轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

ダッジ

2007-06-29 18:16:04 | CHRYSLER Group
助手 「ダッジ・ブランドが進出して来ましたね。」

所長 「そうらしいのぉ。」

助手 「ダッジって名前は知ってましたけど、あんまり馴染みはないんですよね。ヴァイパーとか、ラムとかありましたよね。」

所長 「まぁ、そんなとこじゃろうな。昔は日本にも入っとったんじゃが、最近は並行輸入で少数が入っとるだけじゃったからな。」

助手 「どういうブランドなんですか。」

所長 「ま、簡単に言えばGMのシボレーみたいなモンじゃろ。」

助手 「ということはクライスラーのスポーティー部門ということですね。」

所長 「うーん、そういうイメージがあるかもしれんが、ちょっと違うんじゃ。シボレーもダッジもいわゆる庶民向けの量販ブランドなんじゃ。」

助手 「えっ、そうなんですか。でもシボレーってコルベットやカマロなんかをつくってるブランドでしょ。」

所長 「日本にいるとコルベットやカマロのイメージしかないんじゃが、向こうではスポーツカー以外のセダンやSUVなんかの方が中心なんじゃ。ほらっトヨタがスープラやセリカをつくっとるのとおんなじ感じじゃ。」

助手 「スープラもセリカも、もうつくってませんけど。」

所長 「じゃから例えじゃ例え。」

助手 「いや、わかってますよ。冗談です、冗談。」

所長 「ヒトがせっかく説明してやっとるのに、つまらんことを言って話の腰を折るんじゃないわ。じゃから、スープラやセリカしか輸出しとらんかったとしたら、トヨタもスポーツカーメーカーだと勘違いするモンも出てくるじゃろ。それと一緒じゃ。」

助手 「ということは、コルベットやカマロは、シボレーのほんの一部分に過ぎないということですね。」

所長 「そういうことじゃ。ま、向こうの場合、未だにピックアップトラックが一番の稼ぎ頭じゃったりするんじゃけどな。」

助手 「で、そのダッジが日本に進出してきたというわけですね。」

所長 「今まで北米だけのローカル・ブランドで十分やっていけとったんじゃが、知っての通りビッグ・スリーの売れ行きがどんどん落ちてきとるじゃろ。で、輸出に目を向け始めたという訳じゃ。」

助手 「そう言えば、最近のヨーロッパのモーターショーなんかにもアメ車が出てきてますよね。」

所長 「そうじゃろ。それで結構評判がいいそうなんじゃ。で、今度は日本でも展開して、より販売を伸ばそうとしとるという訳じゃ。」

助手 「そういうことですか。でも売れるんですかね。」

所長 「売れんじゃろうな。ベンツ、BMW、ワーゲンなんかは伸びとるんじゃが、輸入車全体のマーケットは縮小傾向なんじゃ。ようするに売れとるのは名前の通った有名ブランドだけといった状況なんじゃ。そこに知名度の低いダッジが参入してきても勝ち目はないじゃろ。」

助手 「やっぱりそうですよね。」

所長 「何を根拠に日本導入を決めたのか知らんがの。まぁクライスラーのPTクルーザーや300Cがそこそこ売れたんで気をよくしとるのかもしれんが、どっちも個性が強いクルマじゃから、あんまり参考にはならんと思うんじゃがな。」

助手 「ラインナップを見る限り、難しそうですね。5ドアハッチのキャリバー、SUVのナイトロ、セダンのアベンジャー、スペシャリティーカーのチャージャーの4車種だそうですね。」

所長 「そうじゃな。ワシじゃったら売れそうなモンに絞り込んで入れるんじゃがな。4台同時に導入する方がインパクトはあるんじゃろうけど、失敗したときのマイナスイメージも大きいじゃろ。レクサスもそうじゃが、風呂敷を広げ過ぎるのはどうかと思うんじゃ。」

助手 「そうかもしれませんね。」

所長 「それに正直言ってどのクルマもあんまり魅力的には見えんしの。ま、個人的にはマスタング対抗馬のチャージャーなんて興味あるんじゃが、買うかというと話は別じゃしな。」

助手 「・・・・。」

所長 「それと訳がわからんのが、記事に出てくるクルマが、どういうわけかみんな赤いのばっかりなんじゃ。」

助手 「それ、ボクも思いました。アルファみたいに、ダッジと言えば赤っていうイメージをつくりたいんでしょうかね。」

所長 「ハイパフォーマンス・モデルなんかはわかるんじゃが、正直似合っとらんじゃろ。マッチョなイメージをつくりたいんなら、黒とかの方が凄みがあっていいと思うんじゃがな。」

助手 「そうですね。あとダイムラー・クライスラーからクライスラー部門が売却されましたよね。確かサーベラスっていう投資会社でしたっけ。この先どうなるんでしょうね。」

所長 「そうらしいな。じゃがサーベラスが買収しても、結局クライスラーが利益を出さんと儲からんし、どっかに売却するにしても価値を高めんと儲からんじゃろ。じゃからダイムラーにしろ、サーベラスにしろ目的はおんなじじゃろ。やり方は変わるじゃろうけど。」

助手 「でもサーベラスってクルマづくりでは素人でしょ。大丈夫なんですか。」

所長 「何もサーベラスがクルマをつくる訳じゃないじゃろ。クルマづくりはクライスラーに任せて、経営面でのテコ入れをするつもりなんじゃろう、その道のプロなんじゃから。もちろん勝算があるから多額の投資をしたんじゃろうしな。」

助手 「ふーん、そうですか。テコ入れの内容が日本撤退じゃなきゃいいんですけどね。」


参考資料
ダッジ(『webCG』 日経デジタルコンテンツ)
クライスラー300C(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所


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