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ごろごろで 楽しく記憶☆ ~勉強は楽しまなくっちゃ♪~

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ちょっとした日常のハッピーネタも書いちゃうかも。

すごかった書道展 ~王羲之から空海へ~ (4)

2016-05-18 21:13:25 | 美術展・書道展めぐり
さて、日本の作品で一番感動したのは、やっぱり 空海です

最初に行ったとき、流れるような筆さばきの『崔子玉座右銘』さいしぎょく ざゆうのめい)にとても感動し、
草書がこんなに素晴らしいと思ったのは初めてで、白黒の複製を売っていたので
買って帰り、額に入れて今和室に飾っています。



2回目行ったとき、別バージョンの『崔子玉座右銘』もありましたが、
掛け軸の保存状態の関係で、
その時一番感動したのは『風信帖』

この『風信帖』を見ただけで、はるばる四国から出てきた甲斐があった  と思いました。
県立ミュージアムで複製を見ていたのですが、全然違いました。
あーーー本当に空海が書いたんだ と感動
麻の紙に書かれたものみたいですが、とてもいい状態で保存されていて、
こうして綺麗な直筆を見ることが出来るのはすごく嬉しかったです。
ここで墨をつけ、この辺ではかすれかけ・・・空海が目の前で書いているのが想像できるほど。

『風信帖』は最澄に宛てた3通の手紙ですが、それぞれ、こんなにも趣きが違うんだと驚き
1通目は、本当に丁寧に書かれた、行書に近い整った惚れ惚れする字の連なり。卓越した技術を感じます。
2通目は、墨をたっぷり目につけた、にじみの多いどっしりした作品。
3通目は、これぞ草書という、なめらかなとても美しい草書
     『崔子玉座右銘』と同じく、草書ってこんなに素晴らしいんだと、草書の良さをしみじみ再認識しました。

この小さい字の中に、これほど人を感動させるものがあるなんて。
絶品と言われるだけのことはありました。
教科書や複製では味わえない、直筆が持つすごさを感じました。

ほかにも、三筆や三蹟と言われた人たちの作品もたくさんあり、
漢字からかなへの変遷がよくわかります。

面白いな~と思ったのは、江戸時代の池大雅(いけのたいが)・・・ユニークで、現代にも通じる感覚
本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)も、絵画と融合させた芸術的な書という印象です。

そして、1回目では見られなかった一休宗純(いっきゅうそうじゅん)・一休さんの作品が、
これまた、個性的としか言えない書風
あの可愛いトンチの一休さんからは想像できない意思の強さを感じられ、
それまでの誰とも違う独特の、ちょっと丸みを帯びた、太い細いのメリハリなある書きぶり。
書は人を表すというので、聡明かつ、禅宗の中でも個性派だったのかな?と想像しました。

そして、対照的に感じたのが良寛さんの穏やかな書。
すべての書法を学んだ末の行き着いた境地というのでしょうか?
屏風に大きな字で書かれた作品などにも、癒され、包まれるような大らかさを感じました。
良寛さんが書くと、般若心経も、線が細くなんだか優しい
書に人柄ってやっぱり出るのかな?
元々裕福な家の出だったのに、あえて地位も財産も捨てて質素な生活に身を置いた良寛さん。
子供や貧しい人に優しい・・・そんな人柄をしのばれる書でした。

もう一度来てよかった・・・
とても贅沢なことだとは思ったんですが、行かせてくれた主人に感謝して帰途につきました。


以上は、私が見た感想で、見る人によっては違う感想を持たれることと思います。
書道に興味のある方はきっと、興味がない方でも見てよかった~と思われるんじゃなかなと思います。

5月22日までですので、あと4日ですが、もし行かれる機会があったらお勧めです。



すごかった書道展 ~王羲之から空海へ~ (3)

2016-05-18 21:10:32 | 美術展・書道展めぐり
大阪市立美術館で今開かれている書道展 王羲之から空海へ~   
                ー日中の名筆 漢字とかなの競演
 へ行ってきました。



