結局白浅は宴会に引っ張りこまれる。
団子をかばって小さな嘘をついてあげたのに
と、何がなんでも引きずり込むつもりの夜華に
怒り心頭だ。
いっそのこと 術を使って夜華を引き離そうとしたが、
向こうがうわ手だった😩
・・・東海水君が振り向く、顔に笑顔が張り付いているが、
両目は容赦なく私と夜華の繫がれた手に注がれている。
「君上、仙使 前方が大殿でございます」・・・
夜華と三人席につくと宴が始まった。
一番近くにいた神仙が お酒を交わしにきた。
夜華についで白浅へ・・・
神仙「幸運にも素錦娘娘にお会いする事ができ
誠に 小仙の幸運の極み・・・」
夜華は横で 盃を手に、芝居を鑑賞してでもいるようなそぶり
白浅は 罰が悪い思いでいっぱいだ。
東海水君は真っ青な顔をして
幸運に感謝し続ける神仙に目配せする。
吹き出しそうになりながら、白浅は神仙に言った。
「小仙は 本当は 夜華君と長年離されて育った妹で、
今は折顔上神のところに仕えているのです」
夜華の動きが止まった。
東海水君は 呆然と白浅を見ている。
神仙も呆然としていたが ようやくつぶやいた。
「小神の目が役立たずでした。罰をうけるべきです。
この酒は自ら飲ませていただきます。」
この発言で かなり色んな憶測が皆の間に飛び交い
しばし神仙たちの退屈しのぎになったとか・・・・
祝宴が終わると、夜華はいきなり
「とりあえず阿離の面倒を見て。用事を済ませて
すぐ戻る」と言うや いなくなった。
白浅は団子を連れて夜華を探しに行き、
団子の話しから 団子の母が素錦ではなく人間だった事。
母親は、団子を産んで 間もなく 誅仙台から飛び下りた事
父君とは毎年のように 父と母が出会った俊疾山に行って
滞在する事。
そこで東海水君の妹、ミョウチンに命を助けられた事、
ミョウチンが母の座を狙っているに違いないという事を
聞かされる。
白浅が若い二人(夜華とミョウチン)に同情すると
阿離は父も母も自分の事を何とも思っていない。
母君にも他に好きな人がいるから
父君がミョウチンに取られても何とも思わないんだ。
名前のとおり 阿離は一人ぼっちで生きて行かなくちゃ
ならないんだ!と泣くのだった。
母に死なれ 可哀そうな阿離の嘆きに
思いっきり同情した白浅。
いずれ この子の継母になることもあって
「私にとって 父君は 私の心。私の要、私のこの上ない宝よ」
と 口から出まかせを言って、なだめるのだった。
思いっきり元気になった阿離。白浅の手を引いて
父君のもとへ行く。
白浅は、夜華とミョウチンに心で謝りながら
彼女を妻から旦那様を盗む横恋慕女とさげすむが、
ミョウチンに泣きながら跪かれて
さっさと逃げ出すことに・・・
と、ここで団子が、母上のうそつき!
さっき父君のことを 私の心、私の要、私のこの上ない宝
といったじゃないの。 発言。
夜華は きっと素素の記憶があると確信して
白浅の前に立ちはだかり、髪の毛にふれ、ゆっくり言った。
「私は貴女の心?」白浅があは、と笑って一歩さがると
一歩進んで 「貴女の要?」ますます乾いた笑い声で
白浅が後ずさる。「貴女のこの上ない宝?」
白浅は東屋の角に追い詰められて、とうとう
槍を投げた。
「もう、ひどいわ!とっくに知ってる事じゃないの。なのに
人に言わせるなんて、本当に 悪い人なんだから!」
その言葉に、団子も夜華も震えた。
二人が呆然としている間に、 白浅は逃げ出した。
このセリフ・・・三者三様の取り方をしたと思われます。
白浅は 団子の父とは初対面と思っているから
あなたの子のために嘘をついたに決まっているでしょう?
いずれ継母になるのだから。と思っています。
夜華は 素素!😍と思っています。
阿離は お母さんが投げやりになった。と思っていそう。
と、これは あくまでも 私の解釈。
読み手の想像で いろんなふうに取れるのです。
ところが、原作を読み進んでも その後 夜華が
白浅を素素と思っているふうがないのです。
軽く 折顔が、 東海の祝宴の翌日、夜華が折顔を訪ねてきた
と 白浅に言うところがでてきておしまいです。
もしかしたら 折顔から忘情水の事を聞き出したかも?
と想像するのみで 説明はないのです。
勿論 ドラマのように 東華帝君が300年前のケイソウ
封印を知っている様子もありません。当然
夜華も知りません。想像を逞しくするしかないです。
司音の事は 離鏡が描いた似顔絵を夜華が手に入れ、
もしや白浅?と思って 元貞救出のエピソードの時
白浅に尋ねたくらい。勿論、白浅はしらを切ります。
想像を膨らませて いろんなストーリーを考える楽しさ、
余地がある物語なのです。