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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

会員負担軽減という意図はどこへ・・・

2017-12-18 23:36:16 | 地域から学ぶ

 先ごろ“「慣例」という圧力”において自治会の役員会のことを触れたが、昨日はそれを受けての総会が行われた。どうも「役員上層部が練った提案は通らなかった」ではなく、「役員の一人が練った提案は通らなかった」が正しかったようで、総会には役員会に提案された内容はあまり触れられず、役員会での意見をどう解釈されたのか、いきなり会則の改正案が示された。提案された役員の方はとっても頭の良い方なので、役員会の際の意見を先走って捉えてしまわれたよう。そもそもの発端は高齢者世帯の会費負担を軽減しようというのが原点にあって、もちろん会則の見直しも年度当初に議論にあがっていたが、それは拙速に見直すべきではなく、時間をかけて検討していったらどうか、というものだった。むしろ会費負担軽減が優先だったはず。ところが総会に出された会則改正案には、会費軽減のことは何も触れられていなかった。どうしたことか…。

 そもそもこの話題が議題にあがるまで、会則なるものがあることを役員はあまり認識していなかった。会則が最初に作られたのは平成17年4月1日だったことは、現行会則の末尾に附則として示されていた。というか、このような会則を見たのは初めて。当時議論になって総会で決議されたという記憶がない。にもかかわらず会則が存在するのは、当時なんらかの理由で会則を作らなくてはならない事態に陥ったのものなのか。数年前に集会施設を立て直し、いろいろな手続きの中で自治会の会則が必要だということになって、調べたら「会則があった」みたいな感じで、住民が必要と思って作成された会則ではないのである。したがってお役所の誘導的会則になっていることでも、会則の作成意図が見えてくるもの。とはいえ、現存している会則を会員が持っていないというあたりからして、おかしな話なのである。役員会の時、負担軽減にあたって該当部分だけ示して会則改正を役員会に図ったら、出席者の中から会則そのものがどういうものかよく解らない的な感じで「会則を示して欲しい」と言われたら、総会には会則そのものの改正案が登場してしまった、というわけだ。

 そして初めて見た会則を眺めると、違和感が増幅する。そもそも地方自治法で促しているものに違和感があるということになるのだろう。ウェブ上には雛形がたくさん登場するが、たとえば「会員」のこと。現行会則には「会員は第○条に定める区域に住所を有する個人とする」とある。「世帯」ではないのである。とすると総会の出席者数の規定にどう触れてくるか。その点については「総会は全会員数の過半数をもって成立する」とある。ようは個人とすれば世帯主だけ出席すれば良いということにはならない。そもそも世帯主以外の家族が会員であるという認識を持っているかどうかも怪しい。このあたりについて、たとえばあきる野市の「町内会・自治会の法人化に向けて ~「地縁団体」の認可申請手続き~」というページの「認可の要件」に

(3)その区域に住所を有するすべての住民が構成員になることができ、その区域の住民の相当数が構成員となっていること(地方自治法第260条の2第2項第3号)

認可地縁団体は、その区域に住所を有するすべての個人が構成員となることができ、現にその相当数のものが構成員となっていなければなりません。「すべての個人」とは「年齢・性別等を問わず区域に住所を有する個人すべて」という意味です。したがって、世帯単位を構成員とすることは認められません。

と書かれている。末尾の「世帯単位を構成員とすることは認められません」というところ。厳密にそうなのかどうかはわたしにはまだはっきりわからないが、地方自治法第260条の2第2項第3号にある「その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員となっていること。」から解釈しているようだ。構成員名簿、ようは会員名簿には「世帯主のみではなく、子どもから高齢者まで構成員となる個人を記載のこと」のよう。だからといって世帯単位では認められない、と明確に示されているものなのか。従来の自治組織、ようは「」の構成員は世帯だったといえよう。ようは「家」だったのである。ところが今は個人それぞれに権利があるのだから「家」ではないのは当然だとしても、だからといって会則上だけの条文がひとり歩きする。「お役所に作れ」と言われて作られた会則の不自然さが現れる。こんなように会則を眺めていくと、違和感ばかり目立っていくことに。住民が求めて会費負担軽減を目指したのに、進む先は意図の違うところに行き着き、結果的に「こんな会則で縛られるのなら辞めたい」という別の意識が派生しそうだ。

 そもそも入会届には世帯主しか書かれていない。条文通り組織が動いていない、お飾りの会則なのに、それにこだわっているのだから不思議な世界だ。


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