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タイガーのFun-Loving Way of Life

☆ささやかな歓びを♪素晴らしい仲間と♪素敵な毎日を♪Fun is Good☆

天地人を読み終えて:繋げる読書の喜び~知とイマジネーション

2009年05月25日 | 読書
NHK大河ドラマの原作は、大抵はドラマ開始前に読み終えて、イマジネーション
膨らんだ後にTVを楽しんでいます。今年は、読書が間に合わず、漸く週末に
読み終えました。火坂雅史さんの小説は初めて読みましたが、大衆娯楽小説の
楽しさに溢れた大変読みやすい物語でした。直江兼続を現代に蘇らして、かつ
戦国時代から江戸初期に亘る越後の侍たちの生き様、それを取り巻く多くの
魅力的な人物像と素敵な女性達の触れ合い。謙信、信長、秀吉、家康、石田光成、
真田幸村、伊達政宗、利休など多彩な人物像が兼継の周囲で生き生きと描かれ
ています。利休の娘、お涼との儚い恋も。
 楽しい小説でしたから、是非、読んで欲しいと思います。
そして、火坂さんが書いた伊達政宗の小説「臥竜の天」も絶対に読みたくなり
ました。独眼流政宗は、未だどんな人物だったかイメージが出来ていません。
かって大河ドラマで渡辺謙が政宗を演じていましたが、その大河は何故か
見ていません。どうしたのでしょうか(笑)。
 そして、大好きな時代小説の大家、藤沢周平さんも直江兼続を主人公にした
「密謀」を書いているので、是非、これも読みたいと思っています。
同じ歴史上のヒーローを違う作家がどう描いたかを比べてみるのは、以前から
やっていて、大変に夢やイマジネーションが膨らみますよ。是非、試してみて
ください。

話題のミステリー「告白」を読みました。

2009年05月06日 | 読書
伊香保から帰ってきて、昨日、今日と読書、DVD鑑賞でのんびり過ごしています。
昨夜は、スパゲティ・ア・ラ・タイガーのシーフード・きのこたっぷり編を
作って美味しくディナー。
 今日は、話題となっているミステリー「告白」を読み終えました。後半、どう
なるかとぐいぐい読ませてくれました。家庭の主婦をやっている湊かなえさんと
いう方のデビュー作品ですが、よく書けていました。
 学校と家庭の問題を下敷きにして、現代の世相を背景とした恐ろしい事件を
描いています。最近、自分が死にたいがために、死刑になりたいがために
他の方たちを平気で殺すという人間性のかけらもない事件が発生していますが、
そんな世相も感じさせる力作でした。宮部みゆきさんや高村薫さんの現代
ミステリーにも通じる作品だと思いました。

母親と子供との関係、先生と生徒との関係も考えさせられるところがありました。
湊さんご自身が、学校の先生でかつ親であることが強く反映しているかもしれ
ないと思いました。
読書好きの方にはお勧めです。映画化は難しい作品ですね。 

世界最長のファンタジー小説・グインサーガがアニメになっています♪

2009年04月30日 | 読書
栗本薫さんのファンタジー小説「グイン・サーガ」は既に100巻を大きく
超えています。100巻を目指すと言っていた栗本さんの世界は、恐らくご本人も
分からない長編となっています。読めば分かりますが、どんどん話が作家の手
を離れて歩き続けているようです。
 そのグイン・サーガがとうとうアニメ化されてNHK衛星で放映されています。
グイン・サーガの最初の冒険譚をなぞっていくようです。アニメはちょっと
少女マンガ的、宝塚的です。既に100巻以上を読み、自分で想像の世界を構築
していますから、そのイメージとは合いませんが、それでも懐かしいストーリー
を再現してくれています。リンダやレムスも確かに、まだ子供っぽい。

 私が、アニメ化するとすれば、白戸三平さんの絵でやって欲しいと思って
います。荒々しさの中に繊細さを加えてくれれば最高。
 でも実写版がやはり見たいね。
イショトバーン役は、デカプリオに決めてます(笑)。絶世の美男子・ナリス
は誰でしょうか。Gacktなどいかがでしょう。グインはシュワちゃんを豹頭に。
リギヤはアンジェリーナ・ジョリーです。リンダは、日本の美少女を!(笑)
 好きな小説は、自らの想像の中で映像化も出来ますから、それ自体、
楽しいことです。グインサーガは日曜深夜に放送されています。

