
さてさて、正月早々読書感想文今回は
「チームバチスタの栄光」 海堂 尊 著です。この作品は年末年始にかけて読破しました。
バチスタとは心臓手術の術式の俗称で、肥大した心臓の一部を切り取って小さくし、心臓の機能回復を狙う手術の事です。
簡単に言いますけど、平均術死率が40%とつまり成功率が6割程度の大変難しい大手術なんですね。
アメリカの心臓専門病院で技能を磨いた桐生恭一率いる栄光の「チームバチスタ」が3例続けて術中死が起こってしまったところから物語が始まります。
この調査を主人公の窓際医師である田口公平が病院長の高階から隠密調査を命じられます。
つまり、医療事故なのか故意的つまり殺人かを調べろということです。
一通り田口が聞き取り調査を終え、行き詰まったところで、もう一人の主役 厚生労働省の変な役人 火喰い鳥・ロジカルモンスターこと「白鳥 圭輔」が登場するところから急展開を始めます。
こいつがまたキャラの立った奴で、ものすごい切り口から容疑者の心をえぐるような聞き取り調査を行っていきます。
途中、相手には殴られるわ、看護士さんには号泣されるわで読んでいるこちらまで不快になるけど、次第に田口同様に白鳥の世界に引きづり込まれます。
田口と白鳥、この二人の正反対の聞き取り調査を経て、段々と話の骨格が見えていき、話の端々に院内の権力闘争や医局のしがらみなどの大組織病などが織り交ぜられ、調査も核心部分に近づいていきます。
そして、最後は驚きの急展開となるのですが、例によって映画化される事ですし、話の内容はここまでで・・・
とまぁ ドラマ 医龍といい 脳外科のスーパードクターの仕事に密着したドキュメントなど、最近、医療現場を題材にしたものがメディアを賑わせてますが、それらを通じて素人の僕でさえ 改めて医者ってすごいな~
と再認識させられます。
木という命を生かすのが大工さんですが、何しろ相手は人間の命を生かすのですから、想像を絶します。
しかしそれと同時になんだか職人の世界なんだな~と親近感を覚えるのも又事実です。実際はテレビや漫画のようにはいかないのだろうけど、腕と経験が頼りというのも惹かれますね。
それにしても、医局の内部や、医療現場の事まで事細かにしかも解りやすく書かれているのには驚きます。
医療現場に潜む問題を訴えるという、問題提起をおこなっているようにも思えました。(その謎は後で解けたのだけど)
なかでも医者の過酷な労働条件と技師や看護士などの就業形態の格差など、そういわれれば成る程と感心しちゃいました。
そして、登場人物の生き生きした動きや語り、展開の面白さや犯人の逮捕で終わるのでなく、その後の事件の顛末や舞台の病院のその後など、アフターフォローがしっかりしていて、本当に読んですっきりしたと思う作品でした。
ここ最近、かなりのペースで読破している「東野圭吾」の作品にも似た描写の的確さや隙の無い展開など、文学系に無い読み物としての魅力にあふれた作品です。
ミステリーとしても最高なんだけど、本を読み終えた僕にさらに大きな謎解きがあるとは思いませんでした。
なんと、この作者 本物の医者なんだそうです、これには驚きました、よく見ればカバーの折り返しにある作者紹介にも現在勤務医って書いてありました。恐るべし
確かに「ガリレオ」をはじめとする東野圭吾の作品はまるで電子回路だと思ったけど、この作品は鮮やかな手術のような作品だと読んでいて思ったのです。
名は体を表すでは無いけど、作風にその人の性格がにじみ出るのが不思議なんですよね~
いつか、公務員と大工さんの感性で書かれた推理小説が本屋に並んだら、それはきっと僕です・・・
おしまい。

「チームバチスタの栄光」 海堂 尊 著です。この作品は年末年始にかけて読破しました。

バチスタとは心臓手術の術式の俗称で、肥大した心臓の一部を切り取って小さくし、心臓の機能回復を狙う手術の事です。
簡単に言いますけど、平均術死率が40%とつまり成功率が6割程度の大変難しい大手術なんですね。

アメリカの心臓専門病院で技能を磨いた桐生恭一率いる栄光の「チームバチスタ」が3例続けて術中死が起こってしまったところから物語が始まります。
この調査を主人公の窓際医師である田口公平が病院長の高階から隠密調査を命じられます。
つまり、医療事故なのか故意的つまり殺人かを調べろということです。

