Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

DENとNEとCIN、12勝のチームのうちパフォーマンスが高かったのは

2016年03月29日 20時55分07秒 | Stats

2015年シーズン、NEとDENの2チームは勝ち星数が同じでした(どちらも12勝。直接対決で勝っていたDENが第1シードを取ったのはもうご存知ですね)。ふと思い出したのですが、確か2015年シーズンはNEとDENのスケジュール難易度が大きく違っていたはずでした(くわしくはこちらをごらんください)。

とすると、今期は同じ12勝でもDENの方が、NEよりも頑張っていたのでは?ちょっとそんな計算をしたくなり、以前のスケジュール難易度のエクセルデータを引っ張り出して再度計算してみました。

何を計算したかというと、それぞれのチームの前年の相手の勝率からはじき出される「スケジュール難易度」(これは前回既に掲載済み)と、そこから導いた「期待勝率」(1からスケジュール難易度を引くだけ)。そしてそれと実際の勝率の差分です。つまり同じ勝率でも、相手が強い(期待勝率が低い)チームは頑張った(パフォーマンスが高かった)ことになります。

まずスケジュール難易度と期待勝率。もちろん前年度の勝率から計算しているので、シーズンが始まった瞬間に、オフシーズンの戦力移動によってこの数字は大きく変わっているわけですが、とりあえず前の年に強かったチームは翌年もその余韻で強いということにして計算します。

前回も話しましたが2015年シーズンはPITが一番きつい相手で(期待勝率は0.422)、ATLが一番楽(期待勝率は0.590)という計算でした。この差は、0.178Pointもあります。1勝の重みは1/16=0.0625なので、勝率にして3試合分近くの差がついているわけですね。

それから15/16=0.938でRSを終えたCARはどうだったかというと、シーズン前の期待勝率が0.566で、そこそこ好成績を期待できるものでした。一方で、勝率が13/16=0.813だったARIは相手が強いところばかりで、期待勝率は0.433と低かったのです。

ではその年の実際の勝率から期待勝率を引いてみましょう。この数字が大きいほど今シーズンのパフォーマンスがよかったことになり、小さいほど思った結果が出せなかった(パフォーマンスが悪かった)ことになります。

出た結果は、やはり勝率1位のCARが最もパフォーマンスが良かったことになりました。それに続いたのが、13勝を挙げたARIでした。よく見ると文字が黒いチーム(引き算の結果がプラスになっているチーム)はプレイオフ進出チームがほとんどですね。このPointは勝率が高いほどプラスになる幅が広がるし、勝率が高いチームがPlayoffに進出できるので、当たり前といえば当たり前ではあります。とはいえ、対戦カードの良しあしにかかわらず、期待される結果を上回るパフォーマンスを発揮しないと、Playoffそしてその先には行けないということなのでしょう。

惜しくもPlayoff進出を逃したNYJは、厳しい対戦相手ながら、期待される勝率を大きく上回る成果を残しました。AFC南の覇者であるHOUよりもよいPointを稼いでいたのですが、地区優勝チームが優先されるルールですから、Playoffには進めませんでした。こればかりは仕方ありません。

ちょっとこれだけではわかりづらいのでもう一つ、表を作りました。勝ち数が多い順に、勝率と期待勝率の差を見られるようにしています。

この表を見ると、勝ち数で2差がついたものの、CARとARIはRSでほぼ同程度のパフォーマンスを残していたことがわかります。

12勝を挙げたCINとDEN、NEのパフォーマンスも比較できます。CINは前年実績がよかったチーム(以後、「強いチーム」と書きます)との対戦が多く組まれているにもかかわらず12勝を挙げられた、つまりパフォーマンスが一番高かったと評価できます。同じ12勝のNEは、相手に恵まれていたのに12勝しか挙げられなかった(あるいは適度なパフォーマンスで12勝に到達できた)と表現できるでしょう。

MINはNEと同じくらいのパフォーマンスでした(勝率ー期待勝率がほぼ同じ値)が、強いチームとの対戦が多かったため11勝までしか届かなかった、ように見えます。

10勝の4チーム(PIT、SEA、GB、NYJ)も、強い相手が多かった分、PITが高いパフォーマンスを残した結果となっています。現実でもタイブレークの結果でNYJを上回り、PITがPlayoffに進みました。

