ITニュース、ほか何でもあり。by KGR

ITニュースの解説や感想。その他、気になる話題にもガンガン突っ込む。映画の感想はネタばれあり。

PCのディスクレス化

2005-06-23 11:12:13 | IT
ビジネス用PCのディスクレス化が進行しつつあるようだ。

話題になった日立製作所の2月の発表では、モバイル用途のPCに対するセキュリティ対策として説明されている。
日立、HDD非搭載ノートPCによるセキュリティシステムを発表

つまり、持ち出したノートPCから情報が漏れないように、ということ。

第2弾では、社内にあるPCの盗難対策も視野に入っている。
日立がディスクレス・クライアントの第2弾を発表

これはいけると見たのか、5月時点では、SUN、富士通、HP、ナナオなど12社から製品が出ている。
NECはSUNと組んだ。
NECとサン,IP電話+シン・クライアントをソリューション化


そして、DELLも
デル、情報漏洩対策にハードディスク非搭載の「Dell ThinPC」


このThin Client(シンクライアント)のコンセプトはずいぶん前からあるんだよね。
シンクライアントと、リッチクライアントのせめぎ合いで、発展してきたと言ってもいいくらい。

しかし、結局シンクライアントは敗北を続けてきた。
それはなぜか。
使い勝手が悪いからだ。

シンクライアントとは、すなわちリッチサーバーを必要とする。
メインフレーム時代のホストと端末のような関係が必要になる。

定型業務でテキストベースの時代ならいざ知らず、今はPCでの作業は非定型業務しかないと言っても過言ではない。
当然プログラムはクライアント側にないといけないし、データもそばにないといけない。
やりたいことが増えて複雑になるにつれ、どんどんクライアントがリッチ化する。

シンクライアントは例えてみれば、引き出しのない机で事務作業をするようなものだ。
書類はすべてキャビネに入っており、何をするにもいちいち取りにいかねばならない。
キャビネをそばに置けばいい=>結局大きな引き出しのある机がいる。

ところが、キャビネが遠くにあっても、引き出しから取り出すように時間も手間もかからなければ。

誰かに取ってもらう、それじゃ持ってくるまで待つってことでしょ、そうじゃなくて、
たとえば君の手が普通の長さから10メータくらいまで自由自在に伸びれば(怪物君のように)
あるいは、キャビネの前まで瞬間移動(テレポート)できれば、

これはネットワークの高速化ということ。
昔の10Mbpsでは遅いが、100Mbpsから1Gbps(ギガビットイーサなど)などが普通の価格で普通にできるようになった。

サーバーも大容量高速省スペース、そして最も大事な低価格、
これらがあいまって情報漏洩対策と言う対外的にも社内的にも説明しやすいお題目で
ディスクレスPCが進行している。

この表現は嫌味ではありません。
ここ数年で大企業はシンクライアント、社内超高速ネットワークへ移行していくと思われます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「A」細かい事情は知らない... | トップ | 映画「バットマン・ビギンズ」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

IT」カテゴリの最新記事