一通り田口が聞き取り調査を終え、行き詰まったところで、もう一人の主役 厚生労働省の変な役人 火喰い鳥・ロジカルモンスターこと「白鳥 圭輔」が登場するところから急展開を始めます。

こいつがまたキャラの立った奴で、ものすごい切り口から容疑者の心をえぐるような聞き取り調査を行っていきます。
途中、相手には殴られるわ、看護士さんには号泣されるわで読んでいるこちらまで不快になるけど、次第に田口同様に白鳥の世界に引きづり込まれます。
田口と白鳥、この二人の正反対の聞き取り調査を経て、段々と話の骨格が見えていき、話の端々に院内の権力闘争や医局のしがらみなどの大組織病などが織り交ぜられ、調査も核心部分に近づいていきます。

そして、最後は驚きの急展開となるのですが、例によって映画化される事ですし、話の内容はここまでで・・・
とまぁ ドラマ 医龍といい 脳外科のスーパードクターの仕事に密着したドキュメントなど、最近、医療現場を題材にしたものがメディアを賑わせてますが、それらを通じて素人の僕でさえ 改めて医者ってすごいな~
と再認識させられます。
木という命を生かすのが大工さんですが、何しろ相手は人間の命を生かすのですから、想像を絶します。
しかしそれと同時になんだか職人の世界なんだな~と親近感を覚えるのも又事実です。実際はテレビや漫画のようにはいかないのだろうけど、腕と経験が頼りというのも惹かれますね。

それにしても、医局の内部や、医療現場の事まで事細かにしかも解りやすく書かれているのには驚きます。
医療現場に潜む問題を訴えるという、問題提起をおこなっているようにも思えました。(その謎は後で解けたのだけど)
なかでも医者の過酷な労働条件と技師や看護士などの就業形態の格差など、そういわれれば成る程と感心しちゃいました。
そして、登場人物の生き生きした動きや語り、展開の面白さや犯人の逮捕で終わるのでなく、その後の事件の顛末や舞台の病院のその後など、アフターフォローがしっかりしていて、本当に読んですっきりしたと思う作品でした。

ここ最近、かなりのペースで読破している「東野圭吾」の作品にも似た描写の的確さや隙の無い展開など、文学系に無い読み物としての魅力にあふれた作品です。
ミステリーとしても最高なんだけど、本を読み終えた僕にさらに大きな謎解きがあるとは思いませんでした。
なんと、この作者 本物の医者なんだそうです、これには驚きました、よく見ればカバーの折り返しにある作者紹介にも現在勤務医って書いてありました。恐るべし
確かに「ガリレオ」をはじめとする東野圭吾の作品はまるで電子回路だと思ったけど、この作品は鮮やかな手術のような作品だと読んでいて思ったのです。
名は体を表すでは無いけど、作風にその人の性格がにじみ出るのが不思議なんですよね~
いつか、公務員と大工さんの感性で書かれた推理小説が本屋に並んだら、それはきっと僕です・・・

おしまい。

あけましておめでとうございます。
今年もTOM-Pさんのブログを楽しみに拝見させていただきます!
公務員と大工の感性で書かれた推理小説・・・。
出だしは・・
『課長のデスクの上には血のついたノミが残されていた・・・・』
って感じでお願いします(笑)
いいですね~そのオープニング戴きです。
そして探偵TOM-Pさんは一番怪しい大工さんは容疑者から外すのです。
「大事な道具を凶器に使う大工さんはいない…」
「誰も見ていないと思ったでしょうけど、実は丸太梁が見ていたのです、証拠は配付けたる木の納まりだ!」(なんのこっちゃ)
とか言っちゃって、うん面白いかも!?
今年もよろしくお願いしますね~~
本文よりもコメント欄の方に興味が湧いてしまいました。
いや~、実に面白い今回の記事でしたよ~
って違うか・・・・
結局、容疑者であった大工のゲンさんは行方不明の後に死体で発見されます、警察はそれで容疑者死亡のまま事件に蓋をしようとするわけです、何といってもゲンさんは、課長の家を建築中で工事の詳細について何やらトラブルを抱えているという明確な動機があったわけです、
そこにゲンさんの娘さん(22歳長澤まさみ似)が
「父は殺人も自殺する訳もありません、きっと他に犯人がいるのです」と恩師である、元職業訓練校の指導員で窓際公務員のTOM-Pさんに相談するのです…
そして・・・・
いかん!、ニヤついてきたぞ…
続く!
うそ!