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匿名性とは?

2005-07-02 21:20:27 | Weblog(日記や雑記)
「ネットに匿名性は不可欠」――総務省(ITメディア NEWS)

 この記事に因れば、共同通信が報じた「実名でのネット活用促す 総務省『悪の温床』化防止」という記事がネット上で波紋を呼び、それで慌てて総務省が、釈明のコメントを出した、という感じのようです。
 結構ネットなどでは波紋を呼び、相当な話題になったようですが、ここで改めて、ネット活用の際の「匿名性」のよしあしを、少しだけ考えてみたいと思います。

 まずネットの社会では、プロバイダとの契約や商取引などの場所以外――例えば掲示板やチャットなどのコミュニティでは、匿名か或いは匿名にしないかを、最初に選択することが出来ます。
 まあ、殆どの人間は匿名で活動することを選択していますが、中には実名での活動をしている人も、何人かいらっしゃるようです。
 小説家志望者や漫画家志望者などの中には、応募用のPNをそのままHNとしている人も、少なくありませんし、また、僕のように自分の名前から取ったHNを使用している人も、中には多数居るでしょう。

 僕自身の感覚で言うなら、例えば棄てHNや、2ちゃんねるのように「名無しさん」で書き込むというのは、ちょっと理解できないです。それはつまり、ネットの中で自分の発言に責任がもてないようでは……という考え方があるわけです。
 だから僕の場合、2ちゃんねるを見ることはあっても、書き込む事はしません。まあ、2ちゃんねるの場合、あの空気の中に入っても、ついていけないと言うところもあるのですが……。

 ところがいくら、自分の発言に責任を持つつもりであったとしても、発言する事によって、自分の人生自体にリスクを負うような発言――例えば内部告発など――の場合では、完全な匿名にせざるを得ない場合もあります。
 こう言ったときの場合、ネットの匿名性というのは非常に便利です。誰がやったのか解らないままに、正確且つ最新の内部告発を行う事ができます。まあ、信用してもらえるかについては、話はまた別問題なのですが……。

 しかしこの匿名性というものがあだとなり、内部告発を装った誹謗中傷や、或いは犯罪の温床になるということも珍しいことではないと思いますし、現実にそう言った事件は存在します。
 さらに言うなら、ネットの内部にある情報というのは、極めて見極めが難しいと言うところがあります。「大山鳴動して鼠一匹」どころか「火の無いところに煙を立たせようとして持ってきたドライアイス」なんて事も珍しくありません。

 総務省情報通信政策課の内藤茂雄課長補佐の発言ですが、「私を含め、『ネットはジャングルだ』というイメージの人は多いのではないか」というのは、僕も同感です。ネットにある情報の真贋を判定するのは、今の個人の資質では不可能なところも多いと思います。
 そう言ったところを補正するのは重要であると思いますが、しかし、一足飛びに「完全実名化!」なんて言うのは、ちょっといただけないところがあります(最も上記記事の中で言えば、これは完全な誤報だったのですが)。ネットのことを何も考えたことの無い人間が出したものであると、断言していいでしょう。

 まあ、いろいろ書いてきましたが、今回の総務省の試みは、温かい目で見守ってみたいと思います。

 ―IT'S MY LIFE / AXEL FORCEを聴きながら―