夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

題詠:南風が運んだリズム

2007-12-25 | poetry
  南風が運んだリズム  道の両側に広がった田んぼにはもう色づきかけた稲穂が揺れていた。ところどころに見える森よりはこじんまりとした、林よりは鬱蒼とした樹々の群れには鳥居や祠の幻影が見え隠れして、不特定な懐旧の念を誘うのだった。 「なつかしいよね」 「なつかしいね」  彼女がそう応えた際に念頭にあったはずの年代にはぼくはもうこんな風景を見なくなってしまっていたし、たとえ見たとしても(例えばどこか . . . 本文を読む