大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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模擬家屋4「柱刻んでます」

2009年01月16日 | 大工の学校生活
 さてさて、模擬家屋の刻みもいよいよ大詰めを迎えております。

今回は、柱の加工の様子です。



ほそは、機械で加工します、微妙な調整が意外と難しいのですが、一度決まれば後は簡単に加工してくれます、基本は手加工ですが、機械にも馴れなければいけませんからね。


扇ほそなどは、手工具で加工しました。



カンナ掛けは、機械という訳にはいけません、最近はサンダーでペーパーを掛けることが多いのですが、やはり基本は手カンナです。



柱のカンナ掛けのポイントは・・・・

1:節が多い場合は元から末、無節の場合は末から掛ける

2:かな枕(息継ぎしたときに出来る段)や、耳(カンナの両端で出来る線)などを作らない。

かな枕は脚と手をうまく移動して、一定リズムで真っ直ぐ引くとできません、耳は砥ぐ時にほんの少し山なりに仕上げるとできません

3:逆目(特に節をかけた時にできる、かかじったような跡)をつくらない。

これは、裏座を詰めるとできません。


4:柱の中央部をほんの少し低くする。
  右端を掛け、左端を掛け、最後に中央部を2回連続で掛けるとうまく仕上がります。

  これは、鴨居を作るときなどに、胴付(接合部)が良くつくなどの理由です。

5:とにかくカンナを砥ぎ澄ます
  切れなきゃ意味がありません。

他にもたくさんありますが、基本はこんなところでしょうか?





砥ぎに始まり、砥ぎに終わる。


家にカンナと砥石を持ち帰り、一生懸命砥いでいた生徒がいました。


「どうやったら、上手く砥げるか判らん!」ってよく言われますが、そんなの僕にも判りません。
ただひたすら頑張れば、たとえその時には失敗でも、その失敗が自分の財産になる訳ですよ。



今、仕上がっている柱は、自分の一年間の姿だと思うのです。
頑張れば、頑張った分だけ、カンナも柱も、そして自分自身も立派に磨かれたと思います。
確かに、年齢や性別、センスや体力など人間は千差万別です。
でも努力は嘘を付きません、ちゃんと自分に返ってくるのです。

そのことを、少し教えてくれましたね。



砥ぎは一生もんです、できたかな?と思うと、又つぎの壁にぶち当たります。


明日は今日より、上手くなりたい!って思えることが、どんなに素晴らしいことかと、いつもかんなは教えてくれます。



削った柱は、とのこを塗り、鉋屑で磨き、最後に蝋を塗って完成です。



カンナ掛けは終わりません、鴨居と敷居は上小の材料を奮発しました。
その時には、今以上の仕上がりを見せて欲しいものですね。


来週はいよいよ棟上げです。お楽しみに~








おまけ







丸太梁をちょうなで仕上げさせてみました。


仕上がったのか?って感じですが、伝統的な道具使いも継承するのも大事かと・・・


おしまい。





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