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タイガーのFun-Loving Way of Life

☆ささやかな歓びを♪素晴らしい仲間と♪素敵な毎日を♪Fun is Good☆

新撰組・土方歳三の男のロマン:北方謙三の「黒龍の柩」を読みました

2008年01月26日 | 読書
新選組の中でも土方歳三の話は沢山書かれていますし、TVや映画化もされています
最近では、NHK大河ドラマの新選組で土方歳三を演じた山本耕史さんがブレイク
しました。続編の土方歳三最後の一日まで製作されたほどです。
 土方歳三は、新選組のオーガナイザーであり、函館の戦いで壮烈な戦死を遂げ
35歳で亡くなりました。最後まで戦い続けた列丈夫です。
黒服の姿もとてもかっこいい伝説の人に相応しい方です。同じように山本さんが
撮影していますが、ご本人には及ばないと思います。

数え切れない修羅場を乗り越えてきた土方歳三は、いつも冷静だったと言われて
います。新選組の小説は司馬遼太郎さんの「新撰組血風録」、土方を有名にした
「燃えよ剣」を嘗て読みました。今回、北方謙三さんの「黒龍の柩」を読み
ましたが、北方さんらしい硬質だけど男のロマンに溢れた楽しい小説でした。
斬り合いのシーンなどは、多くの剣士の小説も書いていますから、迫力満点
新たなアイデアも絡めて、土方が大活躍します。
本当に蝦夷の国が立国されていたら、今頃どうなっていることでしょう。

新選組を舞台にした小説では、浅田次郎さんの傑作「壬生義士伝」があります。
主人公は岩手県の下級武士・吉村貫一郎で、家族を食べさせるために国を奔出し
新選組に入隊して仕送りをします。隊員からは守銭奴と馬鹿にされても愛する
家族のために義を貫きます。小説を読みながら泣いてしまいました
浅田さんは稀代のストーリーテラーだと思います。
映画で、中井貴一さんが貫一郎を演じましたがはまり役でした。この映画は
日本アカデミー賞を受賞しています。娘との別れのシーンです

小説、映画ともお勧めです
新選組を描いた小説の入門書は子母澤寛さんの「新選組始末記」で本は読んで
いませんが、映画は見ました。土方歳三を天知茂さんが演じていました。
芹沢鴨の暗殺や、池田家騒動など京都での新選組の活躍が描かれていました。

司馬さんの燃えよ剣のドラマで、土方役を演じたのは栗塚旭さんで、司馬さんが
絶賛したとの話があります。写真は、栗塚さんと天知さん。

 土方歳三は「信長の生まれ変わり」と言ったという話もあります。新たな世界
を作ろうと奔走する姿を信長に重ねたのかもしれません。
俳句なども数多く読む文化人でもあったようです。幕末を壮絶に生きた姿は
颯爽としていて素晴らしい。
 「三日月の 水の底照る 春の雨」

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天才織田信長に相対する秋山駿の「信長」を読みました。

2008年01月06日 | 読書

織田信長の凄さ、天才性は誰しも認めるところだとは思いますし、私も最も興味
を抱く日本人の天才の一人です。いろいろな小説やTVドラマ、映画でも数多く
お会いしています(笑)。
 それでも、本当にどんな人だったのか、どんな考えで「天下布武」を掲げたの
か、など分からないことだらけで、今回、評判になった加藤廣作「信長の棺」を
読んだ後、信長の研究本の筆頭といわれる秋山駿さんの「信長」を読み、毎日、
信長に相対峙してきました。
 ナポレオンやカエサルとの比較、天才性を追求したスタンダールやプルターク
の研究などを通じて信長を探求する力作です。

