友人からメールが入り、昨日パレスティナのラファ難民キャンプで起こった悲劇を知る。
イスラエル国境の至近距離に暮らすマーゼン君(15)が殺されたこと、彼と彼の家族の置かれていた状況を知る、
*** 引用 ***** パレスティナ・ナビ
マーゼンの家自体が国境線から50メートルくらいしか離れていない。私が知っている限り、まだ破壊されずに残っている家の中では、彼の家が鉄の壁に一番近い。そして、イスラエル軍のブルドーザーやジープは常にこの周辺にいて、鉄の壁に沿って走り回っていた。彼の裏庭の敷地内で。
マーゼンの家族から聞いた話によると、夜10時半ごろ、マーゼンは家の前に座っていた。家の戸は鉄の壁と反対の方向に向いている。その夜も、イスラエル軍のブルドーザーが近くにいた。みなそれに気づいていたが、ここではブルドーザーが近くにいることは決して珍しくないから、いつも通りの生活を続けていた。外は真っ暗で、ブルドーザーがどこにあるのか、いったい何台あるのか、誰にも分からなかった。でも比較的静かな夜で、誰も特に心配はしていなかった。
マーゼンの母は戸口から顔をのぞかせて、マーゼンに家に入るように言った。「もう遅いし、学校もそろそろ始まるから、身体がまた早起きに慣れるためにも早く休んだ方がいいわよ。」マーゼンは、まだ眠くないよ、と返事した後、「ブルドーザーがいなくなったか見てくる」と言って立ち上がり、家の角から何か見えるか見に行った。すると突然、銃声が鳴った。母親は慌てて外に出て、目でマーゼンの姿を追うと、地面にうつ伏せになっている彼の姿が見えた。銃撃から身を守るために地面に伏せているんだ、と思っていたが、何度呼びかけても反応を示さない。そこで母親は何かが起きたことに気づいた。銃声が続く中、彼女はなんとか家の中にマーゼンを引きずってきた。家の中も真っ暗だったが、マーゼンの首に大きな傷があるのがわかった。誰かが呼んだ救急車は危険すぎて家に近寄ることができず、救急隊員がやっとマーゼンを運び出せたころには、彼が死んでから数時間が経っていた
**** 引用終 *****
ことばもない・・。
本当に、文字通り、そういうしかない。
しかも、今も、どこかで、無数のマーゼン君が・・。
嘘っぱちで歪みきったマスメディア情報から見える世界と、ふと気になって、インターネットや書物から知る世界の、余りに大きな乖離。
幸か不幸か、今やインターネットのおかげで、その気になって自分のアンテナをめぐらせば、簡単に地球の裏からの情報も手に入る。
すると、伝わってくるのは、限りない悲惨、理不尽、怒りと殺戮・・。
知らなければならない、目をつむって無言の「共犯者」になってはいけない・・
知ること、伝えること、声をあげること・・
そう、多分、それが大事・・
・・・
でも・・・、知って何ができるというのだろう
黙り込み、頭の中でののしりと、祈りとをこだまさせ、そして・・忘れる・・。
それ以上に何ができるのだろう、それが何になる?
余りに無力な自分の慰め以外に。
ただうなだれて中島みゆきの唄を繰り返し口ずさむ・・。
この青ざめた海の向こうで 今まさに 誰かが痛んでいる
まだ飛べない雛たちみたいに 僕はこの非力を嘆いている
夢が迎えに来てくれるまで 震えて待ってるだけだった昨日
明日 僕は龍の足元へ崖を登り 呼ぶよ「さあ、行こうぜ」
銀の龍の背に乗って 届けに行こう 命の砂漠へ
銀の龍の背に乗って 運んで行こう 雨雲の渦を
--中島みゆき「銀の龍の背に乗って」
僕には「銀の龍」は見つからない。
イスラエル国境の至近距離に暮らすマーゼン君(15)が殺されたこと、彼と彼の家族の置かれていた状況を知る、
*** 引用 ***** パレスティナ・ナビ
マーゼンの家自体が国境線から50メートルくらいしか離れていない。私が知っている限り、まだ破壊されずに残っている家の中では、彼の家が鉄の壁に一番近い。そして、イスラエル軍のブルドーザーやジープは常にこの周辺にいて、鉄の壁に沿って走り回っていた。彼の裏庭の敷地内で。
マーゼンの家族から聞いた話によると、夜10時半ごろ、マーゼンは家の前に座っていた。家の戸は鉄の壁と反対の方向に向いている。その夜も、イスラエル軍のブルドーザーが近くにいた。みなそれに気づいていたが、ここではブルドーザーが近くにいることは決して珍しくないから、いつも通りの生活を続けていた。外は真っ暗で、ブルドーザーがどこにあるのか、いったい何台あるのか、誰にも分からなかった。でも比較的静かな夜で、誰も特に心配はしていなかった。
