自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

ナッツ一粒、食して親木を食べるとは?~二木医学博士(3)

2018年12月04日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

病~症状~自然治癒力の発動=生命力 2018.12.4

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 さて、先回は、“日本の本来の求心的な医学的研究”

という博士の話で終わった。

その求心的な中心に位置するものが、生命力であると

いうことも、博士(*1)は語っていた。 

この生命力が働く限り、また、寿命の全うする時が来て

いない限り、病にかかっても、“必ず治る”、”治ってきた” 

博士の体験をお伝えした。

 

私見で恐縮だが、私自身、博士と似たような病歴を持ち、

同じような信念を持つにいたっている。

つまり、病にかかっても、自らの体の中に存在する

生命力=自然治癒力を完全に信じ切ることで、完治したきた。

 

30代、血液の癌を患った。 内臓臓器を侵していくが、

子宮 に違和感を感じていた。  

しこりがあり、その大きさはかなりあり、日常生活の

中で支障になっていながら、病院嫌いの体質で

そのままに放置していた。


が、とうとう、姑の強い薦めもあり、国立機構の

地元の病院へ診察に行くと、即翌日、外科手術を即決

されるほど急を要した重篤段階だった。

 

施術後、医師は私には順調に回復していると言っては

いたが、実は、夫には、私の余命宣告とともに、

あと、半年の集中治療を勧めていた。

ところが、夫はその事を私に伝えなかったので、私は、

事実を知る前に、手続きをとって、自主退院をして

しまった。

 

私は退院後、その後10年間、検査を含めて、

病院に行かなかった。

後から夫から聞いた話では当時いわれた余命宣告

6年だった。 

其の話を聞いたのは実に、難なくその余命期間が

数年過ぎてからだった。

 

生まれつきのアトピー性疾患や、他様々な虚弱体質的

病状で暗い青春時代を送っていた自分が、こうした

癌もどき体験を経て、その後、健康に生活できたこと。


さらに、不治宣告を受けた方がアートマセラピー施術

を受けて、正常な回復体験をしたということにより、

いよいよ、自分の信念は強くなっていった。


”病とは? 

症状が現れた状態をそういうのなら、その症状とは何か?  

症状は生命力の健康体に戻すための働きの発露で、

いかに、症状経過を、乗り切るか? 


膿(うみ)や熱、痛みや吐き気などの症状を如何に、

体の外に出し切れるか? 


それができたとき、回復の要(かなめ)となり、

それを通り越してこそ体質改善と病の完治、さらに、

以前よりいっそうの健康体に戻ることができる” 

という体験に基づく信念ができた。

 

生命力に対する、私の信仰にも似た全託は、他人に勧めても、

誰もが 素直に納得して、持てるものではないことは

承知している。 


が、少なくても、生命力が発揮しやすい体を創ることは

自然治癒力の効果を期待できると思う。 

 

さて、話を戻すと、その生命力が十分発露させる方法

の1つが、食事療法で二木博士は精通していた。 


博士は、それを完全食と呼んだ。

その完全食とは、玄米食 を中心に置くものだった。

自ら玄米食に徹した博士は、その効用を、生まれながら

の虚弱体質を、創建な体質へと変えた。

多くの病に打ち勝ってきた自らの体験で証明した。

そのあたりを、博士の言葉から引用(*2)する。

 

肉食は日本人にとって、適応食ではない。

日本人が中華料理や西洋料理を毎日食べていると、

胃腸を悪くするが、菜食なら、いつまで続けても、

飽きないのは、日本には菜食が適しているからだ。


虎や獅子は、ビタミンをウサギから借りて、

ウサギはビタミンを野菜から借りる。

魚はビタミンを海藻から借りている。

人間が動物食をとるということは、借り物を

またかりることになるから生命素が

足りなくなる。


すなわち、肉、魚などにはビタミンが足りない。

そこで、海岸の人は生の海藻を、里や山の人は

野菜を食べるとよろしい。”

 

動物食を食わずにすめば、それにこしたことはないが、

食べなければならないときは、生きた動物を

食べるように,心掛けなければならない。・・・


日本では北海道、東北地方にでもコメができるの

だから、日本人には肉食をしなくても植物で養われる

のが良いのである。

 

植物のないエスキモーなどへ行くと、

野菜も果物もないから、仕方なくオットセイ

やアザラシを取って食うということになる。


しかし、彼らは生きた物を取って食べるので

あって、死んだ物を貯えておいて食うようなことは

しない。”

 

