Heart Beat

草なぎ剛くんのこと、読書記録など・・・気ままに更新♪(コメント&TBは承認制となっています)

『異邦人』

2008-06-18 00:08:27 | 読書

2008 No.11  6/14~6/17



作者:パトリシア・コーンウェル(講談社文庫)



評価・・・★★★★ 4.0

検屍官シリーズ第15弾!


久々におもしろいと感じました。
マリリン・セルフの再登場や、イタリア人たちのまどろっこしい会話、マリーノの恋人の存在など、イライラさせられるところも多かったですが。
登場人物の関係に大きな動きが出た今作。私としてはみんながあまりにもマリーノに冷たいので、マリーノが可哀想でたまらなかった・・・って、別にマリーノファンでもないんですが。
犯人の正体は途中である程度わかってしまうのですが、それでもとても意外性があっておもしろかったです。
それにしても、ケイとベントンの二人のシーンがメロドラマじみて感じられて、今回やたら苛ついてしまいました。そんなに苛つくなら読むのを辞めたらいいと自分でも思うのですが、やっぱり次回作も読んでみたい!
次回作では、ケイのまわりにローズのような癒し系キャラをもっと登場させてもらいたいです。



『犯人に告ぐ』

2008-06-15 21:47:00 | 読書

2008 NO.10  6/8~6/14

作者:雫井脩介(双葉文庫)

評価・・・★★★★★ 5.0



昨年の秋に、豊川悦司さん主演で映画化されたそうです。


主人公・巻島が追う事件の犯人探しのストーリーもおもしろかったのですが、巻島の周りの人間達もよく描かれていておもしろかったです。
協力するように見せながら陰では裏切り行為とも呼べる行動をしていたり、捜査を前進させるためとはいえ警察官としてあるまじき工作をしていながら、巧妙に立ち回り自己の保身を図っていたりと、「警察組織ってなんて怖ろしい!」と思う一方で、「いやいや、普通の勤め人の世界も同じか」と思ってしまう自分が哀しかったりして・・・[E:coldsweats01]
知らない人には用心深いのに、一度親しみや信頼感情をもった相手なら、その言葉を額面どおりにうけとってしまうところのある私は、仕事で思わぬ泣きを見ることがこの1年ほど続いています。まだまだ大人的思考が身に付いていないと感じます。仕事に限って言えば、この小説に出てくる刑事達のように、クールでドライな策略家を目指すべきかも[E:sign02]



『誰か』

2008-06-15 07:21:53 | 読書

2008 No.9  5/25~6/4



作者:宮部みゆき(文春文庫)



評価・・・★★★★ 4.0


最近、偶然にも2文字タイトルの作品が続いてます


悪い意味ではなく、宮部さんの作品にしては“後味が悪い”作品でした。
大企業の会長の娘婿で、その大企業の広報誌作成を担当している主人公が、不幸にも自転車にひき逃げされた父親の本を作りたいという娘達の依頼により、亡くなった男性の過去をたどっていくうちに、亡くなった男性の意外な過去とひき逃げ犯の正体が明らかになっていく・・・というあらすじなのですが、最も意外性のあったのは、ある登場人物2人の間に隠されていた暗い感情というかなんというか・・・それをずばり書いちゃうと思いっきりネタばれになるので書けません[E:bearing]途中で何となく予想していたものの、ラスト近くでその事実が明らかにされると、私には亡くなった男性の過去なんか吹っ飛んじゃうくらいの衝撃でした。
宮部さんの作品では、私の中では『模倣犯』に次ぐ“後味の悪い”というか、“毒のある”作品だったかも。