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金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕い

2022-07-24 08:38:24 | 陶器の繕い例

次の金繕いです。

 
伊丹美術協会の展覧会が開催中だった時に、血小板数がとても少なくなって、緊急入院することになってしまいました。
それで、出展していた陶芸作品の撤去ができなくなってしまい、美術館の近くにお住いの型染作家さんに作品を預かってもらうことになって、「お礼に何か金繕いをさせてもらえませんか」と。
 
それで預かったものがこのコーヒーカップでした。
 
口辺に欠けた部分、その反対側にもトラブルが。

 

14日にあった川西パレットでの金繕い教室で、そのベースの繕いをスタートしました。

 
その続きは自宅で。
ベースができてから、次は弁柄漆を塗って。

 

金の丸粉(3号) を蒔いて。

 

水分を含ませた紙を引いたこんなケースの中で、漆を乾燥させます。

 

そして、3日ほどたって、次は粉固めの処理です。

生漆をテレビンで薄めたもので、金を蒔いた表面を補強するのです。

この後、漆を乾かして。

この作業を3回繰り返して。

 
そして、仕上げ作業です。
私は鯛の牙(たいき)で磨きます。

 

こんな風に蒔いた金が輝きだします。

 
さあ、仕上がりました。
お世話になった伊丹の宮の前にお住いの型染作家さんに届けましょう。


ちょっとした繕い

2022-04-05 14:24:27 | 陶器の繕い例

伊丹市宮ノ前にあるクラフトショップに出す自作品を選んでいて、ちょっとした欠けがある作品に気が付きました。

3点です。
 
地の粉を混ぜた接着剤で復元です。
 
そして、黒艶漆で処理して。
 
銀の消し粉を蒔いて。
 
仕上がりですね。
これらはプレゼント用にしましょう。
 
アップで。

次の繕いはマグカップ その2

2022-01-24 10:16:50 | 陶器の繕い例
マグカップの繕いの続きです。
 
接着剤が固まったら、漆の処理です。
 
このマグカップ、釉薬が黒いものなので、金属粉を蒔かずに黒艶漆の仕上げとしました。
金属粉を使わない場合は、電子レンジの使用ができますから。

 

ご本人が接着させた部分も漆を施して。

こんな感じです。

 

この後、漆を乾燥させます。

数日かけて。
 
こんな風に仕上がりました。

 


次の繕いはマグカップ その1

2022-01-23 10:32:54 | 陶器の繕い例
次の繕いの依頼はマグカップです。
 
いつもお世話になっている「いこま酒店」を通じての依頼です。
 
こんな風にたくさんに割れて。

 

よく見ると、2か所ほどご自分で接着された部分がありますね。

しっかりと接着されていますので、このままで。

 

先ずは接着の手順の確認です。

接着する断片が多いと、この確認がとても大切です。

 

地の子を混ぜた接着剤で作業スタートです。

 

接着を終えたら、固まるまでしっかりとテープで固定して。

 

内側はこんな感じです。

 

二日ほど置いた後、さらに手入れです。

欠けた部分もありますので、接着剤を補填して整形です。

 

そして、こんな感じでベースの修復完了です。

その2に続く。


土鍋蓋の繕い その2

2022-01-20 15:40:19 | 陶器の繕い例
土鍋蓋の繕いの続きです。
 
さあ、しっかりと接着できました。

 

テープをはがして、外側も内側も手入れです。

 

剃刀の後は水ペーパーでの仕上げです。

 

そして、この鍋蓋は金属粉を蒔かずに白漆での仕上げとしました。

 

あとは、漆が乾くのを持つだけですね。

今の時期、気温が低いので、漆の乾燥には日にちを要しますね。

 

もう一つ、仕上がる前に同じ人から追加の依頼がありました。

一度修理してあげたマグカップ、別のところがひび割れて。

黒い線の部分は、丸粉の銀を蒔いたところ。

黒漆で処理をしたように勘違いしてしまいました。

今回の追加の部分は、錫粉を蒔いて、完了です。

 

鍋蓋も完了して届けてあげました。

白漆はこんな色合いになります。