先月の4月16日、そして、昨日5月17日の2回。

1回目は開館時間の少し前に行ったので、入口に行列が出来ていました。
3時間くらいかけて、もう思い残しがないように好きな書は何度も見たので、
もう一度行くことはないと思っていたんですが・・・

読売新聞に写真付きで載っていた記事がきっかけで、
一番感動した空海の草書の『崔子玉座右銘(さいしぎょく ざゆうのめい)』のもう一つのバージョンが
後半の期間に見られることが分かり、
とても見たかった空海の『風信帖』の直筆や一休さんの書も後半でだけ見られるので、
思い切ってもう一度見に行くことにしました。

2回分の感想をまとめて書きたいと思います。

まず入り口付近にあるのは・・・
 王羲之(おうぎし)
有名な草書の『十七帖』(じゅうしちじょう)・・・あーー、教科書で見たな~ 凄い!本物
『楽毅論』(がっきろん)・・・光明皇后の臨書ほど男性的じゃなくて、思ったよりおとなしいけれど個性がある作品でした。
そして一番有名な『蘭亭序』らんていじょ)・・・こんなにたくさんのバージョンがあるとは知りませんでした。
真筆は残っておらず、あとから臨書(真似て書くこと)したのが碑になって、その拓本(写し取ったもの)だったりするので、
大体似ているんですが、臨書する人によってかぽっちゃり気味の字があったり、
一番王羲之に近いと言われている褚遂良(ちょ すいりょう)の臨書は、結構スッキリした細い線でした。
小さい字の拓本ですが、その整った美しい字形は、書を芸術に高めたといわれるのが納得できる素晴らしいものでした。

同じ展示室にあるのは・・
 初唐の三大家

 虞世南(ぐせいなん)の『孔子廟堂碑』(こうしびょうどうひ
・・・ちょっと優しさの感じられる、でもきちんと整った楷書でした。

 欧陽詢(おうようじゅん)の『九成宮醴泉銘』(きゅうせいきゅうれいせんのめい
・・・引き締まった字形で、一片の乱れがなく楷書のお手本という感じです。

 褚遂良(ちょ すいりょう)
・・・見られると思っていなかった『雁塔聖教序』(がんとうしょうぎょうじょ)があって、とても感動しました
背丈ほどある大作なんですが、一字一字、ものすごく丁寧に書かれた印象。
しかもどの字をとっても形が本当に整っていて、ただただ感心するばかり。
これほど書道の才能に恵まれた人が唐の時代にもいたことが嬉しくもあり、大好きになりました。

書の横にあった褚遂良についての説明文に女性だと思える表記があって女性かと思ったんですが、私の勘違いだったようで、褚遂良はやっぱり男性でした。


そして、私の好きな顔真卿(がんしんけい)の『争座位文稿』(そうざいぶんこう
・・・1回目に見た時、顔真卿らしさが行書の中にも感じられた気がして、嬉しかったんですが、
抗議のために書かれたものなので、感情が結構字に表れていて、
楷書の丁寧なゆったりとしたあの独特の可愛い筆法の作品とはイメージがちょっと違っていて、流れるような書です。

唐代の見たかった有名な書家のほとんどの作品が一度に見られる機会はめったにないと思うので、
何度も見て目に焼き付けておこうと思いました。

そういえば、この時代の作品は、みんな字が小さいのにちょっと驚きました。
書道のお手本とかは、結構大きく引き伸ばされていたんですね。
確かに、記録のための文章とか手紙とか・・・実用的な目的で書かれたものが多かったとしたら
納得できます。
王羲之の書はあとから、素晴らしいということで、後世に残して学ぼうとしたみたいですが。

中国では、王羲之のあと、その流れをくむ書道家がたくさん出て、臨書もされています。

いいなと思ったのは、北宋の米芾(べいふつ)、元の趙孟頫(ちょうもうふ)、明の文徴明(ぶんちょうめい)。
漢文というと活字のイメージしかなかったんですが、こんなに豊かに表現できるんだと驚きました。
迫力のある魅力的な作品がたくさんあり、見ごたえがありました。
王羲之の書法が受け継がれ変遷していくのを多くの作品を通してみることができたは、2回目行った時。
ゆっくりと余裕を持って見られたからかもしれません。
この時代には、大きな字の作品もあるかと思えば、とても小さい字の作品もあったのは、
見せるために書かれたものだからなのかな?という気がしました。

