轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

三菱 エクリプス クロス

2018-03-09 18:57:06 | MITSUBISHI
助手 「三菱待望の新型車、エクリプスクロスがようやく発売されましたね。」

所長 「じゃな。」

助手 「しかしずい分と久しぶりですよね、三菱の新車って。」

所長 「いつ以来かの。」

助手 「えーっと、前に三菱を取り上げたのが2015年6月に出たアウトランダーですけど、あれってマイナーチェンジでしたし、その前と言ったら2014年2月のekスペースになりますね。」

所長 「あれにしても日産との合弁じゃろ。NMKVとか言ったかの。」

助手 「そうなるとその前は、2013年1月のアウトランダーPHEV、ベースのアウトランダーは2012年の10月発売ですから、5年半ですか。」

所長 「うーん、・・・随分と間隔が空いとるとは思っとったが、そんなになるんか。他のメーカーじゃったら1年間新車が出んかったら心配になるトコじゃけど。」

助手 「販売店からしたら待望どころの騒ぎじゃないですね。」

所長 「まったくじゃな。それにしてもekスペースでさえ、4年も経っとるんじゃな。」

助手 「パジェロ、デリカ、RVR、ミラージュみんなモデルチェンジの時期を迎えてますし、普通だったらこれから新車攻勢ってトコなんでしょうけど、そうも言ってられないんでしょうね。」

所長 「ま、それぞれ開発は進めとるんじゃろうけどな。」

助手 「デリカD:5は年内とか言ってますけどね。で、エクリプスクロスですけど、最近出るクルマってSUVばっかりですよね。」

所長 「ま、SUV全盛の時代じゃからな。じゃが他の流行りでやっとるメーカーと違って、三菱は昔っからずっとやり続けとるワケじゃから、本来なら先頭をきって走っとらんとイカンのじゃがな。」

助手 「言われてみればそうですよね。まわりまわって三菱の時代が来たワケですから。」

所長 「会社の体力さえあれば、これまで溜めに溜めてきた様々な技術を開花させる絶好の機会なんじゃがな。」

助手 「ホント、もったいないですね。」

所長 「まぁ、言うとってもしょうがないんじゃけど。」

助手 「全長が4m40ちょっとですし、C-HRとかヴェゼル、あとCX-3なんかのクラスですけど、どうですか。」

所長 「結構いい線いっとるんじゃないか。」

助手 「なかなかカッコいいですよね。ウェッジシェイプを強くしてクーペフォルムと居住性を両立してるトコとか上手いですよね。」

所長 「ダイナミックシールドじゃったかのぉ、あの顔つきもアウトランダーやRVRと違って、初めっからあの顔ありきでデザインしとるし、似合っとると思うぞ。」

助手 「RVRと言えば、サイズも近いですし、てっきりエクリプスクロスがRVRの後継って位置づけだと思ってたんですけど、RVRはそのままラインナップに残ってるみたいですね。」

所長 「RVRは継続なんじゃないか。2015年の東京モーターショーで発表されたeXコンセプトって言うのがRVRになるとか言っとったんじゃなかったかのぉ。ま、出るかどうかは知らんが。」

助手 「そうでしたっけ。」

所長 「ま、どっちにしろ、ただでさえ売るクルマが少ないんじゃし、慌てて引っ込める必要もないじゃろ。」

助手 「それもそうですね。あと、エクリプスクロスで気になるのが、全幅が1,805mmもあるんですよ。全長からすればコンパクトの部類になるんでしょうけど、このサイズで1.8m超えってどうなんですかね。」

所長 「確かにデカいの。スーパーの駐車場とかじゃったらドアを開けるのに気を使いそうじゃな。」

助手 「5ナンバー枠にこだわるコトはないと思いますけど、せめて1.8mまでに収めて欲しいところですよね。」

所長 「それなんじゃけど、小型車枠がアダになっとる気がするんじゃ。」

助手 「どういうコトですか。」

所長 「つまりじゃな、これまで国内の需要を考えて1.7mに収めようと必死でやってきとったじゃろ。それこそ海外向けと国内向けをつくり分けたりして涙ぐましい努力をしてきとったワケじゃ。」

