Heart Beat

草なぎ剛くんのこと、読書記録など・・・気ままに更新♪(コメント&TBは承認制となっています)

『推理小説の誤訳』

2011-01-30 20:23:47 | 読書
2011 No.2  1/16~1/29

著者:古賀正義(日経ビジネス人文庫)

評価・・・★★★★☆ 4.5

著者は弁護士。英米の法学を中心に、それ以外の経済や文学等の様々な英語による書物を読破してきた経験から、海外ミステリの翻訳にかなり誤訳があることに気づき、本作ではクリスティーものを中心に、そういった誤訳を原文とともに数多く取り上げています。
クリスティー大好きの私には、とてもショッキングでした。
難しい訳ならともかく、簡単な訳までこんなに誤訳があるとは
1983年出版のものなので、今のクリスティー文庫ではなく、早川ミステリ文庫の翻訳についてのものだと思いますが、私も名前をよく覚えている訳者の作品がかなり取り上げられていたのもショック。
一番ショックなのは、イギリスには日本やアメリカのような検察制度がないにも関わらず、検察と翻訳してしまっていること。もちろん、検察ににた役割をするところはあるんですが・・・
でも検察がないなら、あの有名な『検察側の証人』ってどうなっちゃうの~

誤訳に翻弄されないようにするためには、自ら原文を読むしかないのか・・・でも、そんな英語力はとても身につけられそうにないし、これから海外ミステリ、洋画、海外ドラマ等を楽しむときは、誤訳の可能性があることを忘れずに、心してかからないといけないな~

『核心』

2011-01-15 21:54:48 | 読書
2011 No.1  1/5~1/15

作者:パトリシア・コーンウェル(講談社文庫)

評価:★★★☆ 3.5

検屍官シリーズの最新刊です。
今回、ケイが巻き込まれた災難は・・・若い女性の遺体について、ケイが出した検屍結果は事件の捜査結果と矛盾する点が多いことから、ケイの検屍結果は信用してもらえない。また、CNNに出演することになったケイは、番組の司会者カーリーの罠にはめられてしまう。そのうえ謎の小包が届いて、爆弾処理班まで出る大騒ぎに・・・
相変わらず災難続きのケイですが、この作品、もっとページ数を少なく書けたんじゃないでしょうか。いつも思うことですが、細かいところまで描きすぎて、長すぎると感じてしまうのです。検屍や科学捜査のシーンでは、細かい記述はすごくおもしろく感じるものの、ルーシーとジェイミー、マリーノのプライベートのエピソードなど、もっと簡略化してほしい。ケイの料理シーンは結構好きだけど。すごくおいしそうだから
今回はメインの殺人事件が少なく、悲惨度が薄いこともあって、最近の検屍官シリーズのなかでは一番読みやすかったです。