星空☆Casting

釣れるものはみんな釣りたい。
夜の海で一人
ひたすら同じ事を繰り返す快感。
さあ、ご一緒に。

陰に潜むもの

2009-04-02 11:38:41 | メバル
part2(執筆中)は置いといてw

もう2週間も釣りをしていない。いくら三寒四温とは言え、休み⇒荒れ 仕事⇒釣り日和 が続く。理不尽な。
しかしようやく休みと海がシンクロする。下がっていたテンションは元に戻り禁断症状が顔を出し始めていた。

行くしかあるまい。

あそこに。

3/29/19:00。

僕は岩壁の向こうに立った。これだけ通い詰めるとほとんど定点観測の趣が出てくる。
あちこちさまよい魚を探すよりも、却ってひとつの好ポイントを見つめ続けるほうが魚の動きが良く分かる。
魚の考える事が見えてくる。見えてくる気がする。見えてくるんじゃないかなぁ…。←さだかっ

海はほぼ凪ぎである。やや北風が強く小さいうねりはある。先端の平らな岩を時々薄く波が洗う。
新月周りで空に月はなく、灯のあるポイントでは絶好の条件と思われた。

さて。いっちょ、いわせてやろうか。

しゅんしゅんと83deepを素振りし、静かに微笑む。

ジグヘッド2.5gにGULPベビーサーディンを刺した。
またGULPである。
ほんと好きなんである。かたちも、柔らかさも、匂いも。ハァハァ。
先日とうとうmixiのBerkleyコミュに衝動入会してしまった。
「越前海岸でメバル釣ってるつーですっ!」などと自己紹介してしまった。
照れる。


今日のこの場所はいつもと違う。
ここには2基の明かりが設置されているが今シーズンはずっと暗いほうの1基しか灯っていなかった。
だが今日はもう1基も灯っている。強烈な白色の光。ものすごく明るい。

貰ったな…。

この闇夜にあってここは越前海岸で最も明るい場所なのだ。お魚はきっとここに集まる、はずだ。

さぁてと。

キャスト。
沈めて。
リトリーブ。

あれ?

キャスト。
沈めて。
リトリーブ。

あれあれ?

キャスト。
沈め…ず。
リトリーブ。

あれあれあれ?

何も起こらない。普通は一発である。三発不発であればそれはもう渋い。

渋いのか…。

キャスト。
沈めて。
リトリーブ。
キャスト。
沈めて。
リトリーブ。

やばい。本気で渋い。

だがようやく。
ココン!
なんだ、いるんじゃないか。あーびっくりした。

しかし…。え…。15cm。ピチピチ!。

それを最後に完全に海は沈黙した。何を投げても何をしても何も起こらない。
先日の舌”くんとの釣行時と状況は似ている。

つくづくメバルは分からない。不思議ちゃんにも程がある。
明かりの当たる場所にはちょうど潮目の泡がかたまって浮かんでいる。どう見ても釣れるはず。
小学生でもおねえちゃんでも酔っ払いでも釣れるはずだ。
しかも知ってるとは思うが僕は上手なのだ。4位だけどw

なんでだろう?いない…のだな、やはり、これは。

先端に立ち沖を狙ってみる。白色の2基目の明かりは遥か沖まで光の道を作り出している。
ちょうどそこにも潮目がある。釣れる雰囲気満点。萌える光景。

しかし。だめだ。何にもいない。釣れない。

……。

考えあぐねて僕はP-BOY12gを装着した。
フックはイカ針だ。こうなったらイカでも釣ろう。メバルなんてもう知らない。もうきらい。

フルキャストォォ!爽快なまでに遠くに着水する。
底まで沈めて
リフト&フォール。
リフト&フォール。
リフト&フォール。
ガキッ!
うっ!
根掛かったですかぁ…。近くを欲張り過ぎた。そこに根があるのは分かっていたのに。
PE0.4号はあっけなく切れる。またP-少年家出。もう何人出て行っただろう。

はぁぁ~。

どうしようか考える。帰ろうか。だが。やはり僕の呪われた手はFGを編みはじめた。
スナップを結ぶ。そこに何を装着するかが問題だ。バッグをあさる。何もアイデアが浮かばない。
うーん、と…迷い抜いて結局2.5gジグヘッド。そしてGULP。カサゴでも釣ろう。なんか釣りたい。

明るい場所に戻り直下にジグヘッドを落とした。5mの深さ。底まで落とす。
こん!あはっ。来た!あっけない。
カサゴ10cm!丸投げ好きな誰かさんの秀逸なネーミングによるとミニチュアダックスカサゴという。
カーさんはやさしいなー。何匹か釣る。しかし。やはり、虚しさが込み上げてきた。

