宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

天空の亜鈴・M27

2010年10月14日 01時45分38秒 | 宇宙

アルビレオのすぐ隣に、こぎつね座と言う小さな星座がある。M27があるのはその星座の真ん中あたりだ。去年の3月、一度撮影を試みながら飛行機に阻まれてやる気を削がれ、その後筒先を向けなかった。しかし、今はその時より機材が向上している。はくちょうのくちばしを撮影した帰りの駄賃と言うとこの星雲に悪いが、一度きちんととっておきたかった天体でもある。
アルビレオを基点に20センチをこぎつね座に振る。一眼レフのファインダーでもこの星雲は淡い光の塊として見えた。これなら感度をそれほど上げなくても撮れる。カメラの感度を2000にセット。露出を3分、4分、5分、7分と変えてみた。そして撮影された画像を処理して重ね合わせたのがこれ。
肉眼で見ると、空に浮いた鉄亜鈴のように見えるため、「あれい星雲」という名前が付けられている。太陽のような星が一生を終えてガスを放出した「惑星状星雲」だ。その例として世界で初めて認定された星雲でもある。ガスが広がる速度から逆算して、爆発したのは3000年か4000年前。縄文人はその輝きを見たことになる。うらやましい。ふとそう思った。

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高圧縮の球状星団

2010年09月03日 00時03分44秒 | 宇宙

有名な秋の星座のひとつに天馬ペガサスがある。背中に羽を持つこの馬は、ペルセウスに首を落とされたメデューサの切り口から、流れる血と共に生まれてきたとされている。そのくせ父親は海の神ポセイドンだと言うから、俗人の僕には理解できない生い立ちだ。
それはともかく、この天馬の鼻先に、小さな双眼鏡でも見えるほどの星の塊がある。メシエカタログ15番。数ある球状星団の中で、星の密度が最も高いとされている。それだけに、20センチ程度の望遠鏡で中心部の構造まで写し取るのは至難の業だ。以前何も考えずに狙って内部が真っ白になってしまった事がある。
今度こそは捉えたい。少し手荒いが、いつも通り露出の違う画像を重ねようと言うのだ。まず、カメラ感度を2500にセットして、8分、5分と2枚撮影する。続いて感度を1000に落として3分、2分と2枚撮影。これを重ね合わせたのがこの画像だ。これでもまだ、中心部が白く飛んでいる。撮影にはやはり口径が必要なのだろう。
解像度が自慢のハッブル宇宙望遠鏡が、この星団の中に惑星状星雲を発見した。当然だと思う。球状星団の星はみんな古い。だからその中には星の残骸があると考えるのが普通だ。球状星団の星すべてが惑星状星雲になったところを想像してみた。不気味だ。

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もう片方の羽衣

2010年09月02日 00時11分18秒 | 宇宙

はくちょうのいる空には、前にも話したとおり天女の忘れた羽衣が浮かんでいる。この羽衣は2枚あって、その1枚は前に撮影した。今晩撮るのはもう1枚、はくちょうの羽により近いほうだ。
天女の羽衣。本当は網状星雲と呼ばれる超新星爆発の残骸で、NGC6960、NGC6992などと言う無粋な名前が振られている。今から7万年前、この場所で一つの星が生涯を終えた。星はその大きさによって最後が違う。太陽くらいの大きさの普通の星は寿命が長く、終焉も比較的穏やかだ。しかし質量が10倍もあるとそうは行かない。中の構造自体が違ってくる。その星たちはほとんど寿命が短く、最後は宇宙空間を揺るがす大爆発で幕を閉じる。それが超新星爆発、スーパーノバだ。飛び散ったガスは大きく広がり、やがて薄れて見えなくなる。羽衣はこの超新星爆発で広がったガスが、今まさに消えようとしているところなのだ。
そして、この超新星爆発だけが、宇宙の中で唯一鉄より重い元素を作ることが出来る。ビッグバンによる宇宙かいびゃく以来、こうした爆発が繰り返されてきたからこそ、僕らは数々の合金を使い、金や銀の装飾品を持つことが出来る。

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再挑戦

2010年08月11日 00時52分45秒 | 宇宙

次の週、仕事の合間を見てみかんの丘に上がった。竹取庵の掃除と望遠鏡の光軸合わせのためだ。1時間ほどでその調整は終わったが、軸が合えば星を撮りたくなる。今の時期、昼間雲が多くても夜になるとその雲が消えることが多い。上昇気流が無くなるためだ。案の定午後9時を回ると星が美しい。
何を撮ろうと考えたが、明日は仕事、長居は出来ない。狙うなら前回のリベンジ、はくちょう座の網状星雲、天女の羽衣だ。筒先を向けてピントを合わせ、露光に入る。カメラ感度は3200。露出は6分2回、4分1回、3分1回。なぜか赤道儀の調子が悪くてガイド星が踊る。長い露出は出来なかった。
しかしその結果はご覧の通り。小さいカメラに比べて確かにノイズが少なく切れが良い。値段の差かな。ちょっと嬉しくなる。もちろん小さいカメラも大切なパートナー。得意技はみんな同じではない。
時間が遅くなって、対となる片割れの羽衣が撮れないのが心残りとなった。

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オメガ??

