映画『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』

2012年11月12日 | 映画の感想



監督 マイケル・マン
ジェームズ・カーン
チューズデイ・ウェルド
ウィリー・ネルソン
ジェームズ・ベルーシ
ロバート・プロスキー
トム・シニョレッリ
デニス・ファリナ
ウィリアム・L・ピーターセン
ジョン・サントゥッチ

シカゴで中古自動車の販売を営むフランク(ジェームズ・カーン)は裏の世界ではプロの金庫破りとして活躍しており刑務所に収監されている大泥棒のオークラ(ウィリー・ネルソン)を実の父の様に慕い教えを守り同じ仲間とともに仕事をこなしていた。しかしフランクはそんな生活に嫌気がさしてウェイトレスのジェシー(チューズディ・ウェルド)と新しい人生を始めようとしていたが犯罪組織のボスであるレオ(ロバート・プロスキー)がフランクの腕を買って仕事を依頼してくる。

★★★★☆
いや~、こいつは拾い物!
1981年、マイケル・マン初監督の、ジェームズ・カーン主演クライムサスペンス映画。
松田優作主演のハードボイルドアクション映画、『蘇る金狼』とか好きです?孤高のアンチヒーローが強大な組織を敵に回して自分の流儀を貫いて闘うみたいな映画。この映画はまさにそれ。アメリカ版の松田優作をジェームズ・カーンがみごとに演じている。・・・というか、ジェームズ・カーンって役者は紹介されるときに、ろくでもない悪ガキだったことが出てくるくらい、悪ガキだったことを売っていた俳優。この映画の役は、なんかもう素のまんまみたいな強盗役だ。自分の流儀をかたくなに守って、自分が思い描いたままの人生設計を周りに強要する、スジは通っているけど、誰にとってもやっかいな硬骨漢ぶりがまったくブレなくて惚れ惚れしてしまう。こんなにも高倉健や松田優作の映画を連想させる展開の洋画があったことにビックリしてしまう。それでいて、宝石強盗の金庫破りシーンがけっこうリアル。まるで地下鉄工事みたいな、スマートさのない、ある意味、正攻法な金庫の破り方が素敵だ。溶接機械の描写などのリアリティはたいしたもの。
加えて、タンジェリン・ドリームの音楽のダサさったらない。打ち込みのピコピコした音は、今の感覚からして恥ずかしい音なんだけど、さらに昔の邦画っぽい泣かせのメロディラインがさらにもって恥ずかしい。ホント、特異な時代だったんだよなあ、テクノなあの頃。
西洋版の松田優作映画なんてあんの?なんて思ったら、だまされたと思って観てほしい。B級の雰囲気、音楽の時代的雰囲気、なんか伝わってくる空気は同じだから!


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