無明抄

もの言わざるは腹ふくるるわざ・・。かなわぬまでも一市民の発言

映画「不都合な真実」・・希望はあるか?

2007-02-11 | 蟷螂斧:私的時事論談
映画「不都合な真実」を観る
次々と突きつけられるデータと驚愕する事実、そしてR・ゴアの熱意が伝わる雄弁に引き込まれる。

氷河が後退したとか北極の氷が解け始めているとかいった情報は断片的に見聞きしていても、有無を言わせぬ映像で事実を突きつけられ、温暖化の進行は漠然と考えているより遥かに深刻だと言うことを思い知らされる。
もうとっくに不可逆的な段階に突入しているのではないか。

ただ、結論は、例によって「さあ皆で無駄な電気を消しましょう」のレベルなのにはがっかりする。
狂気のように拡大・膨張を求めてやまない資本主義経済構造を放置したまま、省エネだ心がけだ、では、まるで加速し続けるエスカレータの上でむなしく逆走しているようなものだ。

もっとも、ゴアが強調しているように、巨大な汚染源であるアメリカが、アメリカ人が本気で心を入れ替えれば、解決とまではいかなくとも、それでも無視できない効果を生むだろうが・・、それは期待できそうもない。

ゴアの唱える「希望」にも関わらず、絶望と無力感が先に立つ。
もし、彼が示すデータや科学者の予測が正しいなら、数10年後には劇的破局の地獄を見るしかないのか。


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