助手 「ですね。最近だとスイフトなんかそうでしたよね。」

所長 「それがじゃな、小型車枠に収めるのを諦めた途端、一気にデカくなっとるような気がするんじゃ。」

助手 「それはありますよね。1.7mを超えると途端に大雑把になりますよね。1.7mから1.8mまで10㎝もあるのに。」

所長 「ちょっと前まで1,720mmとか、たった2㎝大きくなっただけで、大騒ぎじゃったのにな。」

助手 「言えてますね。」

所長 「小型車枠が今のサイズになったのって、いつか知っとるか。」

助手 「えっ、そう言えば知りませんね。気が付いたら今の規格でしたし。」

所長 「昭和35年じゃ。西暦で言うと1960年じゃな。大方60年も前の規格に縛られとると言うコトじゃ。」

助手 「そんなに変わってないんですか。」

所長 「その頃とはクルマの性能も安全基準も、クルマに求められとる機能もまったく違っとるのに、じゃ。」

助手 「・・・・。」

所長 「そのせいで海外の需要と大きく隔たりが出来てしもたワケじゃ。今でいうガラパゴス化とか言うヤツじゃな。」

助手 「でも日本の狭い国土や道路事情を考えると、海外に合わせて巨大化していくのもどうかと思いますけどね。」

所長 「よくそういう話を聞くんじゃが、アメリカやオーストラリアやロシアなんかのデカい国なんかと比べたら、確かに狭いんじゃけど、ヨーロッパの国なんかとじゃったらそんなに変わらんのじゃないか。道路事情も小型車枠のせいで広い道をつくる妨げになっとるのかもしれんしの。」

助手 「それは、あるかもしれませんね。」

所長 「これが例えば段階的に、そうじゃな20年ごとぐらいで見直しとったら、少なくとも新しい道や駐車場はもっと広げとったかもしれんじゃろ。」

助手 「かもしれませんね。」

所長 「例えば、現行の小型車枠が1.8mとかになっとったら、国内メーカーは簡単に1.8m超えのクルマは出さんかったかもしれんじゃろ。」

助手 「でも、ですよ。昔と違って普通車登録になっても税金も変わりませんし、そこまでして小型車に固執する必要もないんじゃないですか。」

所長 「じゃが未だに小型車枠が取り沙汰されとるのも事実じゃろ。一度ついたイメージってそう簡単に変えられるモンじゃないからの。じゃったらその小型車枠の方を変えるのが理にかなっとるんじゃないのかの。」