SEAとGBは前年と今期の勝ち星が一緒(12勝から10勝に減)で、RSの直接対決は2年越しで1勝1敗(どちらもホームで勝ち)。ただ対戦相手チームの強さを交えて比較すると、SEAの方が2015年シーズンはパフォーマンスで上回った計算になります。両チームには2016年シーズンもRSで対決がある(地区2位同士だった) ようなので、この対決にも期待したいですね。

勝ち星が少ないチームがいる下の方は、成績が悪いチーム(勝率が低いチーム)=パフォーマンスが低いチームということになります。このあたりはもう、ニワトリが先か卵が先かになっていますね。

ただ、例外も見えます。一番パフォーマンスが悪かったTENに続くのは、3勝のCLEではなく4勝のDALでした。相手に弱いチームが多かったため勝ち星では上回れたけど、強いチームと多く対戦したCLEよりもパフォーマンスが悪かったという計算になります。

皆さんも、自分の応援するチームの、相手の強さとは関係のない2015シーズンのパフォーマンスを見てください。

2015年シーズンに勝ち数を4つも伸ばしたTBは、パフォーマンスはそれほどよろしくない(対戦相手に恵まれた、あるいはもっと勝てたはず)とか、STL(LA)は勝ち星が全シーズンから1しか伸びなかったけど、対戦相手に恵まれていればもっと上に行けていたかもとかいうように、ちょっと違った視点で自分のチームを評価できるはずですよ。

とここまで書いて、気になることが出てきました。それは次回で書きますね。

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。


AFC東BUFバッファロー・ビルズNFC東DALダラス・カウボーイズ
MIAマイアミ・ドルフィンズNYGニューヨーク・ジャイアンツ
NEニューイングランド・ペイトリオッツPHIフィラデルフィア・イーグルス
NYJニューヨーク・ジェッツWASワシントン・レッドスキンズ
AFC北BALボルティモア・レイブンズNFC北CHIシカゴ・ベアーズ
CINシンシナティ・ベンガルズDETデトロイト・ライオンズ
CLEクリーブランド・ブラウンズGBグリーンベイ・パッカーズ
PITピッツバーグ・スティーラーズMINミネソタ・バイキングス
AFC南HOUヒューストン・テキサンズNFC南ATLアトランタ・ファルコンズ
INDインディアナポリス・コルツCARカロライナ・パンサーズ
JAXジャクソンビル・ジャガーズNOニューオリンズ・セインツ
TENテネシー・タイタンズTBタンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DENデンバー・ブロンコスNFC西ARIアリゾナ・カーディナルス
KCカンザスシティ・チーフスLA(STL)ロサンゼルス(セントルイス)・ラムズ
OAKオークランド・レイダースSFサンフランシスコ・49ers
SDサンディエゴ・チャージャースSEAシアトル・シーホークス

新興TEが台頭、Gronk一強に待ったをかけたBarnidgeとReed

2016年03月26日 22時59分14秒 | Stats

今回は予定を変更して、Tight End(TEの話をします。ホントは先にWRかRBのつもりだったのですが、若干情報整理に時間がかかるので、手近なところでまとめます。別に「TEが台頭」というダジャレを言いたかったわけではありません。

TEはFantasyでは必ず一人をスタメンに入れないといけないのに、Pointを期待できる選手が少ないという難しいPosition。2015シーズンのドラフト前は、このPositionに誰を持ってくるかで悩みました。

シーズン前のMock Draftを何回かやるうちに、ほかの参加者の傾向が読み取れるようになります。TEに注目すると、ほとんどのMockでは、Gronkowskiが1巡目に指名されていました。

NEでBradyのメーンターゲットを務め、WR並みの活躍(Pass Catchで1000ヤード超え)を期待できる、唯一のTE。ただ筆者は、怪我が心配で上位指名はできませんでした。だったら代わりがいっぱいいる、WRとRBを上位で指名して、TEは「そこそこの」選手にすればよいという判断でした。

Gronkは人気選手ですから、ドラフトでは自分の指名順が来る前に指名されてしまう可能性が高いです。その時点で予定を変更するのは、時間の制約もあるので無理筋。そこで、ドラフトの時にも書きましたが、ちょっとした隠し玉を用意することにしました(その話は最後の方でします)。