森村誠一さんの「忠臣蔵」:元禄時代の世相・人間を見事に描写

2009年04月23日 | 読書
森村誠一さんといえば、ミステリーの大家。人間の証明は、映画化もされて
一世を風靡したね。
 その森村さんが時代小説も書いていたことを、知って大作の「忠臣蔵」を
読んでみました。良く書けていました。元禄時代というものをしっかり描いて、
その時代の中で主君の仇討ちを行う浅野家の家臣たち、逆に敵役の吉良を
守る武士達の人間模様をしっかりと書き上げていて、素晴らしい小説でした。
 綱吉の悪政、生類哀れみの令に振り回される庶民や武士達。権力者・柳沢
吉保の生き様・・彼の住まい・六義園の枝垂桜を今年、見に行きました。
死を前提とした武士道の鮮烈さと悲哀。などなど。
 時代小説ファンでない方にも読んで欲しい小説だと思いました。
忠臣蔵といえば、中学時代、大佛次郎さんの「赤穂浪士」を夢中で読んだのが
私の小説好きの第一歩の一つです。大河ドラマの「赤穂浪士」も夢中でした。
 今は、大河ドラマの「天地人」を楽しみ、原作も読んでいる最中です。

直江兼継が仕える上杉家は、忠臣蔵の吉良家に繋がっており、吉良上野介が
殺された後、助けなかった上杉家は徳川家によって苦しい立場に立たされましたが
何とか生き延びました。吉良家は、お家断絶となりました。
天地人と忠臣蔵は、つながっているのですよ!
 忠臣蔵の世界は、いまから305年ほど前です。
歴史の繋がりの中で、小説を楽しむことができます。
森村さんの「忠臣蔵」:読み応えがあって本当に楽しかったです。良かった♪

直木賞作家山本兼一さんの「火天の城」:安土城築城の話

2009年02月25日 | 読書
「利休をたずねよ」で直木賞を受賞した山本兼一さんの作品を始めて
読みました。織田信長が命じた安土城の築城を懸命に果たす大工たちの
苦闘ぶりを詳細な築城の過程や、親子の葛藤などを見事に描いた作品です。
 戦国時代の築城が、いかに大変な作業だったかが、眼前に浮かんで
きました。巨岩を総力をあげて頂にあげていくシーンでは小説とはいえ
手に汗を握りました。

 先日、定額給付金ばらまき政策に代わるアイデアの一つとして安土城再生
プロジェクトをご紹介しました。そうしたら、週間ムックで安土城の模型を
作っていく本が刊行され始めています。私のプロジェクトは安土城そのもの
を城下町と共に再現し、一大エンターテイメント・ゾーンとすることです(笑)
 模型じゃないよ~!
天守閣はスイート・ルームでお女中のおもてなしもつきます。
早朝、天主から望む景色は、天下を取った気分にしてくれます。

 夢のプロジェクトは別としても、日本が生んだ天才・織田信長のクリエイティブ
な遺産、安土城をこの目で見たいものです。
 そんな気持ちを強めてくれた「火天の城」でした。

平井和正・石森章太郎の幻摩大戦、そして傑作「リュウの道」

2009年02月24日 | 読書
平井和正さんの「幻魔大戦」は、超能力者の活躍を描いた傑作です。
 後半、精神性が極まっていき、少し活劇ものからは外れていきますが・・
昔、大変楽しませてもらいましたから、今でも文庫本を大切に持っています。
 そして、その幻魔大戦を、日本マンガ界の天才、石森章太郎さんが漫画化
しています。アニメにもなっていますが、そのアニメも傑作ですよ。
 まだご覧になったことが無い方は、是非、ご覧ください。

