とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

ひび割れ粘土質土壌

2019年11月15日 | 日記
埴壌土であると判明した道具小屋脇の通路の土。晴天が続くと乾いてひびが入り始めます。


昨年の調査では、ここの粘土はpH7.6程度の弱アルカリ性であることが分かりました。アルカリ性条件下で生成する粘土鉱物は、2:1型のスメクタイトです。スメクタイトは、吸水により膨張することから「膨潤性粘土鉱物」とも呼ばれます。この性質は、裏を返せば、乾燥により収縮することを意味しますので、それによって生じたのが写真の「ひび割れ」と解釈することができます。

では、どの程度の割合で膨張・収縮が起きるのか? ふと興味が湧いたので、昨日、粘土の塊を用意したついでに実験してみました。よく水を含ませた粘土を計量カップに詰め込みます。


体積は約210ccです。


これを天日干し。


6時間後に様子を見ると、縁に沿ってひび割れが生じていました。


高さは200ccの目盛りまで低下。


収縮したことでカップとの間に空隙ができ、スポッと抜き取れました。


さて、このような埴壌土の性質が、作物生育上どう役立つのでしょうか? 畑作において、埴壌土はネギ類の栽培に適するとのことですが、現在生育中のタマネギ畝で実際にその「ひび割れ」を確認することが出来ます。


陽当たりの良い土手に群生するノビルの根の様子。ネギ類には、アブラナ科に見られるような毛細根が無く、やや太めの根が幾筋も放射状に伸びる特徴があります。乾燥によって埴壌土にひび割れが生じるとすれば、ネギ類の根が土壌水分を吸収することで、土壌深部に更に割れ目が広がっていく様子をイメージすることが出来ます。
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