2010年07月21日 00時07分25秒 | 宇宙

三裂星雲から天の川を遡って、南斗六星のひしゃくの柄のもう少し上流に、さらに意味不明な名前の星雲がある。M17、オメガ星雲。オメガって「Ω」それとも「ω」 (^ω^;)ドコガ?

名前の由来はアメリカの天文学者で彗星探索でも知られるスイフトが、Ωの文字に似たスケッチを残したからだとされている。ただ、彼自身がオメガ星雲と命名したわけではない。この星雲は見方によっていろんな風に見えるのか、他にも「スワン星雲」「馬蹄星雲」「ロブスター星雲」などの呼び名が有る。
この中では「ロブスター星雲」というのが一番近いように思えるが、形のはっきりとした明るいところは、僕には芋虫のように見える。一言で言えば気持ち悪い。
それはさて置き、この星雲の中からは強い電波が出ている。最近になってそこに降着円盤が見つかった。降着円盤とは、重い星の最後の姿、ブラックホールや中性子星の周りに出来る円盤のことだ。
この星雲は、一方で星の卵をたくさん抱えている。星の生と死は実に隣り合わせだ。

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星空にただようダイコンの花

2010年07月20日 01時46分07秒 | 宇宙

梅雨入り前に撮影した干潟星雲から望遠鏡を少し北に振ると、天の川の星たちの間にごく淡い光が見える。M20。地球から5000光年ほど離れた散光星雲で、一般的には「三裂星雲」と呼ばれている。



しかし、僕はどんなふうに3つに割れているのか分からない。南側のピンクの星雲は4つに分かれているようにしか見えない。この4つのかけらを花びらに見立てれば、花びら4枚の十字架植物、ダイコンの花だ。冬の銀河に咲く花が艶やかなバラならば、夏の銀河に漂うのは楚々としたダイコンの花。
ただ、それにしても、この画像はシャープさに欠ける。それだけではない。星も少し流れている。実は撮影直後に気付いたのだが、被写体の前に細長い小さな雲がいた。え、こいつずっといたのか。撮影している間、はくちょう座方向の天の川をぼーっと眺めていて全然気付かなかった。小さなモニターを見るとちゃんと写っていたのでそのままにしたが、帰ってパソコンで見るとずいぶん滲んでいた。無理やり画像処理して出したのがこれだ。まあいいか。次への宿題、いや、楽しみに取っておこう。

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さそりの勲章

2010年07月19日 02時38分42秒 | 宇宙

さそりが女神たちの命を受け、狩人オリオンを始末した事は以前話した。その功有ってさそりは天に上げられ星座となっているが、女神たちはよほど嬉しかったと見え、星座にしただけでなく勲章まで与えている。M4。さそりの心臓とも言われるアンタレスのすぐ近くにあって、肉眼でも見ることが出来る球状星団がそれだ。
発見は1746年。発見者はスイス出身の天文学者だと言われる。もともと肉眼で見えるものを発見もなにも無いと思うが、先に言ったほうの勝ち。
直径は70光年ほどで、球状星団といいながら星の集まりが均一で無い。望遠鏡で星の数を一つ一つ数えた根気のいい天文学者ウイリアム・ハーシェルが、この星団には「尾根」が有る、と言っている。確かに僕の撮った画像にも、左上から右下に掛けて明るい星の連なりが見える。それ自体に学術的な価値は無いと思うが、この球状星団の星は非常に古い。中には宇宙開闢(かいびゃく)に近い130億歳の星も有る。しかもほとんどすべてが黄色っぽい。女神たちがさそりに贈ったのは純金の勲章だったようだ。






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銀の川の干潟②

2010年06月11日 00時08分30秒 | 宇宙

竹取庵の屋根を開け、口径20センチの反射望遠鏡に大きいほうのカメラを取り付ける。近場の3等星でピントを合わせ、筒先を星雲に向けた。カメラ感度3200、露出7分。ガイドをコンピューターに任せて居眠りしながら写し取ったのがこれ。
淡いピンクのガスのあちこちに見える虫食いのような黒い穴は「グロビュール」と呼ばれる星の卵だ。この先端で、今まさに星が生まれつつある。

