2025年3月。沼津~浜松の静岡ツアーから
戻りましたら、届いて居りました。3月14日発売、
HARAKIRI ZOMBIE 3rd ALBUM 「HARAKIRI HUNTER」!
毎度新作が楽しみなBANDは多々あれど、極上の音楽的刺激を貰えるのと
同時に、その余りの出来栄えに同業者として凹まされる!って畏怖にも似た懸念を覚える
作品はそう多くはございません。
正に毎度そんな作品を情け容赦無く叩きつけて来る急先鋒、マサ一撃率いる沖縄のHARAKIRI ZOMBIE
早くも三作目のアルバムでございます。
鉄カブト時代から、アルバムのOvertureに凝るのはマサ一撃の十八番でございまして。
今回もお見事なオープニング・インスト『夢想剣』に無双されて始まります今作。
本編?1曲目とも言うべき『俺の世界』は、昨年“Tokyo Doom Fest”に招聘された事実を
HARAKIRI ZOMBIE自身で追認するかの如く、正しくDoomなヘヴィ・リフが唸りまくるナンバー。
マサ一撃の特性(詳しくは後述)を抑制し、Doomに振り切ったRockと申せましょう。
続く『どろどろ』も見事なまでにDoomなリフが地を這う様にのたうつ訳でありますが。
前曲に続き圧巻のリフの完成度はそのままに、
加えてコチラは正直、とてもじゃないですが凡百なDoomバンドに書ける様なメロディではございません。
サビ・メロのキャッチーさこそがマサ一撃の持ち味、単に重厚なリフを垂れ流すだけでは
決して満足しない楽曲構成力の圧倒的な高さと、持ち前の音楽教養の成せる技ではないでしょうか?
そうして凸ヤマ的今作のハイライト『アンサー』が襲い掛かって参ります。
凸ヤマに言わせればこの曲こそがマサ一撃の特性爆発の大傑作でございまして、こんなキャッチーでスマートな
ロック・ナンバーはBob Kulickかマサ一撃以外に書ける人は居るまい、とさえ。
次の瞬間には、マサ一撃が交響曲さえ書ける手腕を見せつける
『死後の恋』と言うインタールードが挟まれ、これは前後編・・・レコードで申さば
A面とB面の境でしょうか?
(*訂正! この執筆時点ではデータが無かったのですが、『死後の恋』は新田くんのペンによる
インストである、と3月20付発表のHARAKIRI ZOMBIEインタビューで判明♪ヤルなあ、新田くん(≧∇≦)
コチラも是非お読みくださいね(o^-')b https://www.harakirizombie.com/services-7 )
その後半戦のスタートは『ランナウエイ』(B面1曲目?)。
鉄カブト時代を彷彿とさせるナンバーですが、ここまで良く出来たミドルテンポのハードロック・ナンバーに
圧倒的にキャッチーなサビメロを加え、そのクオリティを更に盛って来るのが正にマサ一撃の“節”と申せましょう。
更にこれもマサ一撃にしか書けない“チャート・アクション”を狙えるメタル・ナンバー、『SOS』。
このサビの構成力にはただただ舌を巻くしかございません。脱帽。
こうして見ますと、ざっとアルバム一枚の中に“シングル・カット”可能な曲が4曲も惜しげもなく放り込まれて居るのであります!
そんなDoom Metalバンドが在って堪りますかいな!
むしろ、今作Overture~1~2曲目の流れは『東京Doom fest』に呼ばれたマサ一撃が
『('~`;)そう云う受け入れ方をされてるなら、そう演ってみせようか?』と愛想を振り撒いた
のではなかろうか?とすら感じる凸ヤマはうがり過ぎでしょうか?(^_^;)
本編ラスト・ナンバーである『月光』は一聴すると他のヒット性の高いナンバーに比べて地味な印象ですが、
ロッカ・バラードの名曲中の名曲。HARAKIRI ZOMBIEが正しく“アリーナ級”バンドであるコトを裏打ちして余りある曲です。
そして非常にHARAKIRI ZOMBIEらしい曲、『片足棺桶』がボーナス・トラックとして収められてます。
この歌詞がなかなかに興味深いと申しましょうか、思い当たるフシが多々あると申しましょうか
共感するところ大でございます。
余談ながら、HARAKIRI ZOMBIEの歌詞世界は、まあZOMBIEだけございまして
聴いていると『夜は墓場で運動会~♪』的なイメージが脳裏に浮かびがちでありますが、実は前作までの主なテーマは
大半が“酒”に埋め尽くされて居りました。流石に色々ございまして、今回はそのテーマはやや後退?
健康第一でございますよね♪
Doom、 Stoner、Sludgeと云うジャンル語彙では語り尽くせないマサ一撃の持つキャッチーさ、多様性、音楽教養の高さを
このHARAKIRI ZOMBIEで発揮する際、NITTA ZOMBIEとHARU ZOMBIEの超強力リズム隊が
実は二人共元来の出自がメタル畑のミュージシャンで無い点が大きく貢献して居る様に思います。
ゴリゴリのメタル専科のボキャブラリーだけでは、とても表現し切れない発展性を内包するマサ一撃の楽曲を
見事に昇華しております二人ですし、逆に多様なテクニックを有するからと言ってメタルやハードロックを
舐めた演奏するミュージシャンですと、このアルバムやHARAKIRI ZOMBIEのライブで感じられる
切れ味鋭いエッジ感や緊張感、ワクワク感が生まれません。
新田くんとハルちゃんの『あくまでメタル&ハードロックにリスペクトを持って軸足を置きつつの多彩なテクと表現力』
あったればこそのHARAKIRIワールドと申せましょう。
いやはや傑作。このアルバムを背負って、7月にはHARAKIRI ZOMBIEが東京を襲います。
(大阪、名古屋公演も在るかに思われますので要チェックですよ!)
昨年5月に続き、今回もCRYとロザリでback-Upしたいと企んでおります♪乞うご期待!
余談も余談の大脱線ですが、
METALフェスに呼ばれない場合は『そりゃそうだよな、さもありなん('~`;)』と思い
プログレフェスに呼ばれない場合も『ふ~ん、そっか、ですよね~( ゚Д゚)』と納得するロザリなのですが、
Doomフェスと聴いてそれに鼻も引っ掛けられなかったのだけは、ナゼか結構悔しかったんですけど・・・
なんでダロ(^_^;)?
そりゃあBLACK SABBATHからハード・ロックには或る程度詳しい自負は在りますものの、
『Doom Metal』って言われたら全く門外漢のド素人なのにね(≧∇≦)
なんか70年代のマニアックなハードロックとかカバーして『俺達がDoomだからぁ』とか言われると
カチン!と来るのナンデだろ(^_^;)?