Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

お遍路を歩き通すために/その三

2011-03-08 | お遍路
 さぁ、やっと完結編です。
 一度で済むお話を、数回に分けて引っ張るような手法は、
 決して本意ではないのですが、 
 (今回は話しが長くなりそうなのと、画像が多いので三回に分割)
 一度試してみると、ずいぶん楽ですね(笑)
 人気ブログで、よくみる手法ですが、なるほど…でした。

 三坂峠に正午到着。
 全行程を45kmとすると、現在13km地点くらいで、まだ1/3も来ていない。
 八坂寺を8時スタートだから、4時間かけて1/3手前ではあまりにも遅い。
 地図を見ながら計画変更も検討。
 とにかく久万高原町の岩屋寺への分岐、県道153号線へ何時に到着するかだ。
 国道の舗装路へと足を踏み出す。

 
 
 
 

 国道33号線沿いの約7kmの行程が一番つまらなくて苦痛だった。
 まず靴の選択を間違った。
 峠道を考えて、いつもの革の山靴を選択した。
 なるほど凍った雪道では正解だった。
 でもアスファルトの固い路面では、足先が痛くなって豆が出来てしまった。
 四国遍路全行程の90%が固いアスファルトの路面だ。
 帰宅してアウトドア雑誌BE-PALが出しているガイトブック「四国遍路バックパッキング」を見ると、
 ジョギングシューズかナイロンメッシュのウォーキングシューズを薦めている。
 なるほど元旦に履いたニューバランスのジョギングシューズは快適だった。

 次に幹線国道沿いの狭い路肩を歩かされる苦痛。
 前出した歩き遍路のための地図とガイドブックを出している「へんろみち保存協会」
 の人々によって各所に遍路道の道標(みちしるべ)が設置されている。
 でも、それはお遍路全行程の一部にしか過ぎない。
 ほんとんどが幹線国道沿いの歩道を延々と歩くことになるらしい。

 これで世界遺産に申請しようと云うのだから信じられない(苦笑)
 巡礼の道であるお遍路が、排気ガスまみれの幹線国道歩きでは
 誰が文化遺産と認めるものか?
 カイラス巡礼やヨーロッパの巡礼の道と較べると一目瞭然。
 巡礼の道とは、本来自分の足で聖地を巡る行程にある。
 札所と札所を点と点で繋ぐような観光遍路に主眼をおくような
 行政主導の世界遺産申請では絶望的だ。
 四国という島を巡る全1200kmの曼荼羅巡礼。
 こんな魅了的な素材を活かし切れないのが、なんとも口惜しい。

 そしてお遍路は、祈りの風景だ。
 可能な限り、風景のなかの人を写し撮りたい。
 見知らぬ人を撮影する困難は、充分に予想される。
 とりあえず、どんな理不尽な注文にも応えられるセルフポートレートを
 試してみよう…試しの一枚は道路沿いのミラーを利用して(笑)

 
 
 

 久万町内の旧い街道沿い街並みを抜けて、
 内子町から岩屋寺へ通じるルートの分岐点である県道153号線に
 到着したのが午後2時半。
 このまま岩屋寺に辿り着くことは可能だが、帰路の最終バスに間に合わない。
 JRバスの土日の最終便は17:41。
 諦めるしかない。
 でも、このままでは形がつかない。
 44番札所、大宝寺を訪れてゴールとした。

 今回の八坂寺から大宝寺の歩行距離をトータルすると約25km。
 (帰路バスを降りて塩ヶ森からの5kmをプラスして)
 目安である30kmを歩き通すことは可能だが…
 筋肉痛の30kmを毎日歩き続けることを想像すると、見通しは暗い(苦笑)
 身体を徐々に慣らしてゆくしかなさそうだ。
 もう一度4月に岩屋寺から八坂寺を、今回とは逆ルートで歩いてみよう。

 お遍路の出発は、最も人出の多い4月は避けて(遍路宿の予約が取れないらしい)
 連休明けの5月を現段階では予定しています。

 
 
四国お遍路バックパッキング (ポケットBE‐PAL)
ホーボージュン,BE‐PAL編集部
小学館


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10 コメント

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挑戦! (鬼城)
2011-03-08 22:47:12
肩慣らしという言葉は野球用語?ですか。
足慣らしの「歩き遍路」挑戦。
挑戦と言っても過言では無い実践です。