ここで博士がいわんとしていることは、日本人が、

エスキモーのように、オットセイやアザラシ、

生きている生ものを食べよということではなくて、

完全食とは、つまり、”生きている物”を食べると

いう点が主眼だ。 

 

たとえば、白米や精製米は死んでしまっているが、

玄米は生きている。

豆腐は加工されているから死んでいるが、

豆は生きている。

 

芋や玉ねぎなどは放っておくと、蒼い芽が出て

くるから、生きているということになる。

木の実などは、ビタミン、マグネシウム、カルシウム、

などが含まれ、生命力を維持するために肝心な

“類脂体”が多量に含まれているため、完全食

といえるだろう。

 

類脂体という言葉は聞きなれないのだが、

生命力の根源的要素だと博士は言う。

別名、“生命素”という言葉で博士は呼んでいる。

生き物にとっては無くてはならない要素だからだ。 

だから、木の実は、まさに、生命素の固まりで、

これを一粒食べるという事は、親木から

受け継いでいる生命力をそのまま食べることに

なるから、極端だが、その木一本の栄養素

を食したのと同じだと博士は言う。

 

のように、完全食を取っている体の特徴は

‘生き生き’していることだ。

‘生き生き’していると、康的な生活が送れる理由は、

その体は、血液が汚れておらず、血流が良いので、

体の細胞に酸素や、栄養素が行き届き、免疫力が

優れ、代謝がよく自然治癒力を十分発揮できるからだ。

 

二木博士は次のように言う:

バイ菌や寄生虫がつくのは必ず死にかけた体に

つくものであるから、体を生き生き

としておけば、これを防ぐことができる。

野生の動物は、みな生理的な死で死んでいる。

人間もまた、自ら病を招きさえしなければ、

病気になることはなく、みな元気に楽しく

暮らすことができて、自然に燈火が消えていく

ように大往生をとげることができるのだ。

 

天然免疫に対して人工免疫もある。

天然痘にかからないよう、種痘をするとか、はしかに

かからないように、血清注射をするという、

人口免疫である。


しかし、この人工免疫は一番免疫の度が強い、

天然痘でさえ、せいぜい3年ぐらいの

ものであって、だんだん免疫力は衰えて、

決して永久完全なものではない。


これに反し、天然免疫は、すべての病気発生と同時に

免疫してしまうから、チフスや赤痢にもかからない。

つまり、この天然免疫を持っていれば、すべての

病気を一緒に予防できる。


・・・天から与えられた、この天然免疫を

失わないようしなければならない。

 

先ほどの博士の上記の言葉で、強調したい言葉がある。

 自ら、病を、招きさえしなければ というところだ。 

言い換えれば、病はその人が招いている 

と言葉を言い換えることができるかもしれない。 


つまり、病とは、ストレスや心のアンバランスな

状態不摂生な食事や生活習慣、などが

長年積もって、自業自得で、体に現れたものに

すぎないといえそうだからだ。


そのような本来の自然体になれば、たとえ、

ばい菌を飲んでも、影響がない体になるという。

なぜなら・・・


胃の中の塩酸が、ばい菌をみな殺し

にしてしまうので、決して病気にかからない。

寄生虫がどこから来ても、必ず胃の中へ入るから、

塩酸に殺され消化されて、アミノ酸になり、

栄養物として吸収してしまうのである。 

からだと、博士は、述べている。 


さらに、自然に免疫力が向上し、代謝もよく、

血流に問題なく、血液がきれいであれば、

きっと、自然死、つまり大往生の生命を全う

することができるのだろう。

 

 

 

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*1)明治6年 秋田佐竹藩の藩医の家に生まれる。

20歳までいろいろの病気に悩み、

玄米食の実行により、健康となった。

明治34年東大医学部卒、駒込病院勤務中

伝染病の研究をしながら、栄養学的に

食物の研究に努力する。

ドイツに留学し、天然免疫性に関する

医学界における世界最高の業績を残す。

帰国後、赤痢駒込菌を発見し、

鼠咬症病原スピロペーターの発見によって、

学士院の恩賜賞を受けた。

かたわら、二木式腹式呼吸を発表、

玄米・菜食、すなわち完全食を提唱した。

その間、当で愛教授、都立駒込病院長、

日本学士院会員、養生会会長、豊島丘

女子学園理事長、修養団団長、その他

多くの要職を兼ねる。

藍綬褒章を賜り、その後昭和30年11月3日、

文化勲章を授与せられた。

*2) “健康への道” ~完全正食の医学~ 

東京書院発行、昭和32年

 

 

 

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