結局、Gronkowskiは1試合欠場しただけで(Week12のDEN戦の雪の中での怪我は、一瞬シーズンエンドかと思いましたが)2015シーズンを通して活躍。TEの中では1176ヤード、11TDを上げて堂々のPointトップでした。AFC Championshipでは敗れましたが、あれだけマークをされながら2回のスーパーキャッチ(うち1回はTD)を上げるところは、怪物の面目躍如でしたね。

そしてシーズンが終わって数字を改めて見ると、TEが何人も好成績を上げていたことに気づきました。BarnidgeにReed、Eifert、そしてWalkerも活躍しました。

4人全部を書くと長くなるので、上位の二人を見てみましょう。まずGary Barnidge。予想ではTEの上から20番目にすら入らなかった低評価を覆し、2015年シーズンにTEとして上から2番目の成績を残しました。CLEでもチーム最多のReceiveとTD数を記録しています。

McCown、ManzielそしてAustin Davisという、どれも一流とは言えないQBからのPassである点は、BradyからPassを受けられるGronk以上に働いたとも評価できます。そんなCLEで30歳にして、突然の遅咲き狂い咲き。現地でも昨年の11月に遅咲きのBarnidgeを讃える記事でてました。

なんかCLEにはもったいないのですが、2015年12月にCLEはさっさと契約を延長しました。

せっかくなのでBarnidgeが10月のBAL戦後のインタビュー動画を貼っておきます。この試合で上げたTDキャッチは、足で地面にボールが付かないよう保持して、PassをCompleteさせた変態的なプレイ。

Youtubeには実際の動画も上がっていますのでそちらもご覧ください。

続いてはJordan Reed。Kirk CousinsのTargetとしてWASの予想外のPlayoff進出に貢献しました。Reedもチーム内最大のReceving Yardですね。その下がWRのGarçonでした。

2015年が3シーズン目の25歳。それまでの2年は500ヤードにちょっと足りないくらいの獲得ヤードだったのに、突然の2倍増のヤード数(952ヤード)。チームトップの11TDキャッチをしたのでホントに急成長ですね。

過去2年はけがに苦しんでいたようなので、健康なシーズンを送れたことが好結果につながったようです。Youtubeの画像は張りませんが、PlayoffのGB@WASでのワンハンドキャッチとTD Recieveは見事でした。

逆に残念だったのは、SEAのGrahamと、NEのBennett、MIAのCameronあたりでしょうか。特に鳴り物入りでやってきたGrahamは11試合で72.5Pointでは厳しいですね。

しかもGrahamが怪我でシーズンアウトしてからチームの調子が急に上がったため、一部では不要論さえ語られています。2015年シーズンのカラー写真名鑑(ベースボール・マガジン社刊)の表紙で一番大きな扱いとなっていた期待の選手だけに、来シーズンは奮起を期待しましょう。

さて最後に筆者のFantasyのTEについて。2015年のドラフトではJordan Cameronと、もう一人Antonio Gatesを指名しました。Gatesは開幕から4試合出場停止なので、だれも指名しないだろうという読みでした。2014シーズンに851ヤード、12TDを上げていたので、試合に出られればそこそこのPointを稼いでくれると期待したのです。

実際この策は最初は大当たり。Week5でGatesがシーズン初めて登場した試合は、Riversもお待ちかねだったようで、いきなり21.2Pointを上げる大活躍でした。ただその後は尻すぼみで、トータルで93.0Pointは物足りなかったですね。

だったら小細工をせずに、Walkerを使っておけばよかった。実はドラフト直後にCameronと交代させたものの、出来があまりよくなかったので1試合でお払い箱にしていたのでした。結果、150.4Pointを稼いでいたわけですから惜しいことをしました。

TEは、トップのGronkでも15試合で183.6Pointなので、平均で10Pointを稼げれば御の字のポジションであることがわかりました。来シーズンは選択肢も広がったので、TEについてはドラフトで苦労しなくて済みそうです。

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。


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2015年シーズンに期待を裏切ったQBたち、Fantasy Pointを逆読みしたら

