昨日は仲秋の名月。お天気が気になったが、雲間の名月が楽しめた。ただ、やっぱり月齢14と言うのは引っかかる。そこで今日の夕方、満月の出を撮るために少し早めに職場を抜け出してみかんの丘に向かった。座席にはかねて用意の大きいカメラ。取り回しは小さいほうが良いけれども、どんなシチュエーションになるか分からないのでこちらを選んだ。
竹取庵から8センチと6センチの屈折を運び出したところで、丘の番犬太郎に見つかる。逃がしてはくれない。太郎を相手にしているうちにおばさんも現れた。黄昏時の撮影はあきらめて竹取庵に戻り、屋根の上から昇って来る十六夜を撮る事にした。そう、昨日が仲秋の名月だから今夜の月は十六夜というわけだ。しかし月齢は今夜の午後10時から午前2時ごろまでが15.0。満月と言う事になる。
なぜこんな事になるのか。何度か書いたが、月は二つある焦点の片方に地球を置いた楕円軌道を回っている。その地球が太陽を中心としたほぼ真円の軌道を回っている。この為に地上から見た月の満ち欠けに、暦との誤差が生まれるのだ。言葉では分かりにくいが模型を使うと意外に簡単に理解できる。
ところで、月が楕円軌道を描いているので地球から見ると月は遠くなったり近くなったりする。このところ満月は地球の近くにいる。ちょうど一か月前、「台風一過のスーパームーン」と言うタイトルで書き込みをしたが、この時の月が今年一番近かった。今夜の月はこれよりもおよそ6000キロ遠い36万キロだ。それでも平均距離は38万キロだと言うから今夜もスーパームーンには違いない。
そう思って丘の月を撮った後、8センチ屈折を持ち帰って家で撮って見た。比較するものが無いからスーパーだかノーマルだか分からないが、これが今夜の満月。暦の上の十六夜だ。満月と言いながら右側が少し欠けているのを許してあげて欲しい。本当に欠けていない満月。僕が「正満月」と名付けた月は月食の前後にしか現れない。