This Is The Way I Am

ただし。が、気まぐれに、日常にて考えていることを綴ってみます。

バランスの問題

2011年05月16日 20時35分06秒 | Weblog
僕は防衛力が強い。
多分。
自己防衛が半端ない。



学生の頃、数学も理科も出来なかった。
だから、言い訳を考えた。
…というより、素直に思いついた。



数学も理科も、答えが一つの科目だ。
だから、先生に言った。

「田中君や鈴木君が同じ答えを出すなら、
 僕がいちいち解かなくてもいいと思います!」

「皆が同じ答えが出ることが分かっているのに、
 それでも僕も、数式を解いて、
 必死に答えを出さなきゃいけないのは、
 一体全体、何でなんですかー?」



堂々と赤点をとっても、恥じることなく、
誰からも責められないように、
言い訳を沢山並べては、正当化する術を身につけた。



どういう言い方をしたら、笑って赦してもらえる?
どういう態度をとったら、「変な奴」で、話が済む?
「しょうがねーなー」って思わせるためには何をすべき?
口では負けない人間になりたい。



それが、大人になって、いつしか、
横柄な態度へと変わっていた。



「それって渡辺がやるべきことですか?」
「渡辺の仕事の仕方は、皆さんと違いますから」
「だって、そもそも、渡辺に求めてるものって、
 そういうものじゃないんじゃないですか?」



そういうことを口にしながら、
同時にどこかで面白さとか、説得力とか、
変な意味での納得感とか、あるいは諦観とか、
そういったものを周りに散らばせた。
自分までも正当化させていった。



憧れていたのは、愛嬌のある存在。
「なんか憎めない」ような。
説得力があって、納得感があるような。
「しかたないな」と思わせてしまうような。



どんな時でも、きっと自信があったのは、
自分と同じ考えの人や、動き方をする人が、
いなかったから、という現実と。



そんな生意気さとキャッチーさを、
「変なの」「まぁ、面白いんじゃない」と、
面白がってくれた人がいた、事実と。
あとは、曖昧にごまかせるだけの実績と。
「他の人にはできないでしょ」っていうおごりと。



だんだんに偉そうになった。
本当は、全然、偉くないのに。
プライドが生まれ始めた。
本当は何もなかったはずなのに。



そして、自分を守り始めた。
正当化することを優先し始めてしまった。



必死で隠し始めたものは何だったんだろう?
孤独や寂しさ? 
あるいは取り残されることへの恐怖?



目指したものは何だったんだろう?
憧れを向けられる、輝くべき存在?
それとも、見下されることのない存在?



頭の回転の速さでは誰にも負けない。
本質を見抜く力では、誰にも負けたくない。
それが更に速度を増していった。
感情を取り残して、筋ばかり通そうとした。



全ては小さな自分を守るためだったんだろう。



でも、ちょっとやりすぎてしまった。
目にあまり、鼻につくようになった人が、
じわじわと多くなったのだと思う。



そして、嫌われた。
「お前のこと、嫌いになった」と言う人は少ない。
けど、肌でひしひしと感じ始めた。



一人になることは怖いことではないけど、
見放された・飽きられた
→ 魅力がなくなった…?



考えたら、焦り始めた。



焦り始めたら、キャラクターが分からなくなった。
強がって、一人でも大丈夫だ、と言い切るのか。
それをできる自信はどこにもない。



本音が生まれた。
人に嫌われたくない、という弱音に似た救いと、
人に良く思われて、記憶に残りたい、という願望と。



好かれるために嘘をつくことはできないけど、
好くために、相手のことをきちんと見よう、と思った。
嫌われないために気を遣うことはしないけど、
好くために、心配りをしよう、と思った。



今、徐々に自分の中で変わっていくものがある。
「気持ちのいい人になりたい」という気持ち。
シンプルだけど、とても難しい。



そして、僕の周りには、そういう人が多かったことに気づいた。
では、彼らには、僕はどう思われているのだろう?
怖い…と思った。



だから、自分との闘いが始まる。
よりよい人間を目指す為の。



よく「頭がいいね」と言われる。
否定はしない。
きっと、僕は頭が悪い方ではない。



でも、そんなことよりも、
「気持ちのいい人」になりたい。
「気立てのいい人」に。



一緒に飲みに行きたいような人に。
一緒に語り明かしたいような人に。



そうなるには、殻を破ることが必要だ。
今までのキャラクターではたどり着けない。



そう思って、歩き出す、今。
きっと新しい日々が始まる。



毒素を抜くための挑戦が今、
静かに確かに始まった。

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