「西遊記」その２ 濯垢泉に天蓬元帥猪八戒登場 (Singapore 虎豹別墅)

盤絲洞の七人の蜘蛛の女怪は三蔵法師をさらって梁に吊るし、彼を蒸して食べる前に、濯垢泉へひと風呂浴びに出かけました。孫悟空は蜘蛛精たちの正体を知り、蝿に化けて彼女たちに近づき、入浴後は鷹になって着物を奪い、蜘蛛たちを浴槽に釘づけにします。

ここで悟空は猪八戒にバトンを譲り、今度は八戒が濯垢泉へ出かけました。八戒はお湯にとびこむと鯰に化けて女怪どもの股ぐらをぬらりくらりくぐって、ぐるぐる回り、追いかける女たちを疲れさせます。そこで元の姿に戻って名を名乗り、手にしたまぐわを振り回して女怪どもに突きかかったのでした。美女に化けた蜘蛛の妖怪たちは、ここで反撃。おへその穴からゴボゴボと糸を繰り出し、空一杯に巨大な苫を編んでかけ、八戒はその中に閉じこめられてしまいます。出家の身にありながら女風呂に飛び込むなど、猪八戒の美女には目のない好色な性格を示すエピソードですね。
そんな八戒ですが、台湾では「猪哥神」として信仰の対象となっているそうです。ただ猪哥神を祠っているのは風俗営業関係者ばかりです。彼らは、豚の像にお供えと線香をあげ、どうぞ、あなたのようなスケベなお客様がたくさん来店して、うちのお店が繁盛しますように。と祈るのです。