台北國立故宮博物院からの作品も多く、台湾に行ったときはたくさん作品がありすぎて分からなかったんですが、
こうして見ることが出来て嬉しかったです。


(つづく)



すごすぎる書道展 ~王羲之から空海へ~ (2)

2016-04-15 22:25:05 | 美術展・書道展めぐり

日本の作品も凄いんです。
空海ら三筆や三蹟も見てみたかったから嬉しいです。

 空海の『風信帖』は、空海が最澄に宛てた3通の手紙の総称で、その名前の由来にもなった一番有名な1通目が東寺から来てます。
(※今回の書道展は作品の入れ替えがたくさんあり、「風信帖」は5月3日以降に見られるそうです。)


書風は王羲之の書法に則したもので、「風」や「恵」が王羲之の『蘭亭序』と酷似していると言われています。
これは、空海が最澄に交流があった証ということでも有名です。
空海の作品は今回7つ見られるんですが、そのひとつ『灌頂歴名』(かんじょうれきめい)は、
空海が高雄山寺で灌頂を授けた時の人名を記録した手記で、記録のための筆に任せた書だそうです。
さらりと流れるように書かれていますが、行書の傑作ですね~。
どちらも日常の中で普通に書かれた書が、こうして後世までお手本となる空海って凄い人です。

空海は、嵯峨天皇・橘逸勢と共に三筆のひとりですが、
その嵯峨天皇の書もあります。
真筆と確認される『光定戒牒』(こうじょうかいちょう)が延暦寺に現存します。
その『光定戒牒』が、延暦寺からこの書道展のために来ています♡♥♡
嵯峨天皇の代表作『光定戒牒』には空海の書法を学んだ跡があり、風格と気品があると言われています。
また、王羲之・欧陽詢の影響が見られるとも言われ、楷書・行書・草書を交ぜて書かれています。
 『光定戒牒』
これは、最澄の弟子の光定が、菩薩戒を受けたことの証明書で、嵯峨天皇の書としてまぎれないものだそうです。

三跡(さんせき)は・・・
小野道風(おののとうふう、894~966)
藤原佐理(ふじわらのさり、944~98)
藤原行成(ふじわらのこうぜい、972~1027)
の三人です。

小野道風(おの の みちかぜ/とうふう※)は、中国・王羲之の書を学び、そこから和様の書の基礎を築きました。
(※現代はとうふうという読みが多いそうで、私もとうふうと読みます。)
能書として活躍し、生存中から「王羲之の生まれかわり」と言われたほどです。
道風の作品は、雄渾豊麗、温雅で優れ、草書は爽快で絶妙を極め、醍醐天皇は深くその書を愛好されたそうです。

 屏風土代
たくさんあるようですが、どんな作品が見られるのか楽しみです。


藤原佐理(ふじわら の すけまさ/さり)は、道風と同時代を生きて、王羲之も学び、道風の書の影響も見られます。
『国申文帖』(くにのもうしぶみじょう)が今回見られるそうです。
 『国申文帖』


藤原行成(ふじわら の ゆきなり/こうぜい)は、行成は、道風の没後に生れていますが、とても道風にあこがれていたそうです。
『白氏詩巻』(はくししかん)他、たくさんの作品が見られるようです。
 『白氏詩巻』




このほか、紀貫之、藤原定家、一休宗純、そして、良寛さんの書も見られるそうです。

とってもとっても楽しみです。

詳しくは、こちらのサイトへ~
http://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/ogishi-kukai/