2016年03月23日 06時39分19秒 | Fantasy 2015

以前、2015年のFantasyで最もPointを稼いだのは、CARのNewtonだったと書きました。では逆に、最もがっかりだったQBは誰でしょう。

Fantasyではドラフトが大イベントになるのですが、シーズンが終了した現時点で、指名した選手について振り返っておかないと来シーズンにつながらないのです。

QBの指名はほかの選手と違って独特なため、前回同様QBに限定して話をします。その後でWRとRB、TEまで順次分析してみたいと思います。

早速ですが表を貼ります。上から、Yahoo.comのシーズン前の予想値(Proj)が高い順に並んでいます。赤字は出場試合が14以下、Fantasy Pointが250以下、Actual Rankが100以下です。

2015年シーズン、Yahoo.comはAndrew LuckがQBでは最高のPointを稼ぐと予想していました。Luckは残念ながら怪我を負い、出場できたのは7試合にとどまります。

出場した試合では、1試合当たり20Point前後を稼ぎましたが、トータルで142.84Pointは、最高Pointを挙げたNewtonの半分にもなりません。Luckも残念だったQBの一人であることに間違いはありません。

前回、Pointが高かったと説明したBotlesやFitzpatrickがこの表にいないのは、シーズン前にこれほどのPointを稼ぐと期待されていなかったからです。Botlesは168位、Fitzpatrickは191位、そしてもう一人、WASのKirk Cousinsは188位で上の表には現れません。しかし3人とも300Pointを超えたのは見事でした。

以前載せた表を再掲します。

では逆に、最も期待外れだったのは誰でしょう。これは期待順位(Proj)から、現在の順位(Actual)を引くことで見えてきます。最初の表の水色の部分ですね。マイナスは赤字で表示します。

この数値はQBには実際の獲得Pointに比べ厳しく算出されるようです。Yahooにはstat/position filtersというのがあるらしいのですが、その換算式が見つからず困っています。まあ、現時点ではPositionごとに比較しているのでよいのですが。

結論を言うと、2015年シーズンで期待を裏切ったQBの最高位はDALのRomoでした。

Projectでは全QBの上から8番目でしたが、2度にわたる鎖骨負傷によって出場できたのは4試合だけ。得られたFantasy Pointは47.66でした。Romoを先発QBとしてチームを構成していたら、早々に再編成が必要になったことでしょう。

Fantasyの世界では、エースQBが怪我をしたらほかのQBをとればよい、あるいは控えQBを先発にすればよいわけです。とはいえその控えとしてだれを確保しておくかで、稼げるPointは大きく変動します。

筆者は8チーム制のFantasyしかやったことがありませんが、12チーム制だと使えるQBがFA市場に殆ど残っていないことさえあるでしょう。かといって先発並みの控えQBを確保しておくと、ほかのポジションの有力選手を逃しかねません。

もちろんドラフトでは狙っていた選手を先に奪われることもあります。このあたりがFantasyのチーム構成を考えるうえでの醍醐味になります。

期待外れの次点はPeyton Manningでしたね。2014年シーズンの終わり方が悪く、年齢面での心配もあって、筆者は指名できませんでした。2013年シーズンの活躍を記憶している者としては寂しいですが、Fantasyはファン投票ではないので仕方ありません。

Fantasyでは、QBに1試合20Pointは稼いでもらえないと勝てません。Passの場合25ヤードで1Point、1TDが4Pointですから、Runが少ないポケットパサーは300ヤードを投げて2TDくらい取ってくれないと(これで20Point)困ります。

Peytonは出場した10試合で2249ヤード、9TDですから、1試合当たりの平均Pointは12ポイントにも届きません。シーズン途中で怪我で欠場しましたが、Fantasyではその前に先発QBから外していたファンも少なくないと思います。

このほか期待外れだったのは、KaepernickとFlaccoというSuper Bowl 47を戦った2人ですね。前者は不振で先発を外れ、後者はACL断裂。どちらもシーズン途中から欠場となりました(ただしFlaccoはProjよりもActualが上回っているので、予想を裏切ったわけではありません)。人気がある選手だけに指名順位も高かったと推測されます。

筆者もシーズン前はLuckやRomoの怪我は予想できませんでした。同様の悲劇は、来シーズンに指名するQBにも起こり得ます。そう考えると、突出したQB一人に頼るよりも、そこそこの活躍を期待できるQBを二人揃えたほうが、選手繰りには困らないかもしれません。このあたりをちゃんと考えることにして今回の分析は終わりにします。


