次の金繕いです。
伊丹美術協会の展覧会が開催中だった時に、血小板数がとても少なくなって、緊急入院することになってしまいました。
それで、出展していた陶芸作品の撤去ができなくなってしまい、美術館の近くにお住いの型染作家さんに作品を預かってもらうことになって、「お礼に何か金繕いをさせてもらえませんか」と。
それで預かったものがこのコーヒーカップでした。
口辺に欠けた部分、その反対側にもトラブルが。
その続きは自宅で。
ベースができてから、次は弁柄漆を塗って。
金の丸粉(3号) を蒔いて。
水分を含ませた紙を引いたこんなケースの中で、漆を乾燥させます。
そして、3日ほどたって、次は粉固めの処理です。
生漆をテレビンで薄めたもので、金を蒔いた表面を補強するのです。
この後、漆を乾かして。
この作業を3回繰り返して。
そして、仕上げ作業です。
私は鯛の牙(たいき)で磨きます。
さあ、仕上がりました。
お世話になった伊丹の宮の前にお住いの型染作家さんに届けましょう。