 平井和正さんの幻魔大戦は、その後「新幻魔大戦」、「真幻魔大戦」などに
続いていきます。それらも夢中になって読みましたが、一方で、この物語に
終わりがあったのか・・記憶にありません。東 丈 の戦いは今でも続いて
いるのでしょうか。
 石森章太郎さんは、その幻魔大戦の世界を、素晴らしいマンガに作り上げて
います。


 そして、石森章太郎さんは、これを発展させて「リュウの道」という傑作を
作り上げました。マンガ本で8冊ぐらいの壮大な物語です。日本マンがのSFの
傑作の一つだと思います。映画顔負けの世界が展開されますよ。
 その物語の中にも、ふとセクシーなシーンまで描かれています。
リュウが美女に誘惑されるシーンです、どきどき(笑)。


 アカデミー賞を「おくりびと」が受賞して嬉しい限りです。でもまだまだ
日本には手塚さんや石森さん、その流れにある宮崎駿さんという天才たちが
生んだ素晴らしい傑作の宝庫がありますよ。ニッポン、頑張れ!!です。 

東野圭吾さんの「さまよう刃」:犯罪被害者の復讐は許されるか?

2009年02月11日 | 読書
久しぶりに、東野圭吾さんの小説を読みました。
「さまよう刃」という作品で、あっという間に読み終えました。
可愛い15歳の娘が18歳の少年達に拉致されて、覚せい剤まで打たれた上で暴行
され死亡してしまいます。その少年達は同じような行為を繰り返している札付き
の輩たち。そして、そのおぞましい行為をビデオまで撮影している悪辣さ。
 この父親は、自ら復讐行為に立ち上がります。
ここのところ、犯罪被害者やその家族の立場を再考しようという動きが増えて
いますし、自分だったらどうするか!?と考えながら、ぐいぐい読ませて
くれます。さすが、東野さんです。主人公の父親や、その行為を悩みながらも
いつしか助けようとするペンション経営の女性、刑事達などそれぞれの立場も
上手に描いています。刹那的に、先ずは、一人の復讐に成功。そして二人目を
とうとう追い詰めた、その時・・・・結果は、是非、お読みになって下さい!
 私も、最愛の息子達やその子供達が、同じように殺害行為にあったら、
司法の手に委ねたとしても、その加害者を許すことはないと思いますが。
難しいテーマですが・・。

 先日、DVDでランボーの最新作を鑑賞しましたが、ミャンマーを舞台にした
話で、現地の民衆や、軍隊をまるで虫けら(虫さん・・ごめん)のように
殺しまくります。銃弾で撃たれた人間は、手足など引き裂かれてばらばら。
これは、ひどい、本当にやりすぎだ!と思いました。ランボーの1作目は
(原作First Bloodも読みました)ベトナム戦争での精神的な痛みをランボー
が背負っていて、まだ、良い作品でしたが。
 この4作目は、悪いやつは殺しまくっていいんだ!ということを明らかに
メッセージ化していて、アメリカの傲慢さが現れている気がしました。
 そして、ランボーは、アメリカの故郷に帰っていきますが・・!?

日本の天才漫画家・石森章太郎さんの家畜人ヤプー

2009年02月09日 | 読書
NHKで敬愛する手塚治虫さんの特集をやっています。
手塚さんは稀代のストーリーテラーだと思います。大人向けの「アドルフに
次ぐ」や「奇子」などは凄いお話だと思います。
 片や、石森章太郎さんは、その描く漫画の線や、描写力の素晴らしさは
群を抜いています。先日、たまたま古い書物を探していたら、あの奇書と
言われた沼 正三原作の「家畜人ヤプー」を石森さんが漫画化した作品が
出てきて嬉しさ抜群(笑)。マゾヒズムの極地といわれた小説で、便器や
性を満足する形態に加工された人類達が出てくるアブノーマルな世界を
石森さんが描いています。

子供達や、フィギュア・ファンに大人気の仮面ライダーの愛蔵版も出てきました
そして、漫画を詩的に描いた傑作「ジュンのファンタジーワールド」も。
ファンタジー・ワールドの絵には感嘆し、当時、同じような絵を描こうと
したものです。

 見てください。このセンスに富んだ、映像も顔負けしてしまいそうな、
石森さんの世界を・・

 石森さんの漫画では、「リュウの道」というSF作品が大好きです。
平井和正さん原作の「幻魔大戦」も・・
手塚さんに並ぶ日本が生んだ天才です。
ご紹介した漫画本は私の宝物の一つです!