もう一人いた面倒なQB、ごめんなさいMatt Cassel

2016年03月22日 00時04分02秒 | Jersey
先ほど米国のサイトを見ていたら、衝撃の事実に出くわしました。BUFのTyrod Taylorが2015年シーズンのWeek1で先発していなかったのです。その経緯はこちらの記事に書いてありますが、BUFの2015年シーズンの最初のスナップを受けたのはMatt Casselだったのです。
 
BUFファンの皆様からすると、そんなの当たり前だろということかもしれませんが、試合を見ていない筆者にしてみると青天の霹靂です。そうすると、Matt Casselも1シーズンで2チームの先発となった面倒くさいQBの仲間入りです。
 
ただ、上のリンク先の記事にもある通り、CasselはWild Cat隊形のスナップの受け手となり、LeSean McCoyにボールをハンドオフした時点でお役御免。PassingもRussingもカウントなしでした。この結果、Casselの年間成績は、DALでの8試合(9試合に出場していますが、Week16の試合もカウントなしでした)で計算されています。
 
ただそのプレイがゲーム最初(そしてシーズン最初)のものだったため、BUFの2015年シーズン開幕時の「先発QB」の名誉はCasselのものとなったわけです。先発QB争いで、Casselに勝ったTaylorは、その名誉を不可解な采配で奪われることになりました。ちなみにTaylorは最初のスナップの時は、WRのポジションにいたようです。
 
調査不足をお詫びするとともに、元の記事には注釈を入れて、この記事にリンクを張ることにします。

今こそEli Manningを評価しよう、OBJ加入でINT激減

2016年03月21日 00時10分00秒 | Stats

あなたが応援するチームに、10年以上休まずに先発を務めてくれて2回Super Bowl MVPを獲ってくれるQB、欲しくありませんか。

今回は、EliことElisha Nelson Manningについて考察します。人によって好き嫌いが大きく分かれる選手ですが、擁護の論調で書きますのでよろしくお願いします。別に炎上商法ではありませんが。

この原稿を書くきっかけになったのは、Super Bowl 50の4Qのあのシーン。C.J.Andersonが試合を決定付けるTDを決めた直後の、Eliの呆然とした表情が話題になりました。その後、Eli自身がコメントを求められ米国で放映されたテレビショー(Peytonがゲスト)でもネタにされたほど。Eliに対する米国世論の(ちょっと辛めの)視線を感じたのでした。

Eliは元NOの人気QBだったArchie Manningの三男坊で、長男Cooperの7歳下、Peytonの5歳下にあたります。本来のファーストネームは、「Elisha」という女性に多い名前です。機動戦士Zガンダムのカミーユ・ビダンの設定を思い出しますね。

実はこの名前、お父さんから受け継いだものでした(Archie Manning の「正式名称」はElisha Archibald Manning IIIといいます)。なぜ長男ではなく三男がこの名を受け継いだかについては、Archieに教えてもらわないとわかりません(ご存知の方、教えてください)。

偉大な父と兄への評価もあって、2004年のドラフトで1位指名が有力視されていたEliは、指名権を持っていたSDに行きたくないと主張してひと悶着を起こします。日本のプロ野球でいうところの江川事件に匹敵する社会問題になりました(江川問題に触れた「すすめ!パイレーツ」の写真を掲載します)。江川は後に巨人の主力として大活躍しますが、入団時の経緯があったため、巨人ファンなんだけど好きになれないという人が少なからずいました。Eliについても似た思いを抱いている人がいることでしょう。

いろいろ話題を振りまいてようやく入団したNYGで、EliはルーキーシーズンのWeek11に先発昇格します。以来、2015年シーズン終了までの194試合(RSが183試合でPlayoffが11試合)で連続先発を継続しています。同じNYを本拠とするNYJをはじめ、先発QBを固定できないほかのチームからすると、これだけでもありがたい存在ではないかと思います。

連続先発記録1位のFavreは321(297+24)試合なので届かないでしょうが、2位の兄Peytonの227(208+19)試合には、届く可能性があります。そのためには、あと2年無事に先発を務めて1回はPlayoffに出ないといけません。

さてEliの成績を見て思うのは、INTが多いことです。前回取り上げたFitzpatrickのINT率は3.3%でしたが、Eliもそれに劣らぬ3.2%という高確率。こうなると、パッサーレーティングの計算上ポイントは上がりません。通算で83.5という数値はあまりほめられたものとは言えないでしょう。

