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金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕いの依頼

2022-06-17 11:29:34 | 多種類の繕い例
少し前にたくさんの繕いの依頼がありましたが、その後も追加依頼がありました。
 
先ずはこの2点。
グラスにはほんの少しの欠け、ポットにはわずかなひび(にゅう)があるだけですが、追加で依頼されて。
いいものを沢山お持ちで。

 

グラスの欠けた部分には、まずは「新うるし」の本透明を塗った上に金の消し粉を蒔く処理をしておいて。

こうすれば反対側から見ても綺麗な金色となります。

 

このあと、川西パレットでの金繕い教室「器再楽」でカップの繕い依頼があるとともに、ずいぶん前に繕ってあげた方から、割れた小皿の依頼が来て。

 

繕い品が4点に。

みんないい仕上げでと。

 

接着剤の処理を終えて。

 

漆と金の丸粉(3号)の出番です。

 

段ボール箱に濡れ雑巾を入れて漆の乾燥です。

 

3日ほどかけて漆を乾かして、次は粉固めの処理です。

生漆をテレピンでうんと薄めたもので金粉の表面を補強します。

 

この工程を3回ほど繰り返して。

 

さあ、いよいよ仕上げです。

鯛の牙(たいき)の出番です。

しっかりと磨きます。

 

ポットのひびの部分。

 

真っ二つに割れた小皿。

 

カップは2か所、ひび(にゅう)が入っていて。

 

金の丸粉を使っての繕いは、とても時間がかかりますが、丈夫でいいですね。


次の繕いの依頼 その2

2022-05-29 13:32:55 | 多種類の繕い例
ベースが仕上がった7点の繕い品の続きです。
どれも2つのギャラリのオーナーからの依頼で、いい仕上げでと。
 
黒艶漆使って。

 

これは蝋燭立てで銀紛(丸粉)でいいとのことで。

 

この小さな器は金の消し粉処理でいいかなと。

 

その他は金の丸粉(3号)を蒔いて。

 

金属粉を蒔いた後は、湿気のあるムロで漆を乾燥させるのですが、わたしはムロを持っていないので、段ボール箱に濡れ雑巾を置いての乾燥です。

 

二日ほど乾燥させた後、丸粉を使った器は、生漆をテレビんでうんと薄めたものでの粉固めの処理です。

またムロに入れて乾燥させる作業を2、3回繰り返して。

 

そして、仕上げに鯛の牙(たいき)での磨きです。

 

消し粉はこの過程は無しです。

 

お二人から依頼のあった7点、さあ、仕上がりました。

ガラスのワイングラスもうまく仕上がりました。

 

先端が割れていたこの急須もとても水切れがいいです。

 
私はほぼボランティアとして、また腕を上げるためにいろんな繕い品に取り組んでいますので、費用はとてもお安いので喜んでいただいています。


 
 

次の繕いの依頼 その1

2022-05-25 16:11:40 | 多種類の繕い例

うんと沢山の繕いの依頼品が仕上がった後、次の繕いの依頼です。

 
川西の金繕い教室「器再楽」で「画廊シャノワール」のオーナーが知人から依頼された品物も預かっており、次の教室で2点の追加もあり3点となり、今回新たに「武庫之荘ギャラリーR」のオーナーから4点の依頼です。
いい器ですので、全ていい仕上げでとの依頼です。
 
今回の依頼品4点。

 

ワイングラスの欠けた部分、ガラス製品の繕いは裏側から見えるので難しいです。

 

裏側からの見栄えが良くなるように、「新うるし」の本透明を塗った後金の消し粉を蒔いて。

 

他の器の割れた部分の接着とベース作りです。

 

ワイングラスの欠けた部分にも接着剤を処理して。

4点はこんな具合です。

接着剤が固まるまで、二日ほどかけて。

ワイングラスの修復部分をヤスリや水ペーパーできれいに整えて。

 

