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『憲法考 第15回 第3章  国民の権利及び義務(その8)』

2008-05-19 20:26:50 | 憲法考
日本国憲法十五公務員の選定罷免権、公務員の性質、普通選挙と秘密投票の保障 
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

公務員の選定・罷免権

 此れについては「すべての公務員の選定・罷免について国民が関与することを意味しない。それはまた現実に不可能である。とどのつまり、国民の公務員の選定・罷免権は、公務員の地位と権限が国民の意思に立脚しているので、その権力の行使に際しては、国民全体の利益に沿って、公平に行われなければならないという意味に理解されなければならない。」と言う論調が多い。ところが、このことの規定が、態々、日本国憲法章「國民と権利及び義務」の中の条項に置かれている以上、上のような考え方では済まされず、憲法で國民固有の権利であるとしていることを枉げて都合よく解釈されたものであるということになる。少なくとも、国の法の基本原則と位置づけられる憲法は、条項の文に忠実に解釈されなければ、具体的な実行法の段階に於いて、憲法の条項で宣誓した精神を大きく踏み外すことになる。よって、このことの実行法は、総ての公務員を罷免・選定する権利を國民が直接具体的に実行出来るものとされていなければなら無いのだ。

『全体の奉仕者』の意味

 地方選出の国会議員の場合、まるで地方代表のようなことを平気で言う議員が横行しているが、国会議員は国政を行う議員なので、其の任務は絶えず国全体の國民の福祉を目指すもので無ければならないのだ。たとえ、ある県の知事と雖も、国家全体の不利益になるような行動は慎まなければならず、譬え県民の福祉の向上に適うものであっても、日本国憲法下で認められる行政体の首長という立場を踏み外して良いものでは無いのだ。たとえ、地方公共団体の職員と雖も、国全体の利害得失を常に考えたうえで、住民の福祉向上を任務として捉えて行かなければならないのだ。但し、このことは国も地方公共団体も法的には単なる法人に過ぎないことからすれば、地方の団体や職員が国政に単に盲従するものでは無いことは明らかであり、ここに『全体の奉仕者』と言う概念を、政策や行政の具体的な執行段階で摺り合わせて行く難しさが生じるのだ。

③『公務員の選挙

 機会があれば、別項に譲る。 

 此の項、以上。


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