 「信長の棺」は小泉元首相が面白かったと激賞した本だと覚えている方も多い
と思います。信長を正面から描かずに信長の記録「信長公記」の作家・大田牛一
の眼から信長の死体の行方などを捜すミステリー仕立てで、なかなか楽しい本
でした。
 その信長公記の記述も使いながら、秋山さんは年代を追って信長の人物像を
出来るだけ見つめていきます。岐阜を征服したあと、その地に移り岐阜という
名称も定めて、一族郎党が移り住み栄える町にしたのは信長です。
 戦国時代の大名は、自己領地の拡充に努めるのが日常でしたが、信長は明らか
に異なります。楽市・楽座という規制緩和、通貨の統一、利休に創設させた都市
の茶文化、など戦争に明け暮れ、悲惨な殺戮を繰り返した印象が強い信長ですが
天下布武の旗のもと新しい社会形成こそ信長が目指した世界であることが理解
できます。徹底した自己実現への努力、現実を自ら把握し行動に移す実行力、
など秀吉や家康の凡人性では遠く及ばない天才です。外国への興味も強く、
宣教師から多くの知識を得ています。
 542ページに信長が光秀に襲撃された際の言葉「是非に及ばず」の解説と
してナポレオンの言葉が紹介されています。
 「天才とは己が世紀を照らすために燃え尽きるべく運命付けられた流星である」

また、98ページに気に入った表現がありました。
「友とは幸福の一致ばかりを求めるのではなく、本当は不幸と死を一致させる
 相手のことである」~信長の「死のふは一定」の言葉に・・

天下の統一に向けて、信長は安土城を築き、そこに天皇すら招こうとしたよう
です。その信長の改革性の強さは、どんどん他の大名の理解度からも離れて
いったのではないかと・・そして光秀の謀反。
 しかし謀反し、秀吉に敗れるまでの光秀の無策ぶり・・改めて信長の凄さを
思い知ったのではないか・・と
信長のもとで足軽上がりの秀吉は出世するし、家康や柴田勝家なども活かされて
います。人を活かすということも織田信長は実行しています。
 もし信長がもう少し存命なら、日本はどんな展開をなしたのでしょうか。
NHK大河ドラマに「信長」King of Jipangがあったことを覚えていますか。
秋山さんが研究した信長像に近い作品のようなのでビデオで総集編を見始めて
います。

信長を描いた小説では、一昨年、池宮彰一郎さんの「本能寺」も読みました。
この本も何故、光秀が信長を殺すに至ったか新しい解釈を示して楽しめました。
秋山駿さんの「信長」を読むのはかなり力仕事です。それでも日本の歴史上の
最大の天才、信長をもっと知りたいという方にはお勧めですよ。
 今回、「信長」を読みふと頭に浮かんだ言葉は、「意志のないところに道は
開けない、意志のない心には花は咲かない」ということでした。
いい勉強になりました。まだまだ勉強しなければね

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年末恒例ミステリーベスト10:私のミステリーベスト10は!?

2007年12月20日 | 読書
年末になると週刊文春ミステリーベスト10などいくつかのランキングが発表
されるので、楽しみにしています。今年も既に発表されて、書店に並んで
います。
 さて私の、これまで読んだ中でのミステリーベスト10は何だろうと、思い
つくままにあげてみました。結局は、ありきたりな結果かもしれませんが、
本当に出会ってよかったと思う作品ばかりです。
 最初に浮かんだのは、高村薫さんの3作品でした。
ストイックで大変魅力的な合田刑事を軸に置きながら、現代の世相の中の悲劇
を描いた「マークスの山」「照柿」は素晴らしい傑作です。
照柿を読むと、日本の夏のじりじりした暑さが感じられる見事な筆力に驚き
ます。

「リビエラを撃て」は、まるで海外ミステリー・サスペンス・スパイ物の傑作
ですが、こんな素晴らしい作品を日本の作家が作ったのだと思わず誇らしく
なりました(笑)。アイルランドの厳しい自然と冷たい風が伝わってきます。
 高村さんといえば、片や宮部みゆきさんの現在の世相、日常を背景とした
素晴らしい作品群が次に浮かびます。
 私は、「摸倣犯」の素晴らしさが先ず浮かびました。長編ですが、ぐいぐい
読まされました。「名もなき毒」や「理由」も傑作ですが、やはり摸倣犯が
一番。

