<川は流れる>

Reiの好きなこと、ここだけの話

「ANZUCHI」5

2008年09月08日 | ジュリー演劇

セバスチャン「おお、安土城が、火の竜となって天に昇っていく。誰が火を放ったのだ。」



                                                           



セバスチャン「天主に火をかけたのはおまえか。」



信雄「その通りだ。やれやれ、嬉しやな。やっとお目通りが叶うた。やはりバテレンの坊主だったか。」



                                                          



霊操で姿が見えなかったセバスチャンだが、信雄の目には見えるようになる。



その時が来たのだ。



                                                        



信雄「おまえがこれまで見てきた光景は、やがてこの世で現実のものとなることばかり。その光景の中にトマスの姿もあったはず。現に、今この時も、トマスや他のバーデレたちは、明智光秀も雑兵らに、教会もセミナリオ(神学校)も焼き打ちされ、命からがら琵琶湖の沖島へ逃げのびた。かかる事柄に遭遇したということは、つまり、おまえたちのジャンクは、シナへ向かわず、再び、本朝へ舵を変えるということだ。」



                                                       



現実はまだ、トマスもセバスチャンも船の上にいる。



セバスチャンの命の灯もやがて消えようとしていた。



                                                        



信雄「お前を案内してきた天使はどうした?」



セバスチャン「それがはぐれてしまった。」



信雄「ふふ、はぐれてなどいないさ。目の前にいるじゃないか。あるときはミカエルに化け、あるときは信長の息子に化け、仏僧にも化け、トマスにまで化けて、お前をほうぼう、案内してきた俺が、その天使だよ。」



                                                        



自分の意志で霊操してきたといいはるセバスチャン、この煉獄の光景も、自分の霊操の世界だとどうしても思いたかった。



                                                                                                                 



信雄「思い込むのは勝手だ。そのうち、誰かが大欠伸して目を覚ませば、お前も俺も跡形もなく消えうせてしまうのさ。私たちはその誰かの眠りの中で生かされているだけなのだ。」



信雄「まあ、聞いてくれ。俺がおまえと同類だと言ったのも、こういうことさ。つまり、この俺も・・・・ある日、ある時、ある所から、霊操をして、この国へやってきたんだ・・・・そうだ、おまえには聞こえなかったか?霊操に入る時、声明とも呪文とも鐘の音ともつかぬ、不思議な響きが、波動し、俺を誘った・・・・。」



信雄「意味はわからないが、何かを俺に伝えようとしている・・・・。諸行無常、是生滅法、俺にはそんなふうに聞こえたが。」



セバスチャン「メメント・モーリ・・・・・。私にはそう聞こえた。」



セバスチャン「死ぬ日を忘れるな、死に行く者たちよ・・・。ラテン語でそういう意味だ。」



信雄「死ぬ日を忘れるな?死ぬ日を忘れるな・・・・そうだったのか・・・思いが至らなかった・・・。」



                                                      





信雄はセバスチャンと同じく霊操をしてこの国へ来た。



しかし、肉体があるうちに魂が帰り着かなかったので、帰る場所がなくなってしまったのだ。



永遠に幽界をさまよう放浪者に成り果ててしまったのだ。



                                                           



セバスチャン「おまえが地上に創ったものとは・・・・。」



信雄「安土の町、五層七重の天守閣、そして信長。」



セバスチャン「信長までも?」



信雄「すべて魔界より放った夢の光の照り返した幻。」



セバスチャン「信長は信雄の父、おまえは己の父まで創りだしたのか。」



信雄「汝らが父と仰ぐキリストも、己を神の子と称し、天に己の父を創った。俺もキリストに習って、わが父を創りあげたまでさ。それもすでに消し去った。信長の骨は見つかるまい。もともとこの世にいなかった者だ。そろそろ、この天守閣も崩れ落ちそうだ。会えて嬉しかったよ、セバスチャン、互いに甦ったら、また会おう。」



セバスチャン「甦りとは神の言葉だ。悪魔となったおまえに甦りは決してない。炎とともに煉獄へ堕ちよ!二度と地上に現れるなっ。」



信雄「俺もそう願っている!おまえの死とともに、俺の悪夢も二度と甦らぬよう・・・。さらばだ!わが友、セバスチャン。」



                                                           



ほんとうに一部分だけ抜粋したので、なかなか意味は伝わらなかったと思う、



おもしろそうだなと思われた方は是非、本を買って読んでみてください。



そして、この台詞をジュリーが言ったものとして想像して楽しんでください。



                                                    





一度でも観た人をすべて虜にしたこの舞台。



二度と甦らないセバスチャンと同じ、消えるが幸せということか。



                                                                                                           



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情報

2008年09月08日 |  ブログ

みなさんは、BBSやブログにコメントするとき



どんな事に気を使っていますか?



私は自分なりに、基本のスタンスを決めています。



BBSはコミュニケーションの場、



そしてブログは情報提供及び、受け取りの場、と思っています。



ブログは発信者として、感想のコメントをいただくのはとても嬉しいです。



しかし、読み逃げ(言葉が悪い)も全然オッケーです。



発信者の私は見てくれるだけでかまわないと思っています。



見てくれたら、アクセス解析で後が残るのでそれだけで満足です。



ひとりよがりになるのは仕方ないブログ形式なので、



賛同いただけない方もたくさんいらっしゃるでしょ。



だから、ちらっと覗いて、また、バカなこと書いてるなあ、と思っていただくだけで結構なんです。^^



人の意見にうなづくときもあるでしょう。



腹が立つときもあるでしょう。



いろいろとBBSやブログなど、自分なりに使い分けて、楽しめればそれでいいんじゃないでしょうか。



一昔前にはこんなにジュリーの情報があふれてるなんてありえませんでした。



澤会のサイトもなかったですよね。



長く続けていらっしゃるHPさんが頼りでした。



ほんとにありがたかったですよね。



そんなサイトさんへの恩返しも含めて、自分なりの情報発信をこれからもしていきたいと思いますので



どうぞよろしくお願いします。



きわめて個人的なブログですが^^。



へへへ~、今日は真面目。[E:confident]



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