つれつれたれたれ

日常のことなどのんびり書いていきます。

パンダのシズカくん

2010-08-15 | 読書

『パンダのシズカくん』

「とつぜんきてしまって。もうしわけないです」と、くまはいいました。
「風が吹いてきて、ぼく、うちの庭からまっすぐ、カサごとおたくに、とばされてしまった。たたんでおけば、よかったんだけれど」
シズカくんは、ちょっとパンダっぽい口のききようをしました。

 アディ、マイケル、カールの姉弟の家の裏庭に、唐傘といっしょに飛ばされてきたのは、パンダのシズカくん。
 でも、シズカくんはただのパンダではありませんでした。
 彼は、『禅』の心を理解したパンダだったのです。
 そしてシズカくんは、三姉弟に禅の心を教えてくれたのでした。

 対象年齢は4才から。となっていますが、大人も楽しめる絵本です。
 《鴨とり権兵衛》のような導入から、3つのお話が展開していきます。
 3つのお話とも、大人ならああ、あれか。と判る有名なもの。大愚良寛のエピソード、人間万事塞翁が馬の故事。もうひとつは…なんだったっけ?
 子供の頃、お寺さんの説法で聞いたような聞かなかったような…あれ?(判った方は、ご教授ください)

 作者のジョン・J. ミュース は、日系アメリカ人の彫刻家イサムノグチ(1904~1988)に影響を受け、日本で石彫刻と書道を学んだ人だそうです。
その過程で禅にふれたのだとか。
 原題は『Zen Shorts 』シズカくんは、《Stillwater》というお名前だそうです。
 短い禅のおはなし?名前は淀?静かな水の流れ?でしょうか
(関西で淀。というと、お馬さんを思い出すので、ちっとも静かではありません。希望と絶望と欲望と挫折。重い財布と明るい未来を抱いて車に乗り、軽い財布と頭を抱えて帰る大きいお友達なイメージが…)

 イラストは、表紙絵のようなタッチと、水墨画的タッチを使い分けています。日本的というよりは中国的。といったほうがいいかもしれません。
 カールと遊ぶシズカくんのイラストは、某アニメ作品(パンダの親子がでてくる)を髣髴とさせて、ニヤリとさせられました。





blogram投票ボタン



最新の画像もっと見る