アクション・クライム・ハードボイルドでは、大沢在昌さんの「新宿鮫」には
楽しまされました。新宿の裏舞台でのはぐれ刑事の活躍を描いて見事な娯楽
作品にしています。映画をみるような作品です。
 同じ新宿の暗黒世界を背景とした更に激しいバイオレンス作品に馳星周さんの
「不夜城」があります。これもぐいぐい読まされました。


 物語として素晴らしい作品に東野圭吾さんの「白夜行」と天道荒太さんの
「永遠の仔」があります。この2作品は、何故か似た雰囲気を持っていますが
大傑作です。悲しみも浮き上がる見事な小説世界を作ってくれました。


 東野さんは、沢山傑作を書いていますから「容疑者Xの献身」や「秘密」も
勿論楽しく読ませてもらいました。
本格ミステリーらしい作品で、おお次はどう展開するのかなとワクワク読ませて
くれた作品に折原一さんの「沈黙の教室」があります。
 意外と掘り出し物だと思った楽しい作品に桐野夏生さんの女探偵ミロ・シリーズ
の二作品があります。桐野さんといえば主婦のばらばら殺人事件を描いたOUT
で有名ですが、私は、この2作品の方が好みです。
そして、大御所・松本清朝さんの「砂の器」などの作品も心に残っています。

さて、お正月は何を読もうかな。楽しみです

楽しい読書:熊谷達也の「邂逅の森」・垣根涼介の「ワイルド・ソウル」

2007年11月23日 | 読書
司馬さんの「坂の上の雲」を読んだ後、熊谷達也さんの「邂逅の森」を読み終え
ました。

秋田県、青森県、山形県で狩猟を生業とし、山の神と共にいきるマタギの富治を
主人公として、厳しい自然との闘い、人生、男と女、友情などがドラマティック
に書かれていて、次から次へと読んでしまいました。

社会背景としても戦争需要で毛皮が必要となり、どんどん山の生き物が減少して
いくことや、その中で生態系を大切にして生きているマタギの暮らしも描かれ
ます。ううむ、厳しい山の暮らしはやわい私には無理だなぁとも思います(笑)
 マタギが狩るのは、ニホンカモシカ(アオジシとも言われます)やツキノワ熊
ツキノワ熊の胆嚢は、熊の胆と呼ばれ、生薬として高価で買われたため、生計を
維持しなければならないマタギにとって、大切な収穫物でした。

ニホントナカイを見ると、宮崎駿さんの「もののけ姫」で初めてもののけ姫が
登場するシーンを思い出すね。何故か神々しさが感じられる姿です。

「邂逅の森」は直木賞と山本周五郎賞双方を受賞した素晴らしい小説です。
是非、読んでみてください

 そして、もう一冊。垣根涼介さんの「ワイルド・ソウル」も読みました。
日本政府の貧しい農民などを対象とした移民政策に乗り、ブラジルに夢をもって
渡った民衆に待っていたのは想像を絶する厳しく貧しい暮らしでした。
 いや、暮らしといえるものではなかったようです。戦前、19万人の方々が
政府の勧誘で渡航したそうです。その勧誘のポスターです。

想像を絶する苦難に遭遇した日本人達を日本政府は助けてくれたでしょうか
そして、この物語は題名どおり、ワイルドに日本政府への復讐に立ち上がり遂行
する物語です。どうなるか~と読めますよ

 そして、国家の大衆に対する無責任さも浮き彫りにしてくれます
ブラジル移民の3世は、日本で活躍を始めています。サッカーのマルクス・
闘利央は、みなさまご存知の通り
 この小説も日本推理小説協会賞、大藪春彦賞、芳川英治文学新人賞の3勝を
受賞しています。
すぐれた小説は、いろいろな知識や認識をあらたにしてくれて、より幅広い
世界を見させてくれます
 無数の本がありますから、できるだけ直木賞や山本周五郎賞、推理小説教会大賞
を獲得した本、そして年末恒例のベストテン評価を得た作品などを優先して
読むようにしています

