無明抄

もの言わざるは腹ふくるるわざ・・。かなわぬまでも一市民の発言

忘れた頃にやってきた胸痛

2008-07-16 | 無明抄:こころの一人遊び
一昨日の昼前、職場で机に向かっているときに突然、すっかり忘れていた「例の痛み」がやってきた。間違いなく狭心症の「放散痛」だ。

10数年も前、明け方に寝床の中で、みぞおちの辺りが掴まれるような痛みで目覚めた。胃痛かと思っていると次第に肩懲りのようなツッパリ感、やがて首筋から頬にかけても強張ったような違和感。
いったいどこが痛いのか分からないような感じがしばらく続いておさまった。
さほど気にもかけずにいたが、ある日新聞で狭心症の症状としてまったく同じことが書いてあるのが目に止まった。「どこが痛いのか分からない」ような症状は「放散痛」と言って狭心症の特徴だそうだ。
驚いて職場の診療所に相談すると「発作が出ているときに心電図をとらないと確定できないが、まあ間違いなかろう」と宣告され、ニトロを持ち歩く身となった。
その頃は数ヶ月に1度くらい、「うん?!あれかな?違うかな?」とニトロを使うかどうか迷っているうちに治まってしまう程度のことが、何度かあり、それが決まって明け方だった。
ネットや書物の情報によると、肥満や糖尿病、高血圧といった危険因子とはほとんど無縁の身でもあり、症状からも特に心配のない典型的な異型型、安定型の狭心症だと思っていた。
ところが、数年後のある日、帰宅の電車の中ではっきりとした例の痛みが襲ってきた。初めてニトロを服用し、しばらくして収まったが、夜明け以外の時間帯での発作にちょっと不安になり、再発するようなら専門医に行こうと思っていたが、その後、とんとおいでにならなかった。
もうご縁がなくなったと、すっかり油断し、お守り代わりのニトロペンもとっくに賞味期限切れになっていたが新しく入手もしていなかった。

ところが、今回、突然の来訪である。
皮肉なことに、つい前日に職場の健康診断があり心電図もとったばかり。「今なら発作中だから心電図で捕らえられるのに・・」と残念がりながら5分ほど様子をみたが治まらない。やむなく賞味期限切れのニトロペンを服用したが、前に飲んだ時のように頭がボーとなるような「血管拡張」の感じがない。やはり「気が抜けて」いて余り効かないのだろう。
それでも5分ほどで一旦治まったが、すぐに軽い違和感がぶり返してきたので、こりゃ新しい薬をもらわないとやばいかも・・と診療所に電話。
診療時間が終わった直後であったが診て貰えることになり、さっそく行くと心電図の用意をして待っていてくれた。
ここで心電図をとれると知っていたら直ぐに来ていたのに!
残念ながら診療所に向かう途中で発作はおさまり、案の定心電図では異常がでなかった。

命に関わる薬なのに何年も前の期限切れのを持っててどうする!とお叱りを受けてしまった。

それにしても、こんな風に不意に命が消えることだってあるわけだ。
勿論、事故や天災など、人生一寸先は闇であり、それを思えば一瞬たりともおろそかに生きていられないはずなのだが・・。

無常迅速 生死大事

心しなければなるまい。





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