≪おまけ≫
三筆、三蹟がなぜすごいのか・・・

中国一辺倒の擬似中国文字の段階に明らかな変化が認められるようになるのが、
平安時代初期の空海、嵯峨天皇、橘逸勢の、いわゆる「三筆」からです。
彼らは唐風にならいながらも,それぞれ独自の書法を開拓し,やがて後に確立する和様への橋渡しという役割を果たすことになりました。

   空海・・・王羲之と顔真卿の影響を受けている。
   嵯峨天皇の書風には・・・王羲之・欧陽詢の影響が見られる。楷書・行書・草書を交ぜて書かれている。
   橘逸勢・・・"空海らとともに入唐し学問に励んだ"。
覚え方は・・・
嵯峨天皇、橘逸勢 空海 ・・・ 三筆
  に 立ち話もなんだから 喰うかい? みつ豆 でも。


 「三蹟」は平安中期の能書家で、この3人で、和様書道は完成をみたと言えるようです。
覚え方は・・・
三蹟・・・小野道風・藤原佐理・藤原行成
  わたしの悩み山積です オーノー風ない たすけまさちゃん 仕方ないからなりゆきなり

すごすぎる書道展 ~王羲之から空海へ~ (1)

2016-04-15 22:12:58 | 美術展・書道展めぐり
今日はいい天気で、あったかいですね~。
でも、明日からちょっと下り坂?日曜日は全国的に雨なんでしょうか?
大きな地震があった後なので、余震も心配ですし、
これ以上土砂災害などの被害が出ないためにも降って欲しくないですね。

地震に遭われた方に、心よりお見舞い申し上げます。m( _ _ )m
これ以上被害が出ないことをお祈りしています。


そんな中ですが、この週末、大阪へ小旅行に行こうと思っています。

大阪で今回一番楽しみにしているのは、書道展
王羲之から空海へ 日中の名筆 漢字とかなの競演~
 です。

大阪市立美術館開館80周年(日本書芸院創立70周年)を記念して、
日本中の美術館や博物館、台湾の故宮博物館から、そうそうたる作品を集めているみたいで・・・
多くの国宝や重要文化財を含む約230点が並ぶ、関西初の大規模な書の展覧会なんだそうです。


書道は、中学、高校、大学と書道部にいて、
(大学は事情があって半年だけでしたが)
一時は書道の道に進みたいと思ったほど好きでして・・・
その後全く書いていないんですが、見るのはやっぱり好きで、
書道展があると聞いただけで行きたくなる人です。

書道展はよく行くんですが、今回の書道展は、普通のとはスケールが違います。
大きな書道展5つ分くらい値打ちがあると思います。

高校の書道の教科書に出てくる有名な中国の書道の大家
王羲之(おうぎし)、顔真卿(がんしんけい))、虞世南(ぐせいなん)、欧陽詢(おうようじゅん)、褚遂良(ちょすいりょう)・・・
日本の空海をはじめとする書聖の、真筆(本人が書いた書)や拓本(碑を写し取ったもの)が見られるんです。
特に、私の大好きな顔真卿(がんしんけい)の作品も見られる!
・・・ということで、この書道展の事を知った日は嬉しくて眠れませんでした。

明日行くに当たり、予習を兼ねて、
ウィキペディアと高校の教科書よりを参考に、ちょっと思い出しながらまとめてみました。

 王羲之は、東晋~唐の時代に書の芸術性を確固たらしめた普遍的存在として、書聖と称されます。
日本においても奈良時代から手本とされており、現在もその余波が続いています。
行書の『蘭亭序』(らんていじょ)は書道史上最も有名な作品ですが、
用筆が穏やかで、変化があり、とても上品で、ほれぼれするほど綺麗です。
 『蘭亭序』
光明皇后も臨書した『楽毅論(がっきろん) 』は少し男性的な筆遣い、
有名な『集王聖教序』(しゅうおうしょうぎょうじょ)は王羲之の書を集めて作ったものなので、
楷書と行書が混じっていたり大きさがそろっていないなど、不統一な珍しい作品です。
『十七帖』は王羲之の手紙を集めたもので、草書のうちで最も優れていると言われています。
筆力が充実していて、力強いばかりでなく変化に富んでいて、勢いを感じます。
これら有名な作品が、王羲之だけで15作品も見られるなんて、嬉しすぎます。