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司馬遼太郎「坂の上の雲」に学ぶこと:歴史を学ぼう

2007年11月08日 | 読書
坂の上の雲のことは前にも2回書きました。読み終えて暫く経ちますが、未だに
毎日の政治ショーなど見ながら、思い起こすことの多い名作です。

後半は日露戦争の詳細な記述で埋められています。
東郷平八郎率いる日本艦隊がロシアのバルティック艦隊を完膚なきまでも壊滅
させた世界史上稀有な大勝利はどうしてもたらされたのでしょうか
 
日本海で日本艦隊の倍の戦力を持つバルティック艦隊は、実はロシアを出航し
アフリカの喜望峰を回航してインド洋から北上し、漸く日本海に辿り着いたと
いうことを初めて知りました。当時、石炭が燃料でしたから、港港でいかに
石炭を確保することが大変だったか。その地獄のような航路を見てください。

日本は幸い、当時の大国、英国と同盟を交わすことができ、海洋国・英国はロシア
艦隊の航行をいろいろな形で妨害します。英国が日本と同盟した理由は膨張する
ロシア帝国のアジアでの抑えとして日本を利用しようとしたことです。
 当時、ロシアは専制国家で、ニコライ2世が統治していました。要は全て彼の
独断で国の判断が決まります。彼は、日本人を常に「猿、猿」と呼んでいたそう
です。そんな猿にロシアが負けるわけがないと・・
 そんな専制主の夫人も、自然に発言力を持つのは当然せほうか。戦況の悪化を
一切、この婦人も聞かず、ニコライ2世の判断にも影響を与えたようです。

司馬さんは、専制国家が栄えた験しはないと書いています。現代の北朝鮮は・・
はてさて・・ そして、そのニコライ2世に選ばれた陸軍の司令官クロパトキン
と海軍司令官ロジェストヴェンスキーのリーダーとして力の乏しさも司馬さんは
描いています。組織は良いリーダーに率いられるか、無能なリーダーに率いられる
かで、大きく差がでます。前にも書きましたが、最近のいろいろな不祥事を見ると
リーダーが全て薄っぺらで、リーダーらしい社長を見たことがありません。

上左がクロパトキン将軍。史上最大の奉天会戦で自己の判断ミスを繰り返し
圧倒的な兵力がありながら敗退した将軍です。右はバルチック艦隊司令官の
ロジェストベンスキー。航海の途中、日本海軍の出没におびえて過度の警戒
をしたり、水兵や他の艦長を馬鹿にして殴りつけたり・・
 こんな艦隊を相手にして智恵の限りを絞り、戦闘中は艦橋に立ち続けた東郷
平八郎率いる日本艦隊。旗艦は戦艦三笠。

そして、バルチック艦隊に勝つための戦略を練りつくしたのは、この坂の上の雲
の3人の主人公の一人、秋山真之。その兄は、日本で初めて騎兵隊を作りあげ
奉天会戦で大活躍した豪傑、秋山好古。いつも酒を飲み続け、邪魔になると刀は
小刀しか提げず。風貌の立派さから、日本人とも思われなかったとか。
弟の真之は、文才もあり、あの有名な「天気晴朗なれど波高し」は彼の文章と
言われています。秋山兄弟は松山出身で、友人が正岡子規。もう一人の主人公。

 「志しを持って、知恵を絞る」・・私も今の会社をどのように育てるかを考え
そのためにあらゆる智恵を絞っているつもりですから、彼らの生き様がどれぐらい
参考になり、また共感を得たことか。どんな職務でもそういう生き様こそ見事
だと思います。(今回はちょっと偉そうだぞ・・笑)
秋山好古の集合写真です。


 かたや奉天会戦前の203高地の戦いで、無益な突撃だけを繰り返し、かつ
戦場から遠く離れた司令塔で指揮を続けた乃木将軍と無能な伊地知参謀。
彼らの命令で要塞で固められたロシア軍に向って山を登っていった兵隊さんたち
の無念を心から思います。