この1枚を撮ったところで時刻は午前1時を回ってしまった。もう帰ろう。と言うわけで、この画像は重ね合わせ無し。キメが粗いのはその為だが、入梅前の記念の1枚というところだろうか。

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球状星団M13の過去

2010年05月06日 00時34分13秒 | 宇宙

翌日も何となく晴れていた。仕事を終えた夕方、カメラを持って丘に上がる。カメラの感度は前の夜月の出を撮影したままの1000だった。そう言えばこの感度で星を撮影したことが無い。感度を落とせばノイズが少なくなるのは分かっているのだが…
おばさんと少し話をした後、竹取庵に入って屋根を開いた。比較のために、以前撮影したヘルクレス座の球状星団M13をねらってみた。前回のカメラ感度は3000。また、今回は光害カットフィルターも組み込んでいる。そこで露出4分で試してみた。重ね合わせ無しの1枚。それがこれ。確かに去年6月の写真よりも細かなところまで写っている。もちろん、大口径の画像と比べるべくも無いが。
球状星団は銀河の周囲にほぼ均一に散りばめられていると言う。それを利用して、天の川銀河の中の太陽系の位置が導き出されたのは1930年代の事だった。星団を形作る星たちは総じて古く、しかもでかい。その生い立ちには様々な説があるが、このM13のように直径100光年にも及ぶものは、大昔所属する親銀河に吸収された小さな銀河系の成れの果てだとも言われる。そこではあの子持ち銀河に見られるような壮絶な光景が繰り広げられていたのだろうか。

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略奪

2010年05月02日 12時55分05秒 | 宇宙

宇宙は広いはずなのに、そこに浮かぶ銀河同士の衝突はそこらじゅうで起こっている。

北天を巡るおおぐま座の尻尾の南。うしかい座との間に挟まれて、りょうけん座という小さな星座が有る。うっかり見落としそうなこの星座を有名にしているのが、M51「子持ち星雲」だ。大きな渦巻き銀河と小さな楕円銀河が、まるで親子のように手を繋いでいるかに見えることからそう呼ばれる。しかし現実はそんなほのぼのとしたものではない。これはまさに、二つの銀河が衝突している最中の光景なのだ。
大きいほうの銀河がその強大な重力で、小さいほうの銀河の持つ星や星間ガスを容赦なく奪い取っている。小さな銀河は持ち物を奪われるだけではない。重力のひずみが内部の星間ガスに働きかけ、爆発的に星を生み出す。銀河はその形さえ崩れ、やがて消えて無くなる。
ゴールデンウィークに入って初めての晴天、大きな月が昇るまでの時間を狙って20センチの反射を向けてみた。焦点距離はほぼ倍に伸ばして1500ミリ。光害カットのフィルターを付け、カメラの感度5000。露出は5分と8分、それに10分。そうして撮った5枚の画像を重ね合わせた。もっと淡い部分を写し出そうとしたが、これ以上の露出は春がすみに阻まれて無理だった。

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おおいぬのペンダント

2010年02月22日 20時38分08秒 | 宇宙

南天を撮影した画像を眺めていて思いついた。そうだ。M41を撮ろう。
M41はシリウスの右下に見える散開星団で、月明かりさえなければ肉眼でもはっきり分かる。うっすらと掛かるもや。それに加えてこの月明かり。どこまで写しだせるか分からないが、余り露出をを掛けないに限る。カメラの感度を1600に落とし、シャッタースピードは90秒に抑えた。その設定で3枚撮影し、さらに60秒の露出画像を1枚加えて重ね合わせたものがこれだ。

星座絵では、M41は後足で立ち上がったおおいぬの胸の辺りに来る。古代ギリシャで猟犬にそんなものを付けたのかどうか知らないが、この散開星団は言わば忠実な猟犬の胸に輝くペンダントだ。

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宇宙のアクシデント

2010年02月07日 23時31分42秒 | 宇宙

冬型の気圧配置が緩む気配は無い。しかし、せっかく月の出が遅くなった週末、竹取庵一階居間の煉瓦積みをひと段落させて二階の観測床に上がった。
屋根を開けると肌を刺す強風。いつもの20センチ反射望遠鏡から鏡の収差を打ち消すレンズをはずして、焦点距離を伸ばすレンズと取り替えた。天体が少し大きく写るはずだ。
カメラを取り付けて筒先を北に向ける。北斗の柄を尾に持つおおぐまが昇り始めていた。その首元に双眼鏡でも見える二つの銀河がある。葉巻銀河とも呼ばれる左側のM82は、渦巻銀河を真横から見たものだが、よく見ると複雑な形と色をしている。右側の大きな渦巻き星雲M81が接近したときに重力によって形が崩れ、新しい星が爆発的に生まれているのだそうだ。加害者のM81は澄ました顔で通り過ぎている。これは一種の人身事故。広いはずの宇宙でもこうしたアクシデントはよく起こる。
それはさて置き、収差を打ち消すためのレンズをはずすとこれほど周辺の星が細長く変形するのか。これでは使えない。それにいつも思うがこの望遠鏡は星が大きく写り過ぎる。改造しなければ。宇宙(そら)を撮影するのも簡単ではない。

