宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

神秘的な夕日

2010年01月15日 21時53分15秒 | 宇宙

正月休みにひいた風邪を引っ張って10日が過ぎた。竹取庵が気になりながらも、厳しい季節風の中でなかなか足がそちらに向かない。そうこうするうちに1月も半ばを過ぎてしまった。今日は夕方部分日食があると言う。
朝外に出てみると抜けるような青空が広がっていた。見せてあげるよ。空がそう微笑んでいる。だが、欠け始めは午後4時46分。もちろん仕事中だ。しかも忙しい時間帯。かなり迷ったあげく、やっぱり小型の望遠鏡とカメラを持って車に乗った。
夕刻が迫るにつれて上海の苦い思い出がよみがえる。晴れてくれるだろうか。窓の外の空がどうしても気になる。
午後4時半、会社の屋上に上がると千切れ雲が太陽の周りに群がっていた。風はそれほど無い。カメラを構えて待つうちにその雲が次第に散ってゆく。それとともに太陽が右下からゆっくりと欠け始めた。
うっすらと掛かる靄の中を、赤く染まりながら沈み行く欠けた太陽。初めて見る光景だった。一緒にいた仕事仲間が、一言、やっぱり神秘だ。そうつぶやいた。

口径60mmf400屈折(トミー・ファミスコ60) カメラ感度:50 シャッター速度1/2500(Canon5DmarkⅡ)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

燃え盛る炎と馬の頭

2009年12月22日 20時55分28秒 | 宇宙

いくら待っても風は止まない。諦めて帰ろうと荷物をまとめて外に出た。しかし、外は降るような星空。しばらく悩んだが、ここで帰っては後できっと後悔する。思い直して竹取庵に戻り、望遠鏡にカメラを取り付けて屋根を開けた。
確かに風は幾分収まっていた。しかし、時折たたき付ける突風に、モニターに写るガイド星が、まるでバネで吊ったボールのように震える。カメラ感度5000で12分露出した初めの2枚は見るも無残。星の像が広がって何が写っているのかさえ定かではない。そこで、屋根を望遠鏡に触れるぎりぎりまで閉め、露出を半分の6分としてもう2回シャッターを開いた。その2枚を重ね合わせたのがこれ。
画像の中心で炎を噴いているのがNGC2024。本当にFlame Nebula=炎星雲の名を持っている。また三ツ星の一つアルニタクの脇でシルエットになっているのが、有名な馬頭星雲IC434だ。この二つの星雲の淡い光のあちこちで、星が生まれようとしていた。そう言えばオリオンの大星雲も生まれたての星の光で光っている。

そう、厳しい寒さの中、冴え渡る冬星座は恒星誕生というホットなドラマの舞台でもある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宝石箱に浮かぶ薔薇

2009年12月14日 12時20分35秒 | 宇宙

昨日は朝からべた曇だった。しかしどうせ作業に行くのだし、たいした荷物でもない。そう思って持って出掛けた大きい方のカメラ。
竹取庵に到着したのは午後も3時を回っていた。出迎えたみかんの丘の番犬、太郎と話をしてからレンガ貼りに掛かる。ほぼ6時間の作業で貼れたレンガはわずか26個。何でこんなに手が遅いのだろう。そう思いながら後片付けをして外に出ると西の空の雲が切れ掛かっていた。
もしやと思って二階の観測床に上がり、カメラとフィルターをセットして屋根を開ける。その間に雲はすべて東に去り、満天の星が僕を迎えてくれた。
以前から晴れていたら撮影したいものがあった。NGC2237、通称「薔薇星雲」。冬の天の川の真ん中にあって、きらびやかな散開星団と重なる赤くぼんやりとした散光星雲だ。それはまさに、宝石箱に咲く1輪の薔薇の花だ。
目で見てもそれがどこにあるのか分からない。近くの輝星ベテルギウスを基準に、導入はコンピューター任せ。僕はカチカチという赤道儀の修正音を聞きながら、すぐそばに広げたやぐら炬燵にもぐった。寝転がって見上げると素晴らしい星空が覆いかぶさってくる。目の脇を大きな流れ星がひとつ流れた。そうだ。今日はふたご座流星群の極大日だ。夢のような時が流れていった。

