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金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

たくさんの金繕い その3

2017-03-16 23:58:04 | 多種類の繕い例
金繕いの次の段階です。

ベースができた部分に黒艶漆を塗って。
蓋の取っ手の部分。


今回プラスチック板をこんな風に使って。
お初です。
これなら後は捨てるだけで簡単ですね。


口の欠けた部分にも。


そして大変だった持ち手の部分です。


それから、この釉薬のムラの部分にも黒艶漆を置いて見栄えよく。
この急須は、このあと漆を乾燥させるだけで終了となりますね。


そして、丹波焼のぐい飲みにも。



こんな風にすると筆を綺麗にするのも容易ですね。


この龍の置物には白漆を


そして、金彩の部分と合わせたいので、消粉を使いました。
置きものですので、丸粉を使わなくても大丈夫ですね。
消粉は容易。
このあと、真綿で磨くだけでいいのですから。


このぐい飲みの黒艶漆の部分には銀の丸粉(3号)をたっぷりと蒔いて。
こちらの方は、この後もいろいろと工程があります。


続きます。

たくさんの金繕い その2

2017-03-16 23:40:24 | 多種類の繕い例
金繕いの続きです。

アラルダイトと地の粉でのベースづくり、1日たって固まった後の作業です。
カッターナイフやヤスリなどを使って整形です。


こんな風にベースができて。


丹波焼の酒盃の方は、特別目の細かいペーパー(10000番)で仕上げています。


こんな風に仕上がって。


内側です。
真ん中の接合面は判らないぐらいですね。
右端の欠けた部分は、もう少し盛り上げましよう。


龍の置物、うんと注意したのですが、少しずれてしまっています。
残念ですが、何とか補正しましょう。


とても高価な品物と伺っていますので、参考までにこの部分の写真も撮って。
書かれている内容は今のところさっぱり判りませんが。


益子焼の急須の取っ手の部分、少しずれのある部分などに盛り上げの修正を加えて。
蓋の部分も修正を加えています。


丹波焼の欠けた部分も盛り上げて。


龍の置物も修正を加えました。


それから、最終の磨きの工程に使う鯛の牙、持ち手との接着面を糸で補強して、これで丈夫になりましたね。


まだ、続きます。
私は繕いの工程を、関心のある方のためにすべてオープンにしていますので、詳しいですがよろしく。

続きます。

たくさんの金繕い その1

2017-03-16 23:32:45 | 多種類の繕い例
西宮のお二人から依頼された繕いの品物に取り掛かりました。

先ずはこの2点が、どなたかが接着剤で補修しようとしたものなので、その接着剤を剥がすところからスタートです。

こうやって熱湯の中で結構長い時間をかけてボイルして剥がすのですが、結局この2点、接着剤は取れたように思いますが、なぜか断面はピッタリとあわさりませんでした。
初心者の方がいろいろと試みたので、何かあるのでしょうかね。


さあ、スタートですね。
下駄さんが壊れた取っ手の断片を見て、「そんなの直るの」と驚いていましたが、直さないとね。
4点が取っ手の部品で、あとの二つは丹波焼の方です。


金粉や銀粉を蒔いた最後の工程で磨きをかける鯛の牙、あげたい人がいますのでアラルダイトを使ってついでに制作です。


繕い本体の方です。
先ずは簡単な口辺にほころびがある個所の修復です。
アラルダイトと地の粉を混ぜたもので。


厄介な取っ手の部分にも取り掛かります。
セロテープで固定しながら。


一応こんな形でOKですね。
段階を踏まないといけないかなと思っていたのですが、一気に仕上げてしまいましたね。


注ぎ口も少し欠けていましたので、盛り上げて修復。


もう一つの丹波焼の小さな品、ぐい飲みでしょうか。
これも一気に接着して二つの断片を収めてしまいました。


そして、もう一つは下駄さんの友人からの依頼品の龍の置物。
どうしても断面がピタリと収まりません。
でも、セロテープを沢山巻き付けて固定して。

こちらは磁器ですので、小麦粉をアラルダイトに混ぜるのですが、丁度強力粉を切らしていて、シッカロールを使いました。

これと同様に、急須の蓋の持ち手の部分もぴったりとは収まりませんので、困りましたね。随分時間をかけてピッタリとくる部分を探したのですが。


さあ、初日はここまでですね。
鯛の牙も固まるまで安定させないといけないので、セロテープで貼りつけて姿勢を保持。
他にキノコグッズで金具がついていないものが2点ありましたので、ついでの作業として、ループタイの金具をアラルダイトで接着していてます。

この段階で、食堂の方のテーブルにすべてを移して、接着剤が固まるまでに数時間以上(12時間タイプ)要しますので、ずっとテレビを見ながらズレなどが生じないように起きている間見守り続けます。
たくさんの繕いですね。


その2に続く。

次の繕いの依頼

2017-03-16 23:23:56 | 多種類の繕い例
まとめて記事をアップしています。

3月8日のことでした。
この日はいろいろととても忙しくて。

先ず、午前中に西宮の女性が繕ってほしいものを車で持参されました。
1歳の男の子を連れて。
今は育休ですが、時間ができるようになると金繕いを取得したいというので、資料も差し上げて、必要な材料などいろいろと案内してあげました。

持参された品物。
これは益子焼ですって。
これが今回のメイン。
取っ手の部分が大破。
そして、蓋の部分も。
蓋のトラブルはご主人が接着剤でくっつけておられました。
それをボイルして外してあります。


ついでに何かあれば持参してくださいと、前日に電話応対していたので。
これは、口辺に欠けがたくさんありますね。


そして、こちらは丹波焼。
他のものはベースの繕いの後は黒艶漆で仕上げるだけでいいでしょうとなりました。
でも、これは「銀粉で蒔いて仕上げたものも見てみたいですから」と。
了解です。


そして、午後には久しぶりにお会いする下駄さん(以前の西宮ブロガー)が自転車で来訪。
前日にメールで繕い依頼を頂いていたのでした。
不思議に重なるものですね。

持参されたのは知人のこの置物。
真っ二つに割れていますが、繕いは容易ですね。
3万円ほどするヨーロッパ(ベルギーと仰っていたかな)の高価なものですって。
へーそうなんですかと。

これは金彩の部分があるので、はっきりと金粉を使って繕いをしてありますという仕上げにすることになりました。


久しぶりの下駄さんの来訪。
パソコンにとても詳しい方ですので、超ラッキー。
新しく購入したパソコンの設定ができずじまいなので、いろいろとさわって頂きました。

ワイファイとの接続でインターネットがOK。
メールが使えるようにする設定。
そして、無線でのプリンター操作ができなくなっていたプリンターの設定も復活。
夕方近くまで、うんと時間がかかりましたが、とても有難いですね。

帰りに私の作品など2点の器をプレゼントさせてもらいました。
新旧2台のパソコン、もうバッチリですね。
さすが下駄さん。


さあ、この日から繕いを開始ですね。

次の繕い その2

2017-03-16 23:17:13 | 磁器の繕い例
カップの繕いの続きです。

ベースの繕いが完了しました。



「新うるし」を使っての色合わせです。
先ずは白で。



続いて内側の緑です。
色を混ぜて合わせないといけないかなと思っていたのですが、ピッタリの「濃緑」がありました。


仕上がりました。
人物の写真の欠けた部分は白と黒を混ぜた灰色で、いい感じです(最初の写真と比べるとよく分かりますよ)。
飾っておくだけというので、「新うるし」が使えて良かったですね。
喜んでもらえそうです。

今回の繕い、金繕いとは呼びにくいので、これからは「色繕い」とでも呼びならしましょうかね。