「鯨の王」を読み映画「アース」も楽しみました。

2009年01月13日 | 読書
藤崎慎吾さんが書いた海洋SF小説「鯨の王」を読み終えました。
傍ら、ドキュメント映画「アース」もDVDで鑑賞しました。
アースは自然界で発生していることを素晴らしい映像で見せてくれます。
家庭にいながら、こういう映像を身近に見れることは幸せそのもの。
ホッキョクグマのさらされている危機、温暖化の地球で、自然界の変化。
地球の映像には感嘆しました。

 世界一巨大な哺乳類・鯨は映画の中ではざとうくじらの親子の長旅が感動的に
映されました。赤道から南極まで何千キロの旅。素晴らしくかつ厳しい自然界に
生きる動物のタフネス。感心しました。生きるということの厳しさ、それを
生き抜く姿。人間の甘さが笑われるようでした。


 海洋SF映画の世界も大好きで、ジェームス・キャメロン監督の「アビス」など
これまで楽しんできています。今回、海洋SF小説で、興味あった藤崎慎吾さん
が書いた「鯨の王」を読みましたが、素晴らしいエンターテイメントで映画の
ような作品でした。登場人物も魅力的で、飲んだくれの鯨学者や潜水艇の若い
キャプテン・ほのかは素晴らしいキャラクターです。
 そして、ダイマッコウという未知の大型鯨。まっこうくじらは肉食の鯨で
最大で全長20mぐらいだそうですが、このダイマッコウの想定は全長60
メートル。そして、その武器は・・その怒りの原因は・・
はらはらどきどきの展開で一気に楽しみました。
そして、まだまだ未知、神秘の世界がきっとあると思わせてくれる小説でした。

20年来の「ドクトル・ジバゴ」を読み終えました♪

2008年12月02日 | 読書
デビッド・リーン監督作品の「ドクトル・ジバゴ」は私の最も好きな映画の
一つです。ロシア革命を背景として、誠実な医師で詩も愛するジバゴと家族
との愛、そして知り合った永遠の女性ラーラへの深い愛情、時代に翻弄され
ながら懸命に生きる、人間の姿。時代とは、社会とは、人間とは・・を
思いながらジバゴとラーラの愛にも思いを寄せる素敵な映画です。
 テーマ曲のバラライカを使ったラーラのテーマの素晴らしいこと。
そして、ラーラを演じたジュリー・クリスティの素晴らしさ。
ジバゴのオマー・シェリフは最高のはまり役。憎まれ役のロッド・スタイガー
も決まっています。映画というものの素晴らしさを教えてくれた私にとっては
最高の作品です。そしてラーラは永遠の女性像。
 その原作、新潮文庫で平成元年に発刊されたときに、いち早く購入したの
ですが、なかなか読む勇気がなく(笑)、ようやく今年、読み終えたのが
今年の読書の私の一大成果です(笑)

 読んだと言えるのでしょうか? 難しい作品でした。詩と散文。当時のロシア
の精神世界。その中でジバゴとラーラの深い愛情。ノーベル賞に選ばれましたが
当時のロシア政府は反革命小説だと非難しノーベル賞辞退を強いられました。
言い換えれば、それほど刺激的な作品だったということでしょうか。
 映画は、原作を読み終えた後で改めて考えると、さすがデビッド・リーンで
上手に作られていることが再認識できました。キャスティングも映像も音楽も
全て素晴らしい。総合芸術たる映画の本質を感じさせてくれる名作です。
 まだ学生時代のラーラ。これだけでどきどきします(笑)

 そして母のパトロン、コマロフスキーの愛人とされ、そこに溺れながらも
自分を取り戻そうと苦悩するラーラ。胸が痛みます。

 清楚な精神の中にも女性としての芽生えや苦悩が同居して・・
ラーラの選んだ道はどうだったのでしょうか。
 なんて素敵な表情でしょうか!

