平倉山荘 -- BLOG --

 蔵王を歩く・滑る。日々を記す。空想上の山小屋~たいらぐらさんそう~

1リットル弁当に教えられ。

2013-10-06 | 山・やま・Mt.
今日の山行には容量1リットルのタッパーを弁当に利用した。その大きさは、縦横約12cm、深さ約7cmの普通のプラスチック容器。2合のご飯がちょうど収まった。

男一人で準備をする山行き弁当に、味気も色気もないのはいつものことだ。ご飯の上にゴマ塩をふりかけ、中心には梅干し、そして二つの角にはミソ南蛮と塩コンブを置く。この弁当一つで朝食と昼食を賄う予定である。

歩き始める前、朝食の分として半分を食べ始めた。その時、意外なことに気付いた。

いつもの弁当箱より深みのあるこの容器。おかずは表面に配置された三品のみ。ご飯を弁当の底に向かって食べ進んでゆくと、最初は表面のおかずがあるからいいものの、徐々に白米だけを食べることになる。

ただでさえ味気のない弁当。表面に乗せた味付おかずを、上手く弁当底部の白米に混ぜ合わせて食べなければ、味わいは寂しさだけが残る。深みのある弁当箱を使ったの始めてではないはずだが、底の部分の白米におかずを残しておくことまで気が回らなかった。いつもの弁当箱は、ひと掬いで終始ご飯と味付おかずを一緒に味わえるのだ。

その時、「山の楽しみ方も同じなのかなぁ」と頭に浮かんだ。

いつも同じルートばかりを歩いている我が山行。地図の表面に記された点線を辿るだけの山行。目的地の「点」と「点」を登山道の「線」で繋ぐだけの山行。興味の対象もいつしか表面的・二次元的になっている。

今回の弁当みたいに表面だけでなく深みまで味わうおうと工夫をすれば、山って、もっともっと魅力的な存在のはず。その魅力を感じられるか否かは登山者の感性の問題。

いつもと違う弁当箱に、山の味わい方を教えられたような気がした。

07:00 登山口出発
  中丸山を経由
09:15 熊野岳通過
  馬の背
  御田の神
  お清水の森
10:47 登山口到着

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