-「ストリッパー」「渚のラブレター」「バタフライムーン」と自作曲が3曲入ってますが、最近のLPでは珍しいですね。
J「もう一曲あったんです。もろストレイキャッツ風のが。次のシングルの候補の曲としておいてあるんです。佐野元春くんのGSぽい感じの曲も残ってます。あと2、3曲作って、その中から次のシングル曲を決めようと思ってます。」
-作曲するときは真夜中にギターを弾きながら作るんですって。
J「カセットテープを回しっぱなしにしておいて、シッチャカメッチャカ吹き込んで、聞きなおしていいところだけピックアップしたりとか。」
-歌も歌いながらやるんですか。
J「最近作る曲は、たとえば「アイム・ダウンのああいう感じでいこうと思うと、その歌詞をそのまま使って作ったりするんです。同じような曲になると「やばい、やばい」と思うから、シッチャカメッチャカ口からでまかせですね。」
-LPに3曲入れたのは、最近創作意欲が盛んになってきたことのあらわれですか。
J「うーん、まあ、よかったからでしょうね。今回は7曲くらい作った中から、半分あたったわけで。わりと今いいのが作れるみたいです。時間もとれるようになったし、4チャンネルの多重録音の機械を買ったから、遊びで楽しみながらやってるところもありますね。(笑)」
-「バタフライ・ムーン」は作った時からレゲエ調でやりたいと考えて・・・。
J「デモテープを作っていった時に、自分の気分としては「スタンドバイミー」みたいな雰囲気で入れてたんだけど、技術が伴わないものだから、みんなにはレゲエ調に聞こえたらしいのね(笑)。ウチャーウチャーとやりたかったんだけど、ウッキャウッキャとしか聞こえない。それがかえってよかったみたい(笑)。」
-海外録音をロサンゼルスでやったことはあるんですか。
J「ないですね。ロンドンの他にはドイツでやったことがあります。」
-ヨーロッパが多いのは、好みがあるんですか。
J「好みでは、アメリカだったらウエスト・コースト風じゃないだろうと思うんです。それよりニューヨークでしょうね。多少こう歪んでるというか屈折しているというか、ひねくれてて、しっとりしてるほうが好きだなということもありますしね。」
-ビートルズ以来の思い入れがロンドンにはあるわけですか。
J「それはやっぱりね。ロカビリーも、もろプレスリー風より、インテリぶってるふうのロンドンがいいなという感じで。」
これで「完」であります。
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この頃の名曲「ストリッパー」「渚のラブレター」はこうやって生まれたんだな、名盤「ストリッパー」のできていく過程が垣間見えて、ほんとに興味深いインタビューでした。