 そして戦場でジバゴとラーラは再開しお互いに惹かれあっていきます。
 
 野戦病院で、ラーラは一生懸命アイロンをかけている傍で、ジバゴが自らの
ラーラに対する想いを気づいていくシーンはとても好きなシーンです。
 そして、また別れが・・

 お互いに惹かれあい、尊重しあう素晴らしい愛情がジバゴとラーラには
育まれたのでしょう。その瞬間の大切さは、ジバゴが悲しい最後を向かえ、
ラーラがいくえ知れずとなったときにも光輝いていると映画は訴えていた
と思います。
 素晴らしい原作と素晴らしい映画。それを知ることの感動。
今年の私の素敵なメモリーの一つです。

面白い時代小説:「のぼうの城」と「吉原手引草」

2008年11月19日 | 読書
読書は想像力を豊かにしてくれます。そして、知識も豊かにしてくれます。
人生を楽しく豊かにしてくれる文化的な道具の一つ。
言葉は、人間の宝物。小説はそれを駆使して自分の世界を築き、世の中の人を
楽しませてくれます。

 時代小説も大好きで、映画レッド・クリフが上映されていることもあり、
北方謙三さんの三国志を読み始めていますが、長編なので、浮気をしながら
楽しんでいます。浮気は、評判の「のぼうの城」と吉原の花魁を描いた
「吉原手引草」です。

 のぼうの城は、映画化を意識して書かれただけあって、ビジュアルだし分かり
やすい読み物です。あっという間に読み終えました。
 興味深かったのは、戦国時代、秀吉が小田原城を攻めるのですが、石田光成
は、命じられて圧倒的な戦力で忍城攻めにいきます。
周囲を湖で囲まれた忍城は成田家が城主で、豊臣家に寝返ろうと諮っていたの
ですが、ぼーっとして、あだ名がでくのぼうから来ているのぼうさまという
当主の従兄弟がやわら光成軍との戦いを決意し、家来も農民も共に立ち上がり
大活躍するという痛快なお話です。こんな戦いがあったことは知らなかった
ですから、読み終えて、成田家などを調べてみました。
 日ごろ、ぬーぼーとしていたのぼう様になぜ、皆がついていったか。
智恵でもなく恐怖でもなく、人徳に惹かれています。
 世の中のリーダーの方は、一度、自らの人間性を振り返った方がいいかも
しれません(笑)。智恵をひけらかしても、自分の優位性を示しても、
それでは人は心底ついてきませんよ。

 松井今朝子さんの直木賞を取った「吉原手引草」は、本当によくできた
小説です。吉原一の花魁・葛城が失踪したらしく、それを周囲のいろいろな
職種の方々が順次、花魁の世界などを語りながら、なぜ、失踪したかを
突き詰めていきます。実は、私は、まだ半分ぐらいしか読んでいませんが、
葛城というヒロインに大変関心を持つようになっていますし(一度も本人は
現れていませんが)、一体、何がどうして葛城に起こったのだろうと心配
にすらなっています。見事な小説です。
 そして吉原の世界、花魁の世界がかなり深く書き込まれていますので
それ自体興味津々です。読み始めは、ちょっととっつきが悪かったですが、
乗った瞬間、ぐいぐい来る見事な作品です。

城山三郎さんの「落日燃ゆ」:A級戦犯唯一の文官・広田弘毅さん

2008年10月10日 | 読書
戦争は絶えないね。これだけ人類も歴史を刻んできているけど、民族間の溝。
日本も第二次世界大戦で、多くの他の国の人々、日本の民衆一般に悲惨な
運命を与えたね。
 そういう歴史を学んで、過ちを繰り返さないように一人ひとりが認識を
高めていくことが大切だと思います。
 故城山三郎さんの「落日燃ゆ」を一気呵成に読み終えました。
外交官に憧れ、勉学に励み、見事な外交を果たしていった広田弘毅さんの
生き様を描いた見事な小説でした。