 虞世南(ぐせいなん)は、初唐の三大家の一人。
『孔子廟堂碑』(こうしびょうどうひ)が有名で、書道の教科書に必ず出て来ますが、
字形がよく整っていて、品格の最も高い書の1つと言われています。
すっきりとした、ちょっと優しい感じの楷書です。
 『孔子廟堂碑』


 欧陽詢(おうようじゅん)は、初唐の三大家の一人で、楷書の四大家の一人でもあります。
欧陽詢の楷書は端正な字形で、特に『九成宮醴泉銘』(きゅうせいきゅうれいせんのめい)は有名で、
日本では昭和からこの書風が小中学校の教科書の手本に取り入れられるなど、後世に大きな影響を残したと言われています。
 『九成宮醴泉銘』

※王羲之の楷書は、楷書だけどちょっと柔らかな線で書かれていますが、
欧陽詢の楷書は、線が本当にまっすぐ ひきしまっている印象です。
気持ちいいほどにすっきりした楷書で、これはこれですごく綺麗です。
これも見られるのがとても楽しみです。


 褚遂良(ちょ すいりょう)は唐代の政治家、書家。初唐の三大家の一人。
虞世南、欧陽詢の書風の特徴を吸収・融合しながら、それを乗り越えて独自の書風を確立しました。
のびやかな書体の『雁塔聖教序』(がんとうしょうぎょうじょ)>は楷書における最高傑作の一つですが、
今回見られる『孟法師碑』(もうほうしひ)もそのちょっと前の綺麗な楷書です。
 『孟法師碑』
字形がよく整っていて、点画は力と勢いがあり、くせのない楷書です。


 顔真卿(がんしんけい)は、力強さと穏やかさとを兼ね備えた独特の楷書がその特徴です。
スッキリとした王羲之の書体に反発し、「蔵鋒※」の技法を確立し、楷書の四大家の一人として後世に大きな影響を与えました。
(※蔵法は、逆筆ぎみに起筆して穂先を穂の中に包み込むように送筆する筆遣い。重厚さを表現する。)

丸みを帯びた可愛い感じが私は大好きなんですが、最近街中でもいろいろな所でよく目にする書体です。
回転寿司の入り口のお知らせが顔真卿風で嬉しくなったことがあります。

独特の起筆、筆運び、ためたようなハネが好きで、高校時代何度も練習したものです。
私の普段の字も丸みを帯びているので、ちょっと影響を受けているかもしれません。
一番見たかった楷書の『建中告身帖』(けんちゅうこくしんじょう)ではなく
 『建中告身帖』
行書の『争座位文稿』(そうざいぶんこう)が見られるんですが、
王羲之のあの超有名な『蘭亭序』と並んで行書の傑作に挙げられる作品だそうです。
流麗な行書の中に、あの可愛らしい楷書っぽさもあるので嬉しいです。
右僕射の任にあった人に宛てた手紙の草稿だそうですが、下書きが後世まで伝わるって、凄すぎます。

日本でも中国でも、過去の書道の歴史に於いては王羲之流が主流派であったため、
顔真卿が評価されるようになったのは、書道界でも実は最近のことだそうです。
私の友達も顔真卿が一番好き♡と言っているので、好きな人は結構いるのかも~。=*^-^*=


毎日、私が「がんしんけいが見れる」と騒いでいると、
主人が顔真卿をを覚えてくれたんですが、
顔真卿は顔神経に、褚遂良は貯水量に、虞世南はうるせーなーに聞こえるそうです。(笑)


(つづく)


三越 ~猪熊弦一郎 記念イベント~

2016-04-07 20:48:36 | 美術展・書道展めぐり
県立ミュージアムの後は、三越高松店へ。
今回の目的は地下食料品売り場だけだったんですが、
やっぱり気になる美術画廊・・・今日も何かしてるかな?と5階へ行ってみると・・・
”杉田祥平 茶陶展”をしていて、
見たこともないような美しいお抹茶 茶椀にうっとり~(´ー`*)。・:*:・ポワァァン

同じ階の特設会場で、なんと
”猪熊弦一郎現代美術館 開館25周年記念イベント”もしていました。




猪熊弦一郎美術館は丸亀にあるので何度も行ったことがあり、絵もたくさん見ているんですが
三越の会場には猪熊さんの作品こそありませんが、
ビデオで制作風景を流してくれていて、
初めて見るその光景に釘付けになりました



迷いなくどんどん描いていっています。



頭の中に完成形があるんでしょうか?

