文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

フルバッチ。最近の印刷市場を客観的に観察する(12)

2006-10-28 12:40:21 | 組版プロの思考からXMLを考える
(1) SGML関連での医薬品関係とか、海外発表論文の作成現場では、SGML対応のソフト一式を、H社など大手電機の関連会社等を介して購入。指定されたシステム環境を整備して講習を受けて、要望仕様と、その指示書に沿ってのみ、作業をすることで、学会等の仕事の受注が出来るというフローがすでに確立されてきています。
 
(2) 同様に、文芸書版でも、文庫翻制作上で、出版者毎に異なる特殊機能。肝心な部分は、出版者毎に微妙に異なる異体字処理、複合ルビの行末処理、割り注等を対処出来るInDesign対応の環境ソフトを指定の会社から購入し、そしてInDesignで仕事をする。というパターンも今年から本格化しつつあります。
 異体字処理や禁則関連、複合ルビ対応等印刷会社のノウハウ部分が、見事に出版会社側のソフト会社によって解析され、そのソフトを購入して、指示通りの仕事を任せて貰える……。
 と言うことは、急速に取引上の力関係が変化し、受け手の企業規模に関係なく、仕様書通りに部品を生成する自動車会社の下請けレベルにまで落ちこんでしまっているという事実です。
 企業規模が数百人であろうと、家庭の主婦であろうと、InDesignで同じ土俵で仕事をする……という事態になってきています。

(3) 組版・製版の中抜きが話題にされて数年、現状の進展はまさにCTP化の次のステップが、完全自動組版化にあることを示唆しています。
 さらにデータのワンソースマルチメディア化を本格的に展開を始めようと言う発注者側からの、強烈な意思を感じ取れます。

 理学書で言えば、SGML化に取り込まないていない分野として、多くの数式が残っていて、その市場対応として写研が存在する部分があります。
 それは、数式のデザイン的な感覚のところで、写研のシステムの存在で繋がっているとの感覚があります。写研が築いてきた組版技術をどのように解釈するかと言うところで、写研で数式のデザイン的な美しさを愛でてこられた方々が、それをTEXで自己の力で実現しようとして、無理を言いすぎて妖怪呼ばわりされてしまったのではないでしょうか。

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