何事も行動しなければ始まらない。
自分自身を変えることも・・・
だから私は「Challenge」「Change」という言葉が好きなんです。

頑張っているランスケさん、同行2人でなく、亡きお父さん、お母さんと一緒で「同行4人」ですよ。
春遍路 (ランスケ)
2011-03-09 00:01:22
間寛平さんのアースマラソンも凄かった。
結局、人間は身体が慣れると地球一周だってやってしまう(笑)
40日間毎日30km歩き続けることも、
足の筋肉に、その負荷を許容させることから始まるようです。
とにかく可能な限り毎日歩いてみます。

父母の写真をお守りに入れて持って行きます。
同行4人…どんな風景が視えてくるか本当に愉しみです。

鬼城さん、浄瑠璃寺で出会ったご夫婦は、
バスや乗り物を使ってでも、少しづつ歩いていました。
春遍路…なんて気持ちを掻き立ててくれる言葉でしょう。
奥様とお二人、少しづつでも遍路道を歩かれては?
大宝寺~岩屋寺 (カタックリ)
2011-03-10 01:07:23
ランスケさん 私も今日 大宝寺~岩屋寺まで
昔のお遍路さんを偲びながら 山道を歩いてきました。
大宝寺を11時半出発~八丁坂入り口13時半~岩屋寺14時55分~直瀬川沿いの四国の道を歩いて
古岩屋着16時~八丁坂入り口16時半~大宝寺18時半でした。帰り道で私と同い年位の東京の女性に会いいろんなお話をしながら歩きました。
朝家を出るのが遅かったので 大宝寺着が遅くなりました。反省です。

本当は 石墨山に霧氷を見に行こうと思ってましたが 風が凄かったので止めて かつてから大宝寺から岩屋寺を歩こうと思っていましたので変更して地図を見ながら歩いてきました。どの位の距離を歩いたのかわかりませんが 大宝寺からの道は一般道もかなり歩きます。だから古岩屋から岩屋寺のお遍路道が気にいっています。昔のお遍路さんに出会えるような気がするんですよ。
今日は 雪は降るし風は強いし気温は低いしで
ちょっとだけ大変だったかしら。

でも 一人でこんなお遍路道を歩くの大好きです。

ランスケさん お遍路歩き たいへんですけど
頑張ってくださいね。
そうそう 靴選びは一番大事ですね。
山でもそうですけど お遍路歩きは 1日20~30キロは歩かないといけませんもの。
遍路道を一緒に歩きましょう (ランスケ)
2011-03-10 19:57:11
そうですか。カタックリさんも遍路道を歩かれましたか。
水曜日は戻り寒波の風の強い一日でした。
日課にしているウォーキング途中で見上げた夕暮れの空も、
久万方面の山並みは真冬のような昏い雲に覆われていました。

寒い一日でしたが、お遍路ならではの出会いもあり、楽しまれたようですね。
岩屋寺~大宝寺の距離は、カタックリさんの辿ったルートだと
片道10kmくらいで往復で約20kmですね。

旧い遍路道は、へんろみち保存協会の人々のおかげで四国各所に残っています。
カタックリさんも「四国遍路ひとり歩き同行二人」という
歩き遍路の地図を入手して少しづつ歩かれては如何でしょう?
この地図を見ているだけでも楽しいですよ(笑)
書店には置いていないので、へんろみち保存協会からの郵送か、ネット利用になります。

靴は間寛平さんもアースマラソンで履いていた
ニューバランスのジョギングシューズがお薦め。
元々、足の矯正具メーカーだったらしく長時間の歩行には定評があります。

5月からのお遍路本番の途中、何処かの遍路道を一緒に歩けたら良いですね。

それから鬼城さんのブログのコメント欄が、ずいぶん書きやすくなりましたよ。

写真 (鬼城)
2011-03-10 20:54:56
大事なコメントを忘れていました。タイトルの写真の地蔵さん(お大師さん?)のお顔の陰影がすばらしい。ふだん、このようなお地蔵さんを道ばたで見かけるのですが、改めてランスケさんのカメラにかかると生き生きとした表情が見えます。