猪熊弦一郎さんの年表も展示されていましたが、
ビデオでも説明がありました。



奥様と渡ったフランスで、第2次世界大戦が始まりドイツ軍が侵攻してきてもまだいて、
最後の避難船で1940年に帰国。

日本にいたこの頃、三越の包装紙を手掛けたそうですが、
そのデザインの素になったのは、こんな石だったとか。


しばらく日本にいて、
1955年、またパリへ行く途中に寄ったニューヨークが気に入って、23年間を過ごします。

日本に戻り、2年後の73才からは毎年冬を温暖なハワイですごしながら創作活動を続けたそうです。

この絵は、ハワイのアトリエで描いていたと思います。



さっさーーっと描いていくタッチに驚きます 
更に驚くのが、散歩から帰ってきたら、気になった部分は白の絵の具で塗りつぶして、また違う顔を描いていきます。
美術館で見たことのあるこの絵が、こんな風に描かれていたことに驚かずにいられませんでした。

これは、東京の地下鉄のホームだったかな?猪熊さんのデザインです。



他にも香川県庁の庁舎の壁などにも素晴らしいデザインの作品も紹介されていました。

このビデオで、作品制作風景が見れた事の他に、もう1つ嬉しかったこと、
それは、猪熊弦一郎さんの素顔が垣間見えたことです。

作品や写真からでは分からない、優しそうなお人柄
それが、穏やかな笑顔と話し方から感じ取れました。
偉大な方なので、もっと威厳のある厳しい感じの方かと思っていたら、
自然体で、きどらず、偉(えら)ぶらず、作品を作ることを楽しんでいる感じがとても伝わってきました。

子供たちを集めてワークショップをしている映像があって、
地元丸亀の猪熊弦一郎美術館でもしていたんですが、(※香川県高松市生まれ、丸亀市育ちの方です)
自らモデルになって描いてもらった子供の絵を見て、目を細めて褒めてあげるんですが、
褒められた子はポケーーっとしてるのに、お母さんが興奮されていて・・・。(笑)
純粋な子ども達に触発されて、またいい絵が描けるとおっしゃっていたと思います。
猪熊弦一郎さん自身も、生涯子どものような純真さを持ち続けていらっしゃったんじゃないかと感じました。

自然の作り出す形の美しさ・・・たとえば石などを見てもその美しさを感じる事の出来る
素晴らしい感性をお持ちの方だったようです。

70才を過ぎても、ヘッドフォンをして、軽やかなタッチで次々描かれていきます。
大きな作品もすいすい描いていくその様子は、年齢を全く感じさせませんでした。


恐らくこの先もこういうビデオを目にする機会はなかったんじゃないかと思うと、
たまたま立ち寄った三越で偶然見るチャンスがあり、
こんなラッキーなことがあっていいのかと、自分の運の良さに本当に驚きました。

この記念イベント、今月10日(日)までしているので、
興味のある方には、是非見に行かれることをお勧めしたいです


<追記>
私の見たビデオ、ひょっとして猪熊弦一郎現代美術館で見れないかな~と思って
美術館に問い合わせてみたところ、

猪熊弦一郎現代美術館で制作したもので、
お願いすれば、美術館の図書室の方でいつでも無料で見ることが出来るそうです。

期間中に行きたがっていたのに行けなかった息子が喜びそうです。
皆さんも、香川県に来られる機会があったら、
丸亀駅前にある猪熊弦一郎現代美術館へ行って見てみませんか?