マーゼンの母は戸口から顔をのぞかせて、マーゼンに家に入るように言った。「もう遅いし、学校もそろそろ始まるから、身体がまた早起きに慣れるためにも早く休んだ方がいいわよ。」マーゼンは、まだ眠くないよ、と返事した後、「ブルドーザーがいなくなったか見てくる」と言って立ち上がり、家の角から何か見えるか見に行った。すると突然、銃声が鳴った。母親は慌てて外に出て、目でマーゼンの姿を追うと、地面にうつ伏せになっている彼の姿が見えた。銃撃から身を守るために地面に伏せているんだ、と思っていたが、何度呼びかけても反応を示さない。そこで母親は何かが起きたことに気づいた。銃声が続く中、彼女はなんとか家の中にマーゼンを引きずってきた。家の中も真っ暗だったが、マーゼンの首に大きな傷があるのがわかった。誰かが呼んだ救急車は危険すぎて家に近寄ることができず、救急隊員がやっとマーゼンを運び出せたころには、彼が死んでから数時間が経っていた
**** 引用終 *****
ことばもない・・。
本当に、文字通り、そういうしかない。
しかも、今も、どこかで、無数のマーゼン君が・・。
嘘っぱちで歪みきったマスメディア情報から見える世界と、ふと気になって、インターネットや書物から知る世界の、余りに大きな乖離。
幸か不幸か、今やインターネットのおかげで、その気になって自分のアンテナをめぐらせば、簡単に地球の裏からの情報も手に入る。
すると、伝わってくるのは、限りない悲惨、理不尽、怒りと殺戮・・。
知らなければならない、目をつむって無言の「共犯者」になってはいけない・・
知ること、伝えること、声をあげること・・
そう、多分、それが大事・・
・・・
でも・・・、知って何ができるというのだろう
黙り込み、頭の中でののしりと、祈りとをこだまさせ、そして・・忘れる・・。
それ以上に何ができるのだろう、それが何になる?
余りに無力な自分の慰め以外に。
ただうなだれて中島みゆきの唄を繰り返し口ずさむ・・。
この青ざめた海の向こうで 今まさに 誰かが痛んでいる
まだ飛べない雛たちみたいに 僕はこの非力を嘆いている
夢が迎えに来てくれるまで 震えて待ってるだけだった昨日
明日 僕は龍の足元へ崖を登り 呼ぶよ「さあ、行こうぜ」
銀の龍の背に乗って 届けに行こう 命の砂漠へ
銀の龍の背に乗って 運んで行こう 雨雲の渦を
--中島みゆき「銀の龍の背に乗って」
僕には「銀の龍」は見つからない。
海の向こうの人の辛さが分かる。これほど辛いことはないだろう。
でも今、君は軽々しく目の前の「銀の龍」に乗ることもできない。
それは真の銀の龍に姿を借りた別物の何かであることを、君は知っているから。
しかし今は何もできなくても、今からできることならある。
今の気持ちを決して忘れなければよい。
今、非力ならば、これから力をつけていけばよい。
ゆっくりと少しずつ、けれども確実に。
そしていつの日か、大きな声をあげればよい。
君のありったけの力で、銀の龍舞う大空めがけて。
今、銀の龍が見つからないのであれば、
見つかるまで人に呆れられるほど探し続ければいい。
でも見つけようとすることを忘れないことが大切。
私はいつか銀の龍に乗ってみるつもり。
今は無力だけど、今から少しずつできることからやっていくつもり。
「柔らかな皮膚しかない理由は人が人の痛みを聴くためだ」
私にも、君にも、柔らかい皮膚しか与えられていないはず。
勇気はいる。柔らかい皮膚は破けてしまうかもしれない。
それでも忘れてしまうことができないのなら。
忘れたくないのならば。
一緒に頑張っていきませんか。
いつの日か、銀の龍の背に乗るために。
~「銀の龍の背に乗って」のピアノ演奏を聞きながら~
世界が平和になるためにはどうすればいいのかも良くわかりません。
でも、ありったけの想いを全身全霊で歌っています。
どうしていいのかわからないから歌っています。
戦争は無くならないんじゃないかと思います。でも、
だからこそ音楽は、人の心を豊かにする芸術は、平和を祈る人々の心は無くならないと思います。
大海に投じる一滴でもかまわない。僕が変われば世界の六十億分の一は変わる。僕にとって「銀の龍」は
僕自身だから。
貴方はひとりではありません。