はぁぁぁぁ~。

何か手は無いかとあたりを見回す。先端角が目に入る。
新規の明かりはその角にくっきりと明暗を作りだしていた。

影か…。

先端角に立つ。ちょうど直角をかたち作る平坦な岩盤の角を境に明確な光と影のコントラストが出来ている。
その境目にジグヘッドを落とした。2.5gのジグヘッドは自力でリールからラインを出す力を持たない。
3m程先に振り込みリールはフリーのままロッドをあおりラインを出す。その振り幅は約2m。
そして静かに糸が張るまで沈め、またロッドをあおる。それを4回繰り返すとボトムに着いた。
水深8m。水面が間近にあるので実感は無いが
海の水が全て無くなってしまったとしたら、僕は今、目も眩むような垂直の絶壁の端に立っているのである。

ボトムでシェイクする。すぐにコツン!気持ちいいあたりが出た。
なかなかの引きで上がってきたのは20cmのアカメバルだ。
よしよし、まあいいだろう。同じ事を繰り返す。コツン!再びアカメバル20cm。2匹とも煮付け用にkeep。

なんだかこの影はあやしい。何かいる。予感がした。

影の側に2m程入り込む。そこでまたジグヘッドを沈めた。北風が当たり横から波も来る。
ただ真っすぐジグヘッドを沈めるだけなのだがなかなかにテクがいる。集中する。
ボトムを取り、シェイクはせずゆっくりと巻き上げてみる。1回転、2回転、3回転…。
6回転目でコツンと消え入るようなあたり。びしっとあわせると柔らかく重い重量がロッドに乗った。

!!!。でかい!

ぐぅーとロッドを持ち上げポンピングでリフトアップしてくる。横方向で掛けるよりも重く感じる。気持ちいい~。
程なく水面が割れた。



よーしよしよし27cm。ここだな。ここなのだな。

8mのボトムから2000番のリール6回転なら5mラインだ。
そのレンジを直撃する。軽くシェイクを入れる。

ん?あたらない。まさか1匹だけ?いや、いる。はず。

ボトムまで落としてみる。そしてまたスーパーデッドスローに巻き上げた。

1……2……3……4……5……6…コン!

!!

やっぱりここだ!このパターンだ。
ポンピングせずにゴリ巻きした。ドラグがチリリチリリと出る。たまらんっ。



26だ。

はまった感触がきた。鳥肌が立った。
岩盤際30cmのタイト。5mレンジ。キャスティングでは絶対に獲れない魚だ。

Bertical worming。

繰り返す。集中する。ロッドをすぅぅっと操り、ラインを出し、沈める。
ボトムに着いたらゆぅっっっっくりと巻き上げる。それに全身全霊を傾ける。
手段が目的に変わった。ゾーンに入るといつもそうなる。

…5回転。5.3回転。5.6回転。そして。6回転。来るよ、と思った瞬間、ゴツン!と引き込まれる。くぅぅぅ~。
ロッドを跳ね上げる。みたび乗ったその柔らかい重量はひときわ重い。
チリリではなくジーとドラグが鳴く。沖に走る。これは…。でかい…。
5mからのリフトアップ。望めるのなら500mからリフトアップしたい。それぐらい気持ちいい。

充実の21:30だ。



久々の魚格。28は確実に越えている。なんだこのパターンは。

繰り返す。

もう完全に乗っていた。全身の力が抜けふわふわと体がゆれた。目を閉じた。それがリズムだ。

コツン!

メバルのあたりには色々あるが僕が最も好きなのはこの「コツン!」だ。たまらん…。

さっき程ではないがやはり素晴らしい感触。ゆっくりとリフトアップを楽しむ。味わう。



体形が戻った27cm。幸せを感じた。なんて素敵な魚なのだろうと思った。

次。同じやり方同じ場所で25cm。

そしてさすがに、そこで止まる。

明暗の境目から2m。岩盤から30cm。そして極めて正確に水面から5m。
その1点にこのサイズが5匹固まってサスペンドしていたのだ。何の目的か。何の儀式か。
そしてその場所を直撃しては反応しない。ゆっくりと上昇してくる物のみに反応する。


全くメバルは面白い。


ほんとこいつはねぇ。いいわ。



TACKLE DATA
ROD/Glamour Rock Fish TR83deep
REEL/EXIST2004
LINE/VARIVAS light game MEBARU PE0.4+6lbフロロ
LURE/2.5gジグヘッド+GULPベビーサーディン

moon DATA


コメント (26)
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