全試合に先発している分、試投回数も多くなります。このため、これまで3シーズンでインターセプト王を獲得しています。

実働12シーズン(185試合、以下はRSの成績)で積み上げたINT数は199と、1試合1回を上回るペースとなっています。Peytonが実働17シーズン(266試合)で251INTであることを考えれば、非常に多いですね。Peytonが引退会見で、「(Eliがルーキーシーズンに)全16試合に先発出場していたら、(Peyton自身が作ったルーキーシーズンの)インターセプト記録を破ったはず、とEliに言っている」と話していましたね。ちなみにBradyは実働14シーズン(225試合)で150INT、Rodgersは実働8シーズン(126試合)で65INTです。

そんなEliですが、Playoffに入った途端に覚醒することがあります。あえて微妙な表現にしたのは、変貌しないシーズン(2005、2006、2008)も3回あったからで、その時はPlayoff初戦で敗退していました。2008年はRSで12勝4敗の好成績を収めながら2INT、レーティング40.7で初戦敗退しています。

Super BowlのMVP2回獲得の年はどちらもすごかったですね。2年とも4試合でINTを1回ずつしか許しません。2007年レギュラーシーズンは20INTで最初のインターセプト王になり、パッサーレーティングは73.9でした。そのEliがPlayoffではINT率は1/119=0.8%で、レーティングは95.7を達成。いったん乗り出すと止まらない、爆発力を持っているといえるでしょう。

そしてその爆発が1度だけでなく、2度目もあったことが評価できます。2度ともに相手になったBradyは、どちらかに勝てていればSuper Bowl優勝回数で単独首位になれているわけですから、最大の被害者といえるでしょう。

筆者は2015年シーズン前に、2007年と2011年の4年周期を受け、3度目があるかもと期待してTシャツまで準備しました(笑)。しかしチームはRS途中で失速。代わりに兄のPeytonがSuper Bowlに進出し、2つ目のリングを獲りました。

Manning兄弟はこの10年で6回Super Bowlに進出し、4勝2敗の成績を残しています。最初にPeytonが勝った2006年を除くと、奇数年シーズン(Super Bowlそのものが開催されるのは偶数年。つまり夏または冬のオリンピックがある年)は必ずどちらかが進出しているんですね。

2006年 兄○−Chi
2007年 Ne−○弟(2008年2月)→北京オリンピック
2008年 PIt−Ari
2009年 兄●−NO(2010年2月)→バンクーバーオリンピック
2010年 PIt−GB
2011年 Ne−○ 弟(2012年2月)→ロンドンオリンピック
2012年 Bal-SF
2013年 兄●−Sea(2014年2月)→ソチオリンピック
2014年 Ne−Sea
2015年 兄○-Car(2016年2月)→リオデジャネイロオリンピック

じゃあこれでManning兄弟の栄光の歴史が終わりかというと、そうとも言えません。この原稿を書いて初めて気づきましたが、Eliはパッサーレーティングで2015年シーズンにキャリア最高をたたき出していたのです。2014年シーズンからは2年連続で4400ヤードを投げ、INT率は2013年シーズンの半分になっています。

2014年にはNYGに、WRとしてOdel Beckam Jr(OBJ)が加入しています。もちろんそれだけが要因ではありませんが、加入後2シーズンで2755ヤードをキャッチし25TDを上げたOBJの存在は、Eliの成績にプラスに働いたことは間違いないでしょう。

若いと思っていたEliもこの1月に35歳になりました。35歳といえば兄のPeytonが首の手術で全休した年齢じゃないですか。つまりはキャリア終盤に差し掛かっているわけです。

奇数年である2017年シーズン(2018年はピョンチャンオリンピックですね)まで待つ必要はありません。2016シーズンでもよいので、もう一花咲かせてほしいものです。

 


フッター

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

AFC東 BUF バッファロー・ビルズ NFC東 DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・フットボール・チーム
AFC北 BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北 CHI シカゴ・ベアーズ
CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南 HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南 ATL アトランタ・ファルコンズ
IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西 DEN デンバー・ブロンコス NFC西 ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LAR ロサンゼルス・ラムズ
LAC ロサンゼルス・チャージャース SF サンフランシスコ・49ers
LV ラスベガス・レイダース SEA シアトル・シーホークス