると、かなり異色の存在です。彼はいわゆる探偵タイプとは少し違います。彼の素性は謎に包まれていて、まるで幻想の世界から登場してきたような不思議な雰囲気をたたえています。
狂言回しの役どころは、サタースウェイトという年老いた男性です。彼は社交界の有名人で、顔が広く友人もたくさんいますが、独身で時々は孤独を感じることもあります。そんなある日、クィンに出会います。クィンと出会うとき、いつも彼はサタースウェイトに何らかの啓示を与えます。それをヒントに、サタースウェイトはたびたび事件を未然に防止したり、過去の誤解を解いたりします。
今回は前者のタイプのストーリー。古くからの友人を訪ねる途中、実に久しぶりにサタースウェイトはクィンに再会します。サタースウェイトがクィンに会えてうれしいと、しきりに懐かしがる様子がなんかカワイイ。クィンはサタースウェイトがこれから会う友人の家族について、あれこれ尋ねます。そして、サタースウェイトの引き留めにも応じず、クィンは去ります。
そして、サタースウェイトは友人の家を訪れますが、クィンとの会話をヒントに、ある事件が起ころうとしていることに気づき、見事に防止します。
その後、サタースウェイトは実に懐かしい人物を見かけます。直感的に、クィンと一緒に帰っていくのだと感じます。これは今までの中でも特に幻想的な作品です。
・・・って、書いても、読んだことのない人にはなんのこっちゃわからないでしょうね(^▽^;)
説明するのって本当に難しい。
不思議なストーリーがお好きな方は、ぜひ一度クィンのシリーズを読まれることをオススメします。
でも、クリスティーの不思議ワールド全開の一番の作品は『死の猟犬』という短編集ですね。これはホントにスゴイですよ。ポワロやミス・マープルなどのミステリ作品しか読んだことのない人は、きっとビックリすると思います。詳しいレビューはいつか書きたいと思います。

『白木蓮の花』
白木蓮のように美しい人妻テオは、出会ったばかりのヴィンセントを愛し、彼とともに生きるため、黙って家を出る。しかし、逃避行先で夫リチャードの会社が倒産したことを知り、ヴィンセントと別れ、夫の元に戻る。リチャードはテオの行動に気づいていなかった。テオは夫が何かを隠していると感じる。やがてリチャードは窮地に追い込まれていることを打ち明け、ある書類を処分することができれば窮地を脱することができると話す。そしてその書類をもってるのが、皮肉にもヴィンセントであることを知る。テオは夫を愛してはいなかったが、夫を裏切ることができなかった。テオはヴィンセントの元を訪れ、ヴィンセントがすんなり書類をくれたため、無事に書類を処分することに成功する。
帰宅したテオに向かって、リチャードは思いもよらぬ言葉を口にする。

以前のバージョンには収録されていなかった作品です。
この作品は、昔、NHK-BS2の海外ドラマ(たしか『アガサ・クリスティー・アワー』という短編シリーズ)で『タイザンボクの香り』(ちなみに原題は『Magnolia Blossom』)というタイトルで放送されたのを覚えています。そのときにテオを演じた女優さんがちょっとやつれた感じの地味な女性だったように記憶していたので、小説を読んで「テオって美人だったのか」と驚いてしまいました。
リチャードはテオを送り出す夜、彼女に素晴らしいドレスを着させます。それはある計算を含んでのことでした。ヴィンセントの元を出たテオはまっすぐ家に帰る気になれず、しばらくその辺を回ってから帰宅します。疲れ切って、夫の問いかけもわずらわしく思っていると、突然リチャードは謝罪の言葉を口にします。君をそんなに遅い時間に行かせるんじゃなかった、君がそんな不快な目に遭うとは思わなかったんだと…リチャードはテオの様子から、ヴィンセントが書類の引き渡しを条件にテオに代償を求めた、と早合点したのです。その言葉で、不誠実だけれど自分を愛していると思っていた夫が、自分の安全の為に妻を簡単に犠牲にできる人間だったことを思い知らされます。
人間はみな償いをしなければならない、わたしは孤独という代価を支払わなくてはならない・・・そう言って、テオは家を出ます。今となっては、ヴィンセントの元に帰ることもできないテオ。でも、誇り高くテオは退場していきます。
メロドラマ的な要素もある作品ですが、かなり大人の作品という感じがします。