苦学の学生時代に、外交の重要性に目覚め、外交官としての生涯を懸命に
果たそうとする姿。一方で、愚かな関東軍の暴走。天皇陛下の思いさえ
統帥権という言葉のもとで、届かなかった。
 南京の大虐殺。
そして、敗戦を、迎え始まった極東軍事裁判。その中で唯一、文官として
被告となった広田弘毅さんの達観した、潔癖な責任感。
 日本全体の共通認識のもと戦争を実行したと裁く連合国の裁判官。
坦々としてそれを受け入れた広田さん。協調外交を推し進めたにも拘わらず。
 こういう素晴らしい本、そしてそこから学ぶ人間としての生き方。
いまの政治家たちに欠けている真摯な姿を広田弘毅さんに見ました。

 是非読んで欲しい一冊でした。

サスペンス・スリラーの傑作「ボーン・コレクター」を読み、映画を見直しました

2008年09月30日 | 読書
10年ほど前に買ってあったサスペンス・スリラー「ボーン・コレクター」を
漸く読みました(笑)。当時、海外ミステリーの傑作として評判になった本
です。

 いやあ、楽しかったです。ぐいぐい読ませる見事なサスペンスでした。
事故で全身不随になったリンカーン・ライムという犯罪捜査の天才に
襲い掛かる連続殺人犯。どう解決していくか。智恵の絞りあい。
 そこに若い女性警官が絡まって・・
NYの風景や雰囲気もとてもよく出ています。
 このミステリーは

この映画化作品を、実は先に見ていたので、今回改めて再鑑賞しました。
主人公のライムをデンゼル・ワシントンが好演しています。

そして、その捜査に協力するはめに陥る過去に痛みを持つ若い女性警官を
いまや大スターのアンジョリーナ・ジョリーが見事に演じています。
まだ素朴な感じが、とても魅力的です。
映画化作品は、原作を、相当ソフィスティケーションしています。
原作の方がかなり恐いですよ~

 こんな魅力的な警官がいたら、男性はみんな喜んで逮捕されちゃう~と
言いますよ(笑)


 ラスト・シーンで素敵な笑顔を見せてくれるジョリーです。
いまWantedが封切られていますね。

世界最長のヒロイック・ファンタジー「グイン・サーガ」:100巻を越えて

2008年06月04日 | 読書
ヒロイック・ファンタジーは大好きです。
人間とは思えない英雄や美女が、人間界を越えた世界で大活躍する。
魔法や剣。恋や友情。これらが絡み合って凄まじい創造の世界をリアルに
描いてくれます。
 映画でも、ロード・オブ・ザ・リング、ナルニア国物語、古くはコナン
シリーズ などなど。素晴らしい作品が作られています。それぞれ原作の
ファンタジー・ノベルがあります。そんなファンタジー・ノベルの最長の
作品、文庫本で100巻の作品を作るぞと栗本 薫さんが書き始めたのが
「グイン・サーガ」です。
 読み始めたのは、1983年ですからもう25年前だね。四半世紀が
経つんだ。当時、一緒に読み始めた友人がいて、それも刺激になりました。
パロという文明豊かな国が新興国の粗野なモンゴールに攻め入られ、双子の
王女リンダと王子レムスは古代機械をいう瞬間移動装置によって暗い森に
飛び逃げ隠れますが・・そこに突然出現し彼らを助けたのは、なんと豹頭の
巨大戦士・グイン。そこから始まる戦闘、愛、国の興亡、魔道の世界・・
ハヤカワ文庫で連載が始まります。表紙の絵と表紙を開けた見開きの絵の
素晴らしさも益々想像力を掻き立てます。
1巻目のタイトルは、「豹頭の仮面」です。そして、このシリーズはサブ
ストーリーを外伝として書き綴ります。外伝自体何巻も出ているのですよ。
その外伝中でも最も魔道に富み、重要な位置づけとなるのが外伝1巻目の
「七人の魔道師」です。その表紙をご覧ください。