助手 「確かに一理ありますね。」

所長 「じゃろ。・・・で、なんの話じゃったかの。」

助手 「えっ、だからエクリプスクロスが1.8mを超えてきたって話ですよ。」

所長 「あっ、そうじゃったの。それじゃ、お前はエクリプスクロスの幅がもっと狭かったら、よう売れると思うか。」

助手 「えっ・・・。そりゃ広いより狭い方がいいんじゃないですか。」

所長 「そうかのぉ。正直日本では多くは望めんじゃろ。それはエクリプスクロスの全幅が広いせいじゃないじゃろ。」

助手 「ですね。三菱のイメージが一番の原因でしょうね。」

所長 「じゃろ。じゃったら別にいいんじゃないか。」

助手 「いや、今所長が小型車枠が1.8mだったら、そこに収めるんじゃないかって言ってたんじゃないですか。」

所長 「エクリプスクロスって名前の意味はなんじゃ。」

助手 「えっ、それは、昔売ってたエクリプスのクロスオーバーってコトでしょ。」

所長 「エクリプスってスポーツカーとかスペシャリティカーの部類のクルマじゃろ。なんで小型車枠に収めんとイカンのじゃ。」

助手 「まぁ、そう言われればそうですけど。」

所長 「ワシに言わせれば、もっと幅があってもよかったと思うんじゃ。」

助手 「いくらなんでもこれ以上はダメでしょ。」

所長 「どうせ売れないんじゃったら、もっと思い切ったコトをしてもよかったんじゃないかのぉ。」

助手 「どうせ売れないって、酷い言い方ですね。先行予約が5,000台もあったそうですよ。」

所長 「5,000台しかなかった、とも言えるじゃろ。ま、端から国内はあんまり期待しとらんじゃろ。メインは海外じゃろうしな。」

助手 「それはそうでしょうけど。」

所長 「で、じゃな。このクルマの元になったのって2013年のコンセプトXR-PHEV、その進化版の2015年のコンセプトXR-PHEV Ⅱってクルマなんじゃけど、これがどっちも実に格好いいんじゃ。」

助手 「三菱のコンセプトカーって、いいのが多いですよね。」

所長 「なかなかそれを市販車に生かされとらんのが残念なんじゃがな。」

助手 「スバルなんかもそうですよね。その点、マツダはコンセプトカーそのまんまで出てきますよね。」

所長 「そうなんじゃ。そういうトコじゃと思うんじゃ。コンセプトXR-PHEV Ⅱの全幅が1,890mmもあるんじゃが、そこまで広げるとグッとスポーティ感が増すじゃろ。あとフォグランプの位置も悪いの。コンセプトカーのバンパーの奇麗さが台無しじゃ。もっと言うとエクリプスクロスの窓枠がせせこましく感じるんじゃが、いっそのコト後部座席のドアははめ殺しにするとか、ポップアップにするとかして、実用性を犠牲にしてでもデザイン性を優先するとかしても良かったんじゃないかのぉ。」

助手 「それはやり過ぎだと思いますけど。」

所長 「圧倒的なデザインって、それまでの企業イメージをも覆すパワーがあると思うんじゃがな。」

助手 「わからなくはないですけど、今の三菱にそれだけの体力があるか疑問ですけどね。」


参考資料
三菱エクリプスクロス(三菱自動車工業株式会社)
三菱RVR(轟クルマ文化研究所)
三菱コンセプトXR-PHEV(三菱自動車工業株式会社)
三菱コンセプトXR-PHEV Ⅱ(三菱自動車工業株式会社)
三菱eXコンセプト(三菱自動車工業株式会社)

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いいでしょうけど。 (元鏡屋)
2018-05-18 21:03:36
一昔前のエアトレックにあったスポーツギアとか、もっと前のギャラン派生のハッチバックみたいな、オーラを感じます。
アウトランダー、RVRとデザインがチクハグな感じも気になりますが。昔の車屋さんっぽいのかなそれも。それぞれの個性と派生があったころの
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Re:いいでしょうけど。 (宇垂)
2018-05-21 20:07:38
元鏡屋さん

>一昔前のエアトレックにあったスポーツギアとか、もっと前のギャラン派生のハッチバックみたいな、オーラを感じます。

・・・あんまりいいオーラじゃなさそうですね。

ボクはエクリプスクロス、結構好きです。
現在の三菱の置かれている状況じゃなければ、ヒットしそうなクルマだと思うんですけどね。
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Unknown (llll)
2018-09-23 04:28:28
7人乗りアウトランダーとパジェロが日本で苦戦している辺り、「SUVの三菱」を標榜しているのがなんだか虚しく感じます。SUVとしての性能では良くても、選択肢から外れる理由が何かしらあるんでしょう。
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Unknown (宇垂)
2018-09-23 13:34:47
llllさん

>7人乗りアウトランダーとパジェロが日本で苦戦している辺り、「SUVの三菱」を標榜しているのがなんだか虚しく感じます。SUVとしての性能では良くても、選択肢から外れる理由が何かしらあるんでしょう。

SUV以外も好調とは言えませんし、やっぱりSUVを推すしかないんでしょうね。
三菱の企業イメージの悪さももちろんあるんでしょうけど、新型車の開発にあまりお金が掛けられない台所事情が見え隠れして、選択肢に残れないような気がします。
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