『愛犬の死』
戦争で夫を亡くして10年あまり。まだ若いジョイスだが、職が見つからず、お金に困って食事も満足にできない状態に悩んでいた。ようやくイタリアでの住み込みの家庭教師の職が見つかるものの、亡き夫が遺してくれた愛犬テリーと離れたくないため断念し、以前から求婚されていたハリデー(実は大嫌いな男)と結婚することを決意する。しかし翌日、テリーは窓から落ちて大ケガ。そのとき、親切に動物病院に送り迎えしてくれた紳士がいたが、テリーのことに夢中になっていたジョイスはろくにお礼も言えなかった。そしてテリーは治療の甲斐なく死んでしまう。哀しみに暮れるジョイスはハリデーとの結婚の約束を破棄し、住み込みの家庭教師の職に就くことを決意する。その雇い主は、あの親切な紳士だった。
これも以前のバージョンには収録されていなかった作品です。
クリスティーの犬好きなところが良く出ている作品。犬の描写がとてもうまい! テリーの姿が目に浮かぶようです。
ジョイスが紳士・アラビー氏と面接で再会したとき、アラビー氏はテリーの様子を尋ねます。ジョイスの目にはたちまち涙があふれ「死にましたの」とやっと答えると、アラビー氏はただ一言「そうでしたか!」と言います。でも、ジョイスはその一言に口では言い表せないほどの深い思いやりの心を感じます。「そういうことってあるよね!」と思わずうなずいちゃいました。
アラビー氏は妻を亡くしたばかりで、3人の男の子を抱えています。小説には書かれてありませんが、2人はやがて結ばれるのではないかと、そんな予感がします。
クリスティーの長編小説『もの言えぬ証人』にも犬が登場していて、とても可愛らしく描写されています。こちらの犬・ボブは、大好きなボール遊びが原因で、結果的にご主人様の命を奪ってしまった(ボールにつまずいてご主人様は階段から転落死した)という疑いをかけられます。最初は事故死と思われた事件ですが、真犯人は当然別にいて、それをポワロが突き止めます。こちらも犬好きの人にオススメの作品です。




スーパーライブ 平原綾香 -誓い-

2006-02-05 16:19:00 | お気に入り

昨日の深夜にNHKで放送された番組です。
昨年の12月28日にBS2で一度放送されてたようです。
昨日、寝る少し前に新聞のTV欄を見ていたら偶然この番組に気づいたんだけど、気づかなかった人も多かったんじゃないかな?

ライブ映像の合間に、平原綾香ちゃんのインタビューや、NHKのトリノオリンピック放送のテーマ曲である『誓い』のレコーディング風景の映像などがあって、なかなか見応えがありました。有名な歌手になるきっかけ話(高校の文化祭でミュージカル『天使にラブソングを…2』に主演する彼女に業界関係者が目を留めたのがきっかけでデビューした、という話)も本人の口から少しだけ聞けました。
ライブは昨年11月に発売されたアルバム『From To』の曲が中心でした。

 1 晩夏(ひとりの季節)
 2 翼をください
 3 秋桜
 4 いとしのエリー
 5 桜坂
 6 言葉にできない
 7 TRUE LOVE
 8 いのちの名前
 9 あなたに
10 なごり雪
11 Missing
12 Jupiter
13 明日
14 誓い

昨年のフィギュアスケートNHK杯の女子フリーを観戦する様子も映っていて、村主章枝選手の演技に感激して平原綾香ちゃんが涙を流すシーンも。思わず、私もTVで見たときの感動を思い出して、つられてウルウルしちゃいました(;_;)

最後の『誓い』を歌い上げた後、観客が『誓い』を歌い出すサプライズが! 思わず泣き出しちゃいそうになってたけど、最後は観客の歌声に合わせて一緒に歌っていました。

『誓い』はイイ曲だねぇ。これからはサビのメロディーを聴いただけで、この番組を思い出したり、トリノ五輪でのみんなの素晴らしい試合ぶりを想像したり思い出したりして、ウルウルしちゃうかもしれない・・・パヴロフの犬状態になりそう(^▽^;)

『明日』と『いのちの名前』は、寝るときによく聴きます。『明日』は、ドラマ『優しい時間』から冬のイメージがある。だから今にピッタリ。すぐ眠れます♪






おぉ~っっ!!! その2

2006-02-05 00:19:27 | SMAP
スマステでやっぱり『愛と死をみつめて』のスポットCM流れてましたね!

PCをいじってたら、TVからドリカムの曲が…
聴き慣れない曲だったので、「新曲かな?」と思ってTVを見ると、剛くんが歩いてる~!!!

きっと半分は見逃したわ

これからは頻繁にテレ朝系の番組をチェックしなきゃ