少し暑さが和らいだとは云え、日盛りの正午過ぎでは陽射しも尋常ではない。
そんな時刻に父母の眠る菩提寺に到着してしまった。
箒、塵取り、水桶に柄杓を借りうけ、本堂裏の石段を昇る。
春彼岸以来だから半年ぶりか。
父母や御先祖様の眠る墓所に到着して唖然とした。
丈高い夏草に覆われ、草叢に埋もれる荒廃ぶり。
ここまで草に覆われたのは初めて。
古い墓所なので石組みは隙間だらけ。
そこいらじゅうから旺盛な夏草たちが、隙あらばと葉を茂らせる。
さぁて、三カ所の墓所を一人で片付けなければならない。
手持ちの道具は園芸用の小さなスコップだけ。
ジリジリ照りつける日盛りの下、長い長い夏草との格闘が始まった。
唯、草を刈るだけでなく、隙間に張り付いた根っこを取り除くのに時間を要する。
ひとつひとつ手順を踏んで、野生の領域に秩序を取り戻してゆく(笑)
村上春樹の「午後の最後の芝生」を思い返すような夏の午後の時間だった。
やっと世界に整然とした秩序を取戻したのは西日の傾く午後4時過ぎ。
墓石を洗い、花を手向け、線香を灯す。
静かに手を合わせ頭を垂れる頃には、ひぐらしが鳴き始めた。
本堂の別仏壇を最後に拝む。
開け放たれた障子越しに黄昏の長い影が延びて、蝉しぐれが重なる。
瞼の裏、記憶の琴線を刺激する、
遠いとお―い、夏の日の情景
菩提寺を辞して、鄙びた街並みが日足の長い影に沈んで、
見知らぬ異国の風景のような光を放っていた。
河口の街の河原には、今夜の祭りの意匠が施されている。
このまま、ここに留まり、盆踊りの宵闇に紛れてしまいたい。
盂蘭盆の夜には、なつかしい人たちが闇に紛れて訪れるから。
里帰りと言えば「墓参」と昔、和尚様から聞いたことがありました。
お盆の長期休暇は田舎に帰る・・・
大渋滞などとテレビのニュースでやっていますが、その目的が少しづつ変化をしているようです。
岩松の町並み、お寺の本堂の様子、日暮れ時などなど写眞のすばらしさでランスケさんの思いが伝わってきます。
應挙、残念でした。
今月末まで「波上群仙図」展示しています。
是非・・・
伊達家所蔵の円山応挙の山水の名品、観たかったです。
また機会を見つけて伺います。
今日は、なつかしい友と何十年ぶりかの再会を果たし、
朝から自転車で近郊をポタリング(自転車散歩)
心地よい汗をかいて、先程帰宅しました。
旧友Oくんとの再会もホッホさん繋がりの恩師の回顧展が縁でした。
お盆の頃は、こんな懐かしい人たちを呼び寄せる効果もあるのでしょうか?
亡くなった人ばかりでなく生きている人たちもね。