Knockin' on heaven's door

NFLとNBAとその他諸々

日明恩「ギフト」

2015-07-01 21:44:14 | 読書
この作者は、そこそこ読んできた。
数はあまり読んでいないが、
初めて読んだのは、「それでも、警官は微笑う」。

内容は正直ほぼ覚えていないが、
なんといっても、メフィスト賞作品。
もう1つ、強烈にインパクトが残っているのは
この作品名。

今まで読んだ本のなかで、
作品名だけで1番好きなものを選ぶなら、
間違いなく「それでも、・・・」を選ぶ。
次点は、「そして誰もいなくなった」か。
(後は、すぐには思いつかない・・・)

最近では「鎮火報」を読んだんだが、
とても面白かったのは良く覚えていて、
それ以来また買い始めた。

舞台は、東京(もしくは近郊)。
元刑事の主人公が、死者が見えるという
特殊能力を持つ中学生と、
ふとしたことで知り合い、
少しずつ交流し、死者との関わり合いが・・・、
みたいなお話。

主人公が元刑事だとか、
そのあたりの背景は序盤は伏せられていて、
不思議な感覚でお話は進んでいくのだが、
引き込まれるように読めました。

当然死者が全てに絡むエピソードだが、
老婆から、犬、少女・・・と
多彩でもあり、
全て幕切れの方法が違ったりもする。
良い終わり方だけではなかったりもするが、
それはそれで、納得が十分出来たりもする。

1冊を通して、常に翳りがある本だが、
読後も非常に満足。
不思議なやさしさがあり、泣き所もあり、
少し安心出来る終わり方、
とても良い1冊でした。

読後にふと考えてしまうのは、
自分には、幸か不幸か全く霊感がなく、
見たことも感じたこともまるでないなと。
なのに、子供の頃からビビリだったりもする。
夜にトンネルとか歩くことがあったときには、
霊感がなくてマジで良かったと・・・。
出来れば、このまま見えない・感じないままで、
今後の人生積み重ねたいなぁとか・・・。