明日に例会を控えて、雪降りが頭を悩ませた。ただでさえ伊那谷は、県内では別世界と言う印象がある。それでいて大雪ともなれば「遠い」イメージは増幅して、「欠席します」という人が増える。せっかく用意した例会も台無しだ。とはいえ、会社の駐車場から出る午後6時過ぎには、積雪30センチを越えていた。もはや暗い明日しか見えない。
いつも立ち寄る店に「きっと空いているだろう」と立ち寄ろうとすると、駐車場に車が止まっていない。早々店じまいをしたのか、と思い通過して「どこを走ろうか」と考える。この状況ではどこを走っても渋滞しているだろう。会社の遠くからの通勤者も、今日は早々帰った。国道153号は車が繋がっている。おそらく沢渡の春近大橋の交差点からずっと繋がっているのだろう。その距離2キロを越える。もちろんそこへ合流するつもりはない。ふだんでさえ40分余かかる家への道のりが2時間以上は当たり前だろう。旧国道の小黒川橋を渡り、すぐ南にある寂照庵横の道に左折する。道が狭いから「通れるだろうか」と不安があったが、通れそうだ。ふだんでも通る人は少ない狭い道。国道に並行して南下し、下平駅南の旧国道に合流する手前まで来ると、その先の沢渡の信号機から旧国道も車が繋がっている。もちろんそこにも合流しない。天竜川左岸に渡る選択肢として「春近大橋」を考えていた。その春近大橋から伊那市街に向かって2キロ以上渋滞しているのに、どう通過するか、と言えば、西からその交差点に合流することができる道がある。旧国道に入る手前を左折してその交差点に向かう。その道も渋滞しているのでは、と思うと1台も姿がない。その交差点に入る道が「坂である」という点も、そこに車がなかった理由かもしれない。ふだんわたしはほぼ通らない道。ちょうど「青」だったこともあり、2キロも渋滞しているその交差点をあっと言う間に通過した。伊那市街側2キロ以上先から、この交差点を通過するまで要した時間は5分くらいだろうか、幸運である。
春近大橋を渡り、橋に向かう道は車が繋がっているというのにその先にあるコンビニに気楽く立ち寄る。この先まだ難所があることもあり、給水である。コンビニを出て、「火山峠を越えるか」あるいは「このまま東春近を南下するか」と悩んだが、「峠よりいいか」と、東春近を南下する道を選択。やはり狭い道は、大雪だと選択する人は少なく、ふだんにくらべて車は走らない。スムースに「北の城橋」までたどり着く。もちろん天竜川を渡るつもりはなく、そのまま県道車屋大久保線を直進する。ふだんはほとんどの車は北の城橋を渡る車ばかりで、この道を直進する車は少ない。スムースに駒ヶ根市大久保を通過できるかと思っていたが、さすがに「通る車が少ないと考えて、普段通らないような車がこの道に入ってくる。その先には坂があり、登れずに立ち往生している車が…。前輪駆動らしく上れずに「引き返す」とバックしている。その車をやり過ごして進むと、その先の坂でも上れずに苦労している車が…。後輪駆動の後ろにチェーンを付けているが、それでも上れないようだ。しばらく待っていたが、対向車も来ているようで、「いつになるかわからない」と思い「バック」。引き返して北の城橋を天竜川右岸に渡ることに。
やはりこの大雪では、ふだんそこそこ通る北の城橋も「怖い」と思うのかほとんど車は来ない。右岸側に渡りスムースに宮田村の大久保を経て、大田切川の大田原橋を渡る。その先の下平は平らで道もそこそこ広い市道。遅い車は追い越して進む。小鍛冶を経て小鍛冶橋を渡って再び天竜川左岸へ。あとは主要地方道伊那生田飯田線を経て吉瀬田切大橋を渡って天竜川右岸へ。田切道の駅の交差点を直進して旧国道に入り、日影坂を上ってふだん走る県道飯島飯田線へ戻る。かなりの紆余曲折であったが、1時間余がコンビニを出てからの所要時間。県道車屋大久保線での通せんぼがなかったら、もう少し早かっただろうが、大雪の日は、誰も通らないような道を走る、に限る。もちろん4輪駆動であることが条件ではあるが…。