これは蠟燭を立てる器なんでしょうね。

はみ出た接着剤を剃刀の刃できれいにして。

 

この器何を入れるものなんでしょうかね。

これも水ペーパーできれいにして。

 

川西の教室で依頼された2点です。

急須の注ぎ口が壊れてしまっていますが、大丈夫です、直せます。

預かっているもう一点はマイセンのマグカップですが、すでに修復に取り掛かっています。

 

壊れた個所に薄いプラスチック板を裏側から当てて接着剤を固化させるのです。

 

接着を終えた蝋燭立ての欠けた部分です。

 

こんな姿勢で、接着剤が固まるまで様子見です。

 

これは接着した部分にまだ隙間があるので、接着剤を追加ですね。

 

そして、接着剤がしっかりと固まった後の手入れです。

急須の注ぎ口、大切な個所ですから、ミニルーターも使ってきれいにベースを整えます。

続きます。

うんとたくさんの繕いの依頼 その2

2022-05-18 14:35:14 | 多種類の繕い例

うんと沢山の繕い品の依頼をされて、ほぼ完成です。

 
依頼されたのは15点、他に川西の教室で依頼されたマグカップと私の家の器が1点ずつあって、17点の繕いの様子です。

 

最初に段取りを考えて。

数がとても多いので、仕上げは錫粉を施すことにして。

 
このうち3点、「新うるし」で処理することにしました。
この黄色い長皿、傷んでいる箇所が2か所ありますが、食品を載せない端なので、同じ色の黄色の「新うるし」で。

 

そして、磁器の2点、すでにきれいに接着されていたので、その接着部分に白の「新うるし」を施して、乾燥後に長皿も一緒に「新うるし」の本透明を上塗りして、完成です。

 

続いて他の繕い品の、ひび(にゅう)のあるものには、接着剤を浸み込ませて。

そして、欠けのある大半の器のベース作りからスタートです。

 

まず私の家のものから。

 

ベースが固まったふあとは、ミニルーターややすりなどを使ってきれいにして(省略しますが)。

 

続いて、漆塗りです。

金属粉を蒔かないものからスタートです。

本漆の白は少し黄色味を帯びてくるので、この器はこれでいいでしょう。

 

この器には、ロイロ漆で。

 

これは白と混ぜて。

 

他のものはすべて漆を処理した後、錫粉を蒔いて。

こんな段ボール箱に、濡れタオルを入れてムロがわりで、漆を乾燥させます。

 

3日ほど置いて、漆が十分乾燥した後、繕い箇所のラインをカッターナイフできれいにして。

錫粉を蒔いた多くの品物、繕い箇所に「新うるし」の本透明を塗り重ねて、補強しておきました。

 

川西の教室で依頼されたマグカップは、いい仕上げを希望されていますので、全く違う手法で、後程に。

 


うんとたくさんの繕いの依頼 その1

2022-05-11 16:37:26 | 多種類の繕い例

市役所時代の後輩の女性から大量の繕いの依頼がありました。

親戚の方が整理して出てきたものがほとんどらしいです。
 
こんなにたくさんです。
12点です。
幸いなことに欠けがあるものがほとんどで、手間はたいしてかからないかなと。
二日ほど後にまた追加のものも持ってこられて、全部で15点になりました。

 

前回の川西の金繕い教室の「器再楽」で、いい繕いをしてほしいと依頼をされたものが1点。

写真ではよく判りませんが、これも欠けがあるだけです。

 

それと、私が壊してしまった食器も一点。

欠けた部分とひびが入っています。

一緒に繕いましょう。

 

今回依頼されたものの中に、ご自分で接着剤を使って修理しているものもあって。

先ずは、そのうちの一点、黄色い長皿の手入れからです。

 

カッターナイフで剥がせる部分を処理して。

そのあと、熱湯で加熱して接着剤を剥がす作業です。

かなりきれいになったのですが、完全にはきれいになりませんでしたね。

 

このあと、繕いのスタートですね。

続きます。