夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

豊饒の……

2005-03-20 | literature
 いわゆる三夕の歌の一つ、藤原定家の「見わたせば花も紅葉もなかりけり 浦のとま屋の秋の夕暮」について、三島由紀夫は「なかりけり」でこの歌がもっている、つまり要の字句だと主張しています。花も紅葉もと言いかけて、それを言葉の上で否定していても、花や紅葉という言葉が出てきた以上、そのイメージは残る。なかりけりと言うことによって、かえって寂しげな海岸風景にうっすらと華やかなヴェールがかかったようになる . . . 本文を読む