注釈の注釈による超現実詩小説
棺詰工場のシーラカンス
【一○七】観客に対するイメージそのもの
オーロラ【九五】はモノクルを覗きこむ人物を反映する。その抽象的なイメージを読み取れない観客は、占い師を代理人にしてオーロラを見てもらうのだが、占い師が自身のオーロラを見ているにすぎないと判明したのはつい最近のことであった。それからは自分とよく似た容姿や性格をもつ占い師を探し出すようになったが、占いを生業にしている段階ですでに自分たちとかけ離れていることを知り、彼らのプロファイルに少しでも近づこうと付き人になる者が増えていった。専属占い師と何から何まで瓜二つになった占い師たちが、自身のオーロラを占えばいいと気づくまでにはまだ数年の月日がかかりそうである。
リンク元【一○一】
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