2005年に行われた米議会では、NASAが140㍍を超える地球近くの天体の90㌫を追跡することを試みるべきであると命じた。そのサイズが地球に落ちると、国単位または全世界にとって大きな破滅をもたらしてしまうのが予測されるからだが、NASAはまだその1/3の数しか見つけられていない。
ハワイに置かれた観測装置「パンスターズ」は、天空で動く物体を自動的に捕捉する。これが2012年10月4日に、「2012 TC4」と名付けられた小惑星を地球の半径の15倍の距離で発見した。それは地球の重力によって軌道が変わり、2017年には地球の半径2個分の位置と、45個分の位置のどこかを通過する可能性があることを、示唆した。その後、モデリングによるデモンストレーションでは、地球に衝突しないことが判明。直径20mより小さいこの隕石は、地球にとって脅威にはならなかった。ちなみに2013年にロシアの都市チェリャビンスク上空に火の玉を引き起こした隕石よりも小さいものだった。とはいえまだ、地球近くを飛ぶ小惑星群の中には、アリゾナ大学月面惑星研究所のヴィシュヌ・レディー准教授等の天文学者たちが地球にぶつかるかもしれない、と仮定できるほどの天体が、数多く存在するのである。
パンスターズ は、4台の望遠鏡で継続的に全天をサーベイ観測し移動天体や突発天体を検出する計画である。時間間隔をあけて撮影した画像を比較することにより、地球に衝突する可能性のある地球近傍天体を発見することができる。この計画では、望遠鏡の設置場所であるハワイから観測できる空全域(全天の約3/4に相当)にある、24等級までの天体のデータベースが作成される予定である。
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