まさに豹頭。その左右に並ぶのがパロの真珠と称される美男美女のリンダと
レムス。彼らはグインに助けられ、逃亡の道を歩み始めます。そして
ノスフェラスという砂漠地帯の辺境へ。その堺にあるスタフェロスという城が
見開きに描かれています。恐ろしい怪物たちが棲むノスフェラス。

かたや「七人の魔道師」の見開きは、これこそ魔道の世界(笑)

このグイン・サーガの楽しいところは、魅力的な主人公達です。グインは、
そもそも何故豹頭なのか、どこから来たのか、パロの絶世の美男の王子、
アルド・ナリス、成り上がり者のイシュトバーン、男勝りの女剣士リギア、
草原の国の王子スカール、何人かの超絶の魔道師などなど。彼らの運命が
物語の中枢を揺るがしていきます。
 100巻で完結すると皆が思っていましたが、栗本さんは書き始めると
自らこの世界に没頭する癖があって(笑)、とうとうこのライフワークは
100巻で終わりませんでした。私の方も、さすがにちょっとお疲れなのと
なんだ終わらなかったんだと嬉しいやら、おうおうと思うやら・・
元々読みたい本が山積みなものなので、暫く2年ほどグインサーがはお休み
していました。たまに本屋で見かけると順調に110巻すら越えて・・まだ
まだ続いていました。
 それでちょっと重い腰をあげて、1ヶ月ほど前に104巻を読んだら、
物語の展開にまたはまってあっという間に今107巻目を読んでいます(笑)
これだけ読んでいると登場人物たちの特徴は分かっていますので、読む速度
もスピーディです。栗本さんの特徴も分かっていますし。また感情移入して
感情表現をだらだら始めたぁ~など・・笑
104巻から107巻の表紙です。イラストレーターは最初の加藤直之さん
から丹野忍さんに代わっています。丹野さんの方が女性的な表現です。

栗本薫さんの小説は娯楽性十分で読みやすく映画を見るようです。
まだグインサーガを読んでいない方は100巻を越える旅にお付き合いして
みませんか。ファンタジー好きの方には



浅田次郎「輪違屋糸里」:花街・島原の太夫から見た新選組

2008年02月21日 | 読書
北方謙三さんの「黒龍の柩」を読み終えた後、新選組もので、今度は浅田次郎
さんの「輪違屋糸里」を読みました。傑作「壬生義士伝」を書いた浅田次郎さん
が、今度は新選組の京都での活躍の前半部分を花街・島原に住む太夫(こったい)
や新選組に宿舎を提供している民家の女性達の視点から描いたものです。

上巻は女性からの語りが多く、盛り上がりが欠ける気もしていましたが、さすが
ストーリーテラーの浅田さん。下巻は芹沢鴨の暗殺を核としてぐいぐい盛り
あがりました。
 京都島原は、日本最初の花街のようです。太夫は、芸姑の最高の存在で芸を
極めた存在。若い糸里も土方歳三への想いを断ちながら太夫となります。
輪違屋というのは置屋で、太夫などが所属するところ。
文化資産として建物が残っています。

輪違というだけあって、紋は輪が二つ交わっています。その暖簾を潜る芸姑さん

芹沢鴨が殺される夜、新選組は揚屋の「角屋」で宴席を持ちます。
揚屋は太夫などを呼んで遊ぶ場所です。角屋も文化資産として残っています。

太夫は身分的にも大変高い地位を与えられたそうです。
明治時代中期の太夫の写真です。

 ふうむ、あまりどきどきするような美人はいなそうな~気がしますが(笑)。
輪違屋糸里は昨年テレビドラマ化されたそうですが、見逃しています。
糸里を上戸彩さんが演じたそうです。上戸さんは可愛い方ですが、ちょっと
イメージが違う気がします。場違い・・とは言いませんが(笑)
それでも上の太夫の写真に比べれば・・・比べちゃいけないって ははは

幕末に特殊な色合いを加えた新選組は、作家にもいろいろと刺激を与えて
いるようです。島原は訪れた記憶がないので、京都に行った際は、是非一度
歩いて、太夫も道行きを感じてみようと思います。
 糸里に会えるかも~

  <<Tiger Fun Book & Kyoto>>