映画『ウェルカム・ドールハウス』

2012年06月05日 | 映画の感想



監督 トッド・ソロンズ
ヘザー・マタラッツォ (DawnWiener)
ブレンダン・セクストン・ジュニア (Brandon McCarthy)
エリック・メビウス (Stephen)
ヴィクトリア・デイヴィス (Lolita)
グリスティーナ・ブルカト (Cookie)
クリスティーナ・ヴィダル (Cynthia)
シリ・ハワード (Chrissy)
テリー・ポンティディス (Jed)
ハービー・デュワート (Lance)
スコット・クーガン (Troyn)
ダリア・カリニナ (Missy Wiener)
マシュー・フェイバー (Mark Wiene)
ジョシア・トレイガー (Kenny)
ケン・ラング (Barry)
ディミトリ・イエルボリーノ (Ralphy)
毎日を悪戦苦闘して生きる、ちょっと変わった中学生の女の子の日常を描いた一編。監督・製作・脚本は本作がサンダンス映画祭審査員大賞(グランプリ)を受賞したトッド・ソロンズ。出演は新人のヘザー・マタラーゾ、「エンパイア レコード」のブレンダン・セクストン・ジュニアほか。

★★★★☆
キラキラの青春映画なんて、今さら気恥ずかしくて観ちゃいられない。んなわけでこの映画。ん~なんてスンゴイ青春映画なんだろう。これだよ、これ。これがホントの青春だよ。所詮、フツーの青春映画って美化されたキレイゴトなのだ。そんな輝かしい青春を過ごせる幸せ者なんてホントはひと握りなんじゃないか?嫌いな教科があったり苦手な先生や生徒がいたりして、明日までに学校が焼けちゃえとか地球がなくなっちゃえなんて願うのが、リアルな青春じゃないだろうか。容姿も頭もよくなくて、ダサくて頑なで、学校でも家でも疎んじられている少女ドーンが主人公。ランチタイム、トレイを抱えたままウロウロするばかり、受け入れられる場所がない様子で学校でドーンが受け入れられる場所などないことが語られる。家では要領のよい妹ミシィとまったく逆のドーンを描くことで両親の愛情さえ享受できない境遇が語られる。ドーンは現在7年生・・・これって日本では13歳、中学1年生にあたるらしい。ドーンには高校生の兄がいるがコイツもダサい。ダサいが、それを受け入れて大学進学で周囲を見返すことを第一義に、何をするのもすべて内申書で有利になることしかやらない。ま、ある意味信念をもった兄貴だ。そんな彼女の居場所は庭の片隅に作った小屋。その秘密基地メンバーは『特別人間クラブ』会員なわけだが、会員はドーンと近所の年下の男の子だけ。ドーンはこの子がいじめられたら庇ったりするんだけど、自分が周囲からされていると同じように見下して遠ざけたりもする。クラスの悪タレ男子ブレンダンにレイプするぞなんて脅されつつも、急接近。でも、ドーンは勝手に好き好き光線出しまくりだけどもまったく相手にされていない、兄のバンド仲間のステファンなんて中身からっぽのイケメンがいたり。もうとにかくこの映画、光が見えたと思ったら消え、見えたと思ったら消え、これでもかと突き落とされるドーンが描かれる。ミシィ誘拐事件の結末のシニカルなことといったら。最後の最後まで救いなんかあるはずもなく、安易なハッピーエンドなんかないのだ。そんなのが最後にあったらウソ臭くてつまんないじゃないか。これぞ最高の青春どん底コメディ!この映画を撮ったトッド・ソロンズ監督の映画ってあんまりレンタルDVDになってないんだよなぁ、残念。評判のいい『ハピネス』、ぜひ観てみたい!

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