歩くのは好きなんですよ。仕事を辞めたあと、半年は「歩こう会」に入っていました。毎月2回、10kmに挑戦し、南予方面、いろんな場所を歩きました。今では毎日の筋トレと2kmほどのウォーキングですね。なんとか四国遍路も歩くよう心がけます。(笑い)
遍路道を歩く (ランスケ)
2011-03-11 01:12:04
写真の石仏は大宝寺の参道にありました。
陰影は午前や午後の斜光線を選びスポット測光でマイナス補正です。
唯カメラのお任せでなく、デジイチならではの機能を
ケースバイケースで使えば、自分の撮りたい写真に近づけますよ。

南予方面にも魅力的な遍路道がありますよ。
鬼城さん、ぜひ「四国遍路ひとり歩き同行二人」を
手に入れてください。
ブログ記事の中程の「へんろみち保存協会」をクリックすれば
HPをリンクしていますから入手方法が判ります。
鬼城さんやkyoichさんとも、南予方面に辿り着いたときに
一緒に歩きたいです。
春を告げる花 (マロン)
2011-03-12 10:34:25
続編、お遍路レポート、翌日を子供のようにわくわくしながら待ち読ませていただきました。この手法も楽しくて良いですよ。(笑)

三坂遍路道ルート、私は三坂峠から少しだけ下ったことがあります。どこかの山歩きの帰路だったので、時間を決めての下り歩きでした。

季節は今頃で、其の時、ユキワリ○○ゲの花が咲いていました。急坂の遍路道で見つけ印象に残っています。毎年、この季節になると気になっているのに、なかなか都合がつかず訪れていません。

ランスケさんが歩いた時は咲いていなかったようなので、そろそろかなって思われます。勝手な判断ですが、咲いていたらきっと絶好の被写体になったことでしょう。

機会があれば八坂寺から大宝寺まで歩いてみます。
下山してびっくり。 (ランスケ)
2011-03-12 19:21:17
マロンさん、返信おそくなりました。
金曜から石鎚へ入っていました。

あぁ~下山してびっくり。
街が一瞬にして壊滅している…
恐ろしい波が街を呑み込んでゆく…
阪神大震災やグランドゼロ(9.11)の衝撃以上。
価値観が消し飛んでしまうような災厄の映像です。

ちょっと、まともなコメントが出来ません。
マロンさんから聞いていたユキワリイチゲを
楽しみにしていましたが、まだ咲いていませんでした。
間もなくお遍路結願ですね。
また情報ください。
悪夢 (misa)
2011-03-13 01:53:23
もしかしたら石鎚は中止かと思いましたが
さぞ驚かれた事と思います

大阪の娘二人とも携帯繋がらず(office10F)
TVもradioも全てが悪夢の報道

㍻10年9月、我が家は一晩で陸の孤島となりました(新築一年後でした)
倉庫の米を上げるのが精いっぱいで
あっと言う間に車は見えなくなり
1mを超える濁流が庭園の苔を浮かしながら
玄関まで迫った時は家族全員二階に上がり
暗闇で眠れない夜を明かしました

未だに激しい雨が降り始めると
あの時の恐怖が蘇ります
ほんとに言葉がありません

もし東南海地震がくると? (ランスケ)
2011-03-13 06:38:29
地震の第一歩は雪山の夜でした。
「宮城沖で地震?」
「えっ?あれは60㎝の津波でしょう」
と出発前に観たTV報道を思い出しました。
事態の深刻さを携帯からの連絡では、まだよく理解出来ませんでした。

misaさんの住む高知も台風災害の多い所ですよね。
自然災害の恐ろしさは身を持って体験されていましたか。

帰宅してTV報道を深夜まで観ていました。
日本列島を呑み込む規模の大きさも驚異ですが、
東北地方沿岸のリアス式海岸の入江の奥の河口の街は
軒並み壊滅的な津波の猛威に曝されている様子。
同様の地形の母の故郷、岩松や宇和島、
それにmisaさんの住む高知も入江の奥でしたよね?
もし東南海地震がおきたらと想像すると…
その恐ろしさは他人事ではありません。
「津波」という気象用語は、全世界共通の日本語と聞いていますが、
これほど恐ろしい災厄だとは想像外でした。
インド洋沿岸の津波映像からは、これほどの切迫感はありませんでした。


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