以前紹介しました「203高地」の映画の終わりのほうのシーンで仲代さん演じる
乃木将軍が明治大帝の眼前で、戦勝報告に来たにも拘わらず泣き崩れるシーンは
無念な兵士たちの思いに心を震わせざるをえないということだと思います。

坂の上の雲は歴史を眼前に現せて、現代に生きる私たちにいろいろなことを
教えてくれます。こんな小説を残してくれた司馬さんに感謝したいと思います。

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坂の上の雲に教えられたこと:有能なリーダー/無能なリーダー

2007年10月25日 | 読書
司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」の後半は、日露戦争が詳細に語られていきます。
圧倒的な国力を持ち、領土拡張欲から朝鮮、日本を狙い侵略を進めるロシア。
(最近でも北極海海底にロシアの国旗を立てて、北極はロシアのものだと大騒ぎ
 しています。ロシアはそんな国だと思います。北方領土だって容易には返還 
 しないのはロシアというお国柄です。)
ロシアに勝つことは不可能と認識し、しかし、いかに初戦で勝利を収めて、講和に
持ち込むために叡智を尽くし、実行した日本の英傑たち。

 このころ、明治維新を経て、初めて日本は国家という認識を国民が共有した
 こと。それまで江戸時代であろうと地方分権の国であったこと。

 日露戦争時代は、まだ薩摩出身者、長州出身者が軍や政治の中心にいて国家
 を動かしていた。

日露戦争において、薩摩出身の児玉源太郎は、戦略策定、実際の指揮、アメリカ
を使っての講和など陸軍として八面六臂の活躍をした英雄です。

ハンサムですね。天才的でもある反面、人格者の乃木将軍への気遣いもちゃんと
しています。素晴らしいリーダーだと思います。
 そして、児玉の上で元帥として前には出ず大きく構えていた大山巌も薩摩出身。
まあ、負け戦になれば、自分の出番、それまでは児玉以下に任すと言い放って
いた大人物です。地位欲もなく戦後も、そういう立場に立とうとはしなかった
とか。

そして、海軍で、圧倒的な戦力のロシア・バルチック艦隊を参謀・秋山真之の知略
のもと艦隊を見事に指揮し、史上最大の海戦でことごとくロシアの艦隊を沈めた
東郷平八郎。今でも世界3大提督 Admiral Togoとして評価されています。
海戦中ずっと微動だにせず艦橋に立ち続け指揮をしたそうです。素晴らしい胆力
とリーダーの姿勢です。

迫力ある面構えをしていますね。東郷さんも薩摩出身です。

そして、203高地での戦いまで無為な突撃を繰り返し、多くの兵士の戦死を
招いた乃木希典将軍。参謀の伊地知が、無能だったということもあるようです
が(司馬さんは辛辣に書いています)。この方は情の人間、人格者ではあった
ような気がします。子供の頃片目を失明していて隻眼だったことは最近知り
ました。戦後、学習院の教壇に立ったとき、生徒の前で泣いてしまい、君たち
の兄を殺したのは私ですと嗚咽を漏らしたとか・・。明治天皇の逝去と共に
殉死したことは有名な話です。この方は、長州出身。

乃木将軍率いる師団は、実際の戦場から遠く離れた場所に司令部を置き、そこから
あらゆる指示を出していたと書かれています。現場の状況を感じないで指示を出す
リーダーの無能を表してくれています。

この「坂の上の雲」の全編を通じての主人公は、薩摩でもなく長州でもなく松山
出身の秋山好古・真之兄弟とその親友・正岡子規です。
再来年から放映予定のNHK「坂の上の雲」では、主人公のキャスティングが決まりつつあるようです。とても楽しみです。
 「春や昔 15万石の 城下かな」


 昨今の守谷次官や厚生省の堕落振り、多くの食品偽装事件の経営者たちの倫理観
と常識の欠如。無能で自己欲の権化のような人間が増殖していると思います。
有能な官僚や経営者に導かれないと、そこには悲劇しかありません。
言い換えれば、リーダーの責任はそれほど重いと言えると思います。
そんな根本的なことを歴史と共に司馬さんは教えてくれます。

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