磔刑 ～ 「決定版カムイ伝全集」より (図像が残酷です）

白土三平画業50周年記念出版「決定版カムイ伝全集」の第一巻を買ってきて読み出しました。小学生のとき、親戚の家に全集があって読んだのが最初だったと思います。大まかな内容は覚えていますが、細部は殆ど忘れているようです。

「カムイ伝」の冒頭では、百姓一揆を指導して姿を消していた吉兵衛が花巻村に戻ってきます。これが心無い密告により領主に知れて、百姓たちは山狩りに駆りだされますが、吉兵衛を慕うあまりに、彼を捕まえません。領主は一計をめぐらし、日頃、百姓たちから虐げられている夙谷のたちに命じて吉兵衛を捕らえさせます。吉兵衛は、百姓たちの前で見せしめに磔にされ、やがてカムイの父となる、・弥助の槍で処刑されてしまいます。こうして百姓たちのへの憎悪が募り、両者の関係はさらに悪化していきます。江戸時代の支配階級である武士は、身分制度の最下層に被差別階級を作って、重要な生産活動を担う農民のスケープゴートにしていたわけです。

「白檀の刑」を読んだ後だったので、吉兵衛の処刑の場面が、孫丙の処刑の場面と重なってしまいました。