(カメラの感度は4000、光害カットのLPS-P2フィルターに赤色強調フィルターを組み合わせて15分ずつの露出6回。このうちの3枚を重ね合わせました。ガイド鏡のロックが甘かったのか、星が少し流れました。)

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リベンジ

2009年11月26日 22時27分46秒 | 宇宙

秋の星座アンドロメダの腰の両側には二つの銀河がある。ひとつはM31、あのアンドロメダ星雲。そしてもうひとつがさんかく座という小さな星座のM33だ。この星雲は以前別のカメラで狙いながら、ピントの甘さからあきらめた事がある。今回はリベンジ。新しいカメラ5DmarkⅡのライブビュー機能に期待しての再チャレンジだった。
結果はまずまず。もっと露出をかけて細部まで出したかったが、月明かりの中では感度3200で3分も露出すると画面が真っ白になってしまう。

地球から300万光年のかなた。230万光年と少し近くにあるアンドロメダ星雲に比べて真ん中の星の固まりが小さい。腕の数も少なく、ひょろひょろとまるで手長蛸のようだ。その腕のあちこちに、吸盤のようにちりばめられた散光星雲は、口径20センチではよく見えない。
かぐや姫で撮影するとどうなるんだろう。来年こそは姫の玉座を作ろう。

2分から3分の露出で7枚撮り、重ね合わせて画像処理しました。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペルセウスの双子

2009年09月21日 00時41分58秒 | 宇宙

北極星を示す星座として名高いカシオペアと、夏の流星群で知られる星座ペルセウスの間に、肉眼でもはっきりと見える星の固まりがある。ペルセウス座の二重星団。星仲間の間では「エイチ・カイ」とも呼ばれるが、僕はこの呼び方は好きじゃない。
美貌を吹聴したために神の怒りを買い、海岸の岩場に繋がれたアンドロメダ姫。このエチオピアの王女を救ったのがペルセウスだ。ペルセウスはその功でアンドロメダを妻に娶る。ギリシャ神話に記載は無いが、二重星団は二人の間に生まれた双子だと僕は思う。カシオペアはアンドロメダの母親だ。ペルセウスはきっと、生まれたばかりの双子をカシオペアに見せに行く途中なのだ。ペルセウスの後ろには妻アンドロメダが寄り添っている。
その証拠にこの二重星団を造る星達はみんな若い。青みを帯びた星の色が分かるだろうか。

写真は20センチニュートン反射、カメラ感度3200(キャノン5DmarkⅡ)、露出3分

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めての被写体はドーナツ

2009年02月18日 00時04分57秒 | 宇宙

梅雨が明け、もやーっとした空が少しすっきりした頃、ようやく撮影のチャンスが訪れた。
夜屋根を開ける。頭の上をゆっくりと星空が広がってゆく。建物の外に出れば同じ空が見えるはずだが、観測デッキに居て屋根を開くと、まるで舞台の幕が上がるようなそんなワクワクがある。
街明かりから遠い東の空の、かなりの高みにこと座が見える。そうだ。最初のショットはドーナツ星雲にしよう。望遠鏡を向けてカメラのスイッチを入れる。ISO感度800、露出3分。続けて何枚か撮る。
メシエカタログ57番(M57)。「ドーナツ」のニックネームをもらったこの星雲は、歳取った星が最後に放ったガスの殻。ただ、焦点距離が短すぎて細かなところまで見えない。それに少し画像がおかしいような…
そうか、光軸がずれているのだ。あー、気付かなかった。調整しなければ。と、そうこうしているうちに月が昇ってしまった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする