三菱 アウトランダー

助手　「三菱のアウトランダーのマイナーチェンジ、どう思います。」

所長　「ああ、顔つきだけ随分と変わったのぉ。」

助手　「ボクは見ててなんか居たたまれなくなるんですけど。」

所長　「どうしてじゃ。」

助手　「だって、なんかマイチェン前の顔が失敗だったみたいに見えるじゃないですか。」

所長　「うーん、確かにそんな感じに見えるのぉ。じゃがお前も前の顔は格好悪いって言っとらんかったか。」

助手　「いや、そうなんですけど、見慣れてくると悪くないって思えてきましたし、新型と比べるとマイチェン前の方が良かった気がするんですけどね。」

所長　「新型の顔つきも悪いとは思わんが、全体の造形とのバランスを考えると、やっぱりとってつけたって感が否めんの。」

助手　「ですよね。」

所長　「別にアウトランダーの人気のあるなしで採用したワケでもないじゃろ。2013年の東京モーターショーのコンセプトカーですでに発表しとった三菱の新しいファミリーフェイスじゃしの。」

助手　「ダイナミックシールドって言うらしいですね。今後三菱のクルマの顔つきがこれに変わるのは別にいいと思うんですよ。トヨタにしろ、ホンダにしろみんなやってるコトですしね。ただ・・・。」

所長　「ただ、何じゃ。」

助手　「このタイミングはないんじゃないですかね。」

所長　「確かにこないだ出たトコって気がするの。じゃが現行モデルが出たのって2012年じゃし、もう3年近くなるんじゃ。」

助手　「そんなに経った気がしないですね。いや、そうじゃなくって何もアウトランダーのマイチェンを最初に持ってこなくてもいいって言いたいんですよ。他のクルマに先に導入してれば、マイナスのイメージはもっと少なかった気がするんですよ。」

所長　「そういうコトか。」

助手　「ダイナミックシールドが浸透してから、満を持して次期アウトランダーがこの顔で出てきらなんの違和感もなかったと思うんですけどね。」

所長　「ま、確かにそうじゃろうな。」

助手　「それがこの時期に大規模なマイチェンでしょ。三菱の話だと海外のプレミアム・ブランドに対抗するのにはもっと押し出しの強い顔の方がいいって言ってるんですけど、ボクには前の顔が失敗だと言ってるようにしか聞こえないんですけどね。」

所長　「詭弁もいいトコじゃの。プレミアム・ブランドの顔が押し出しの強い顔になったのは今に始まったコトじゃないじゃろ。それに先代のジェットファイターグリルは明らかにそっちの方向を目指しとったしの。」

助手　「言われてみればそうですよね。ジェットファイターグリルからダイナミックシールドに変わったのなら、すんなり受け入れられたのかもしれませんよね。」

所長　「間に大人しい顔のアウトランダーを挟んだからややこしくなったんじゃろうな。」

助手　「言えてますよね。それにせっかく新しく登場したダイナミックシールドも、アウトランダーのテコ入れのための顔つきって感じに見えてしまって、マイチェン前のもマイチェン後のもどっちも損してるように思えるんですよ。」

所長　「うーん、言わんとしとるコトはわからんでもないの。ただ三菱の新車のスケジュールがどうなっとるのか知らんが、そうそう新しいのを登場させられるワケでもないじゃろうし、三菱としては出来るだけ早く出して浸透させたいって考えもあったんじゃないかのぉ。」

助手　「それもわからなくはないですけどね。ただマイチェン前のアウトランダーを買ったヒトからしたら、裏切られたって思われても仕方がないんじゃないですかね。なんて言うか、登場人物ひとりひとりの事情を考えたら誰も悪くないのに、どんどん悪い方に悪い方に向かっていく話ってよくあるじゃないですか。今度のアウトランダーのモデルチェンジを見てるとそれを思い出すんですよ。」

所長　「まだ悪くなるって決まったワケじゃないじゃろ。新しいのの方がストレートに格好の良さが伝わるデザインじゃと思うし、こっちの方が好みってモンの方が多いんじゃないか。あとになってみれば今回の導入は正解じゃったと思えるかもしれんぞ。」

助手　「そんなモンですかね。」


参考資料
三菱アウトランダー（三菱自動車工業株式会社）
三菱アウトランダー（轟クルマ文化研究所）
三菱アウトランダーPHEV（轟クルマ文化研究所）