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オリオンの剣

2010年01月30日 02時02分24秒 | 宇宙

星の写真を撮るのに月明かりは邪魔だ。だから望遠鏡にカメラが載せられるのはひと月のうち半分ちょっと。しかもその間に雨が降ったり強い風が吹いたり、条件が揃っていても仕事が忙しかったりすると、撮影はお預けとなる。
中天に掛かる十四夜を眺めながら、ため息をついて会社を出た。今夜は風が無い。透明度もいい。それなのに眩しく輝く丸い月。
こんな夜は撮り貯めた写真の画像処理をする。パソコンのフォルダーにあるオリオン星雲。半月前に撮ったものだ。そのひと月前に撮った物と合わせると露出の違う写真が5枚揃う。これを使ってこの大星雲の姿を浮かび上がらせよう。そう決めた。
悪戦苦闘の7時間。その結果がこれ。先に紹介したNGC1981と大星雲M42、それにその下に輝く2等星ハチサは、肉眼で見ると小さな三つの星の並びに見える。堂々たる大三ツ星に対して小三ツ星の名が付けられている。星座絵ではこの小三ツ星は狩人オリオンの腰にぶら下がる剣だ。その剣の正体は、生まれたての星に照らされて光を放つ星間ガスなのだ。

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魔法の国入り口

2010年01月21日 00時24分39秒 | 宇宙

オリオンの大星雲と言われるのはM42。その鳥が羽を広げたような見事な姿に目を奪われて、つい見過ごしてしまいそうな天体がいる。NGC1973、大星雲のすぐ北側にひっそりとたたずむ散光星雲だ。シャッターを少し長く開いていると、そこに不思議な模様が浮かび上がってくる。
卵形に青い光を放つガスの真ん中で真横に伸びる暗黒帯。僕にはこれが宇宙空間がほころびて魔法の国の入り口が開いているように見える。その上に重なる散開星団NGC1981は、まるでその口から飛び出してくる妖精たちだ。
オリオン座周辺のガス雲では、新しい星が次々に生まれている。生まれて間もない星たちは高い温度で青白く輝く。その光とほとばしる粒子はガスのベールを払い,さらにお互いを押しのけあう。そうして星たちは広がって行くのだ。
ガス雲は星を作る工場。本当に魔法の国なのかもしれない。人類がその国を旅する時が来るのだろうか。

口径200ミリF4反射、Canon5DMarkⅡ感度3200、LPS-P2フィルター、露出610秒2枚コンポジット

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不思議の領域

2010年01月18日 12時35分25秒 | 宇宙

実は、クリスマスの前にぜひ撮影したい場所があった。
オリオンと二匹の猟犬が形作る冬の大三角。そこに頭を突っ込んでいるのが空想上の生き物一角獣だ。その角の周りには、背景の天の川を隠して黒く広がる暗黒ガスの帯がある。フィルターを掛けて長い時間露出するとぼんやりと赤く写るその水素ガスの領域に、一箇所青いガスをまとったきらめく星達がいる。それがNGC2264、クリスマスツリー星団だ。
厳しい季節風が一段落した先週の土曜日、雲だらけの夕空にどうしようかと悩んだ挙句、夜になって重い腰を上げた。しかし丘に上がってみると一面の星空。ああ、来て良かった。
カメラを20センチの望遠鏡に取り付けて屋根を開ける。頭の上を冬の天の川が流れていた。風は無い。望遠鏡を星団に向け、中心の輝星を頼りに自動追尾に入る。
10分の露出で3枚、5分の露出で1枚。それを重ね合わせたのがこの写真だ。
青いガス雲をツリーに、一番大きい星をトップスターに見立てると、そこにはキャンドルに赤く染まった雪原に立つ一本のクリスマスツリーが見えてくる。画像下のほうに黒く入り込んでいるのはコーン星雲だ。
天の川に流した絵の具。ここは冬の夜空の不思議領域だ。

2010.02.15 より大きな画像に差し替えしました。

ビクセンD:200mmF:800mm反射 LPS-P2フィルター Canon5DMarkⅡ感度3200 露出各600S、300S

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