水徒然

水に関する記事・記録・感想を紹介します。水が流れるままに自然科学的な眼で
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超純水の使用実態に係る記載を紹介します。

2010-11-25 | 日記

少し旧い文献ですが、超純水の使用実態に係る記載を抽出して紹介します。
「超 純 水 の 現 状」野村マイクロ・サイエンスによれば、
http://www.jaie.gr.jp/z_yamaki.pdf

「【はじめに】 超純水といえば、半導体製造工場や液晶製造工場において必須のアイテムである。複雑なウェットプロセスにおいてウェハーやガラス基盤の洗浄に欠かせない・・・

【超純水水質】
必要とされる超純水水質に対して、一般的に参考にされるのはITRS(International Technology Roadmap for Semiconductor)から発表される指針である。これは超純水のみならず、半導体製造に必要とされるすべての技術に対してその指標が記載されている。・・・」(集積度と水質 (ITRS 2003年度版
 ⇒半導体の集積度(デザイインルール)の向上により、超純水中の微粒子数・径の減少が課題となっている。
「【超純水製造技術のトピックス】
① ボロン ・・・超純水装置内に通常設置している逆浸透膜装置(RO)の前で、アルカリなどを加えてpH を上昇させた後にRO 処理すると、ホウ酸が水中で大きくイオン化され・・・除去率が高くなる。
② ポリシングシステムでの過酸化物 ・・・UV より発する185nm の紫外線を超純水に照射し、きわめて酸化力が強いヒドロキシラジカル(OH・)を生成させる。これにより超純水中の微量有機物を酸化分解し、有機酸や炭酸ガスの形に分解するのである。その後は後段に設置したポリシャーと呼ばれる非再生型のカラムに充填された強塩基性アニオン交換樹脂で吸着除去させる。しかし UV 照射量が過剰であったり、超純水中の有機物があらかじめほとんど無い場合、余剰のヒドロキシラジカルは使用されることなく、過酸化水素に代表されるような過酸化物にかわる。・・・溶存酸素を低減させるためにポリシャーの後段に膜脱気装置をおいたりすることが必要である。
③ 耐熱イオン交換樹脂
 近年、化学的構造を一部変えることにより化学的安定性を大きく上昇させた耐熱アニオン交換樹脂が上市されている。超純水の分野でも、洗浄性を向上させるために温純水を使用したり、ラインの殺菌のために温水殺菌をおこなう。通常のポリシャー用樹脂ではこの温度での使用に不安がある・・・
④ 水回収 ・・・ユースポイントでの使用した水の分別を行っていくと、非常にきれいな純水レベルの排水もあり、それらを雑用水(スクラバー用水やクーリングタワー用水など)に使用するようになってきた。今の半導体工場では、使用した超純水の50~70%は再利用することが常識となってきている。・・・
⑤ 機能水(Functional Water) ・・・機能水とは業界毎に様々な定義があり特に統一した定義はないが、我々は「薬品に匹敵する機能を兼ね備えた水」と考えている。また加えて言えば、環境負荷や薬品コストが少ない水でもある。導体・液晶製造工程では、薬品を用いたRCA 洗浄が利用されているが、・・・機能水に一部置き換えられてきている。現在では主に超純水にオゾンを溶解させたオゾン水、水素を溶解させた水素水が使用される。オゾン水は、その強い酸化力により有機物分解・除去、金属除去、あるいは過酸化水素代替として用いられる。」

⇒機能水の活用と超純水のリサイクルの更なる進展と半導体製造分野以外への水処理技術の水平展開が期待されます。
 google画像検索から、超純水の純度が如何に高いかを示す記載を引用しました。


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1 コメント

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毎日 (masa)
2011-01-28 21:29:13
今年中